朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

邦楽オールタイムベスト④

最近聞いてたものメインに。


 

 

BLEACH - 起爆剤(2001)

ZAZEN BOYSのMIYAが加入していたというバンドだというのをRYMでの邦楽ランキングに載っているのを見かけて知りました。いやあのランキング本当にすごいんですがちょっと気になったのがやっぱNUMBER GIRLは絶対いるよねってのとあとポストハードコアのタグがついていてそりゃそうだよね、と、じゃあ他に日本のアルバムで同タグがついてるのってなんだろう?カウパーズ?キウイロール?とか思いながらページ内検索をかけたら引っ掛かったのがこのアルバム「起爆剤」で、とにかくこのジャケ、この名前、そしてポストハードコアとしてSAPPUKEIと並んで紹介されているのを見るだけでもう音も聞かず即購入。

で届いて視聴、一発であぁこのベースはMIYAさんだなとわかるZAZEN BOYSでの衝撃的スラップベースソロみたいなのはそのままBLEACHから地続きだったのだなというのが1曲目の「視界の幅」から即わかり、Nomeansnoをこの過激すぎるベースでズタズタに引き裂いてしまったかのような、全身刃物のようなガレージ・ハードコアがノンストップで爆走する8曲23分、とにかく前のめりにひたすらまくしたてるリズム隊の快感と、もうオルタナだとかハードコアだとかそういう枠を飛び越えて一瞬で僕のオールタイムベストに食い込んでくる程に衝撃を受けました。ヤバすぎます。一々キメがかっこよすぎるとこもNomeansnoを思い出すしMinutemenとか好きな人も是非。とは言いつつ本当に衝動的なパンクで全部解決してしまいそうなパワーがありとにかく聞いてこんな全身熱くなってくるようなロックアルバム久しぶりに聞いたかもしれない。

文脈はありつつもエモやノイズロックとまで行かず、B面に入ってる「声」みたいなエモーショナルな、半分はやっぱハードコア的なシャウトになりかけてるその直前といった具合の塩梅で歌い上げるメロディアスな曲もあったりするし、ここでのMIYAさんの終始耳をえぐるだけでなく所々ユニークなおかずを入れてくるベースラインも本当にかっこよすぎる。そしてこれ聞いたことでZAZEN BOYSって元NUMBER GIRLと元BLEACHのメンバーがいるのかっていうのを考えるとまたテンションが上がってしまったし、他の二人はLumiouseorangeとBuffalo Daughterなので、ちゃんと系譜があったというかあの頃のオールスター感あるバンドなのだなぁと思ったりもしました。

 

 

ZAZEN BOYS- ZAZEN BOYS4(2008)

4th。今までのキメを多様したポストパンク~ポストハードコア+ファンクと言った作風から離れ3rdで片鱗を見せていたエレクトロ路線でガッツリと作りこんだ「ASOBI」より開幕。今聞くとかなりクラブミュージックに聞こえますね。

ASOBI、今では代表曲として長く君臨しているアンセムですが当事自分はギターロック延長線で聞いたというのもありしっくりこなかった。歌詞もネタなのかマジなのかわからんという感じだったんですが、今聞くとノスタルジック全開なシンセの音色がスカスカのビートに乗る作風に冷たさと温かさが共存していて、本当に向井秀徳はこれを一人で、打ち込みで、肌先まで温度感を感じるくらいの孤独を描写する必要があったんだなと思ってしまう程、寂しさを感じる。10台の頃は「眠らずに朝が来て ふらつきながら帰る」に共感していたけど、地元を出て20台の大半を一人暮らしで過ごした今ZAZEN BOYSを聞き返すと、ASOBIでの「全然聞いてなかったが」でのごまかし方にとてつもない孤独を感じてしまい、深夜の帰路などで聞くとリアリティありすぎて本当にぐっときてしまう。

この流れで聞くと次の「Honnouji」ではASOBIの孤独感の反動にも聞こえるバンドサウンド全開のブチギレファンクをやってますが、「本能寺で待ってる」て言いたいだけに聞こえる一発ネタ感ある歌詞の中でも「ずっとずっと待ってる」と連呼される部分にやっぱり近しいものを感じてしまうし、同路線での「Fureai」「Memories」でも、やっぱ人肌恋しいような、歌詞の節々からこの空気はずっと一貫してるんですね。言いたい事を吐き出してるだけで意味を乗せてるつもりは本人にも無いと思いますが、それでもたぶん、自然と出てくる言葉が孤独を連想させるような、ずっとそのモードで曲作ってたんじゃないかと思う。

「ASOBI」「SABAKU」とあとシングルの新バージョンである「The Drifting / I Don't Wanna Be With You」を除く6曲は全部バンド録音(しかもデイヴ・フリッドマン)、MVもあるっちゅうことで割と象徴的な「Weekend」を代表するようにかなりプリンス色強まったと言える程ファンキー、ただサウンドは今までどおり硬質な鋭角サウンドだしハードコア的な不協和音要素も度々顔を出してきて、この冷たい質感でカッチリとビートを刻むのがめちゃくちゃかっこいい。Jesus Lizardサウンドでファンクをやったような印象もあります。最後の「SABAKU」はZAZEN BOYS初の歌ものであり「割と、寂しい」とナンバガ時代からずっと冷凍都市や少女達に孤独を投影してきた向井秀徳がここまでダイレクトに、打ち込みを使ったソロでそれを表現するのにやっぱり感動してしまう。あの頃から「孤独主義者のくだらんさ」を歌ってきたけど、やっぱずっと寂しかったんだろうなと思うし、冷凍都市から、やっぱ地続きなんでしょうね。

 

 

hàl - blue(2001)

こちらも2001年作のSSWの作品で主にZAZEN BOYSの起源とも言える6階の少女が収録。向井秀徳が作曲及びギターを担当しリズム隊に54-71の二人が入るという無敵の布陣、そしてZAZEN BOYSの形が出来た後に最初のシングルでこれがセルフカバーされるというのもあり割と重要作。NUMBER GIRLZAZEN BOYSの最もわかりやすい接点だという気もしますね。

でアルバムの方に関してはあくまで向井秀徳は「1曲提供した」というだけなので作品としては全く違う雰囲気がありとくに開幕「海の音」からいきなりドープなダブが展開されていくし、「カフェ☆レーサー」「人魚」辺りのメロディ自体はポップなナンバーでもアコースティックメインながら見え隠れするダブ音響的な処理やスペーシーな効果音、ホーンセクションも積極的に参加してきて影を落としたような曇天ぴったりの内向きな空気がずっと続いていくのは同時代の坂本真綾新居昭乃といったSSW達と近い空気感がこちらにもあります。「オートバイ」は別名義ですが曽我部恵一提供だったりもするし、上田ケンジも2曲関わっていてネオアコギターポップ色も強いです。ちょっと暗いけど。

そして6階の少女。このアルバムの中で最も浮いてるようにも見え、むしろZAZEN BOYSバージョンよりも際立つベースラインや靄がかったようなリバーブのおかげで音楽性を超えてアルバムに溶け込んでしまってるような印象もあり、ZAZENから辿って単曲で聞くのとhalのアルバム通して聞くのでは全く違って聞こえてくる。これは1曲目がダブでその印象に引っ張られてしまってるというのもかなりあると思います。ナンバガの楽曲として見ても非常にポストハードコア色の強い不協和音ギターノイズ、もろ54-71直系の不穏なリズムの噛み合いによる殺伐さはとんでもなく、ここに、余りにも向井色の強すぎる"メロディーに乗っかり切らない言葉の連続感"みたいのが出すぎて、どこか歌わされてる感のあるhalのボーカルがぶっきらぼうにしかしどこか儚げに乗るのは今聞いても奇跡というくらいの組み合わせ。良すぎますね。

 

 

BURGER NUDS - 自己暗示の日/kageokuri(2014)

1曲目の「AM4:00」からかなりスロウコア色の強い金属的なノイズワークと肌に突き刺さってくるひんやりとした硬質なアンサンブルが美しくて惚れ惚れとする。完全にこれはポストハードコア発スロウコア経由の色を出しながら、でもサビになると急にそれこそ同時期に一緒に評価されがちだったsyrup16gBUMP OF CHICKENと全く遜色のない疾走ギターロック化してしまう突拍子もない展開に少し笑いつつ、これがいいんですよね。そしてギターロックアンセム「自己暗示の日」へ。この曲単体で聴くのとAM4:00から聞くのじゃまるで印象変わるなぁ。

AM4:00が死ぬほど好きなのだけど完全にこの曲はSlintとかルイビル方面からきてる音で、ダブのアプローチがもろあるとこからもリンクしてくるし、インタビューでもSweep the Leg Johnnyをフェイバリットに挙げてる辺り相当コアなその周辺シーンのファンであったことが伺えます。それこそ数年後ストレイテナーアジカンと言った王道さえもポストロックシーンと呼応していったのに対してこの時点でそれを、しかもジャンルが定義付けされきる前のプレ・ポストロック的なルーツを参照していた辺りかなり早いというか、純粋にここが好きでそこと自分達のいる下北系ギターロックの流れを同一に出力していたことが今聞くとわかって、そんなん最高でしかないわけですよ。僕もやっぱギターロック聞いて育った世代なので今になってパズルのピースがハマった感覚があった。全体的に硬質なサウンドの質感も彼らがグランジやUKロックってよりそういうポストハードコアのラインで考えてみると実はめちゃくちゃしっくりくるのではないかという気がする。とは言いつつ、純粋にいい曲、いい歌、スローテンポではありつつもスロウコアからは大分離れた「タネリ」が真っ直ぐに刺さってきて一番好きな曲であります。

今作はオリジナルアルバムではなく2002年に出た自己暗示の日のシングル+ミニアルバムだったkageokuriをまとめた再発盤。主にシングル側の曲で語ってしまいましたがkageokuri収録でも8分超ある「鋼鉄の朝」とかもろスロウコアのビート感でたまりません。他は結構ノスタルジックなギターロック然とした空気が濃いけどそれでもひりひりとした肌に刺さるような空気はどの曲にもありますね。

 



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