朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

discography⑮

昨年Arab Strapのアルバムを聞き進めながら一枚一枚感想を日記に上げてたのですがそれをまとめました。そっから連想ゲーム的にグラスゴーやUKのポストロック/スロウコアシーンの好きなアルバムについて書いてます。


 

Arab Strap - The Week Never Starts Round Here(1996)

スコットランド出身、グラスゴーを代表するインディーレーベルであるChemikal UndergroundよりArab Strapの1st。Mogwaiでも有名なとこですね。結構その時々で自由にやりたいことやってるバンド(デュオ)だと思いますがこの作品はシンプルに音数の少ない枯れたアンサンブルの上に冷たいボーカルがぼそぼそと乗るのがすごくスロウコア的、雰囲気としてはCodeienやSlintにも近いけどもうちょっと叙情的でメロディーが強く、エイダン・モファットの低音ボーカルがすごく映えるのでこれだけで聞けます。その代わり轟音パート的なバースト場面はなく常に落ち着いて聞けるし、アメリカーナやフォークロック系とはまた異なりますがUSインディー周辺のアルバムとしても近い風通しの良さというか、ハードコア以降のスロウコアバンドが持つ冷たい緊張感とはまた違ったユルい雰囲気がある。

ただUKでヒットした「The First Big Weekend」はバンドを広めるきっかけとなった曲にしてアルバムとはちょっと色が違い、アップテンポなドラムマシンの打ち込みが軸となる曲でここにエイダンの枯れたポエトリーが乗っかります。労働階級のスコットランド人の週末が生々しく描かれたということでトレインスポッティングのヒットとも完全に時代が被り多少影響があったよう。

 

Arab Strap - Philophobia(1998)

2nd。一昨年再発もされた代表作ですね。最初の2曲が前作と比べても更に音数が減っていて、隙間だらけのスカスカのアンサンブルに淡々とドラムとギターが乗っていくのはよりスロウコア色を増した。今作もチープなドラムマシンの打ち込みが象徴的でどことなく宅録感あり、極限まで音を削った感じというか、全パートが本当に素っ気ない。ストリングスやピアノも参加してて華やかっちゃ華やかなんですが、所謂ポストロック的な大仰な展開はほぼ無いしそれらのパートもふわっと、本当にふわっと音を足し絶妙に溶け合いながらフェードアウトしていくのがとても美しく彼らの繊細さを表してます。ボーカルも最早メロディーというよりぼやいていて常に何かを憂いているかのようなアルバム。この陰鬱さが原風景的に彼らの魅力だと思うし、このアルバムがちゃんと人気あるのもとても良いなと思います。Belle and Sebastianのスチュアートも参加していてここともグラスゴー人脈で関わりが深く、彼らのアルバム「The Boy with the Arab Strap」もこのバンドから名前を取っています。

 

Arab Strap - Elephant Shoe(1999)

3rdで今作はGo! Beatよりリリース。アルバム通して聴くのなら個人的にベストかも。1stから地続きの静謐さと冷たさが充満した空気感、非常に聞き心地のいいエイダンの低音ボーカルによる冷たいようで暖かいようなこのバランスが相変わらず最高です。

今作ちょっと印象的だったのが「Autumnal」でスローペースで単調なドラムのループの中で突如轟音にまみれていきますがMogwaiと呼応してるなとかなり思った。この時期のMogwai自身もCome on Die Youngというスロウコア名盤の中でWaltz for Aidanていうエイダンの名前が楽曲になってたりもしてるんですよね。でArab Strap側も轟音取り入れてこれはもう近隣でお互いに影響を受けあってた気がするし、とは言えMogwaiの神秘的な、いかにもポストロックと言いたくなるあれはシューゲイザーとかそっちからの影響だと思うけどその空気感は薄く、オルガンやヴァイオリンを使ったアコースティック側からのアプローチで音を足しながらドラム及びギターが徐々に巨大になっていきます。この轟音の聞かせ方はMogwaiの極端なカタルシスとは少し色が違うというか、アコースティックサイドからの乾いたMogwaiって感じでしょうか。あとは前作から地続きの単調な打ち込みドラムの上で叙情的なギターフレーズとボーカルが乗っていくんですがトラックのバリエーションが豊富で「The Drinking Eye」は今までから考えるとかなりエレクトロ寄り、「Arise The Ram」はドラムの音が生々しくてこのドラムのループだけでも最高です。

 

Arab Strap - The Red Thread(2001)

4thで今作はChemikal Undergroundに戻ってのリリース。開幕の「Amor Veneris」からアコースティックな色がかなり強くてピアノも入ってくる素直な名曲。とにかくエイダンの低音ボーカルと歌心一つあればアコギと組み合わさって合わないわけがなくそれだけでめちゃいいし今作この方向性か?と思って聞いてると、その反動なのか2曲目以降ずっと実験的な曲が続くアルバム。だからこそ1曲目をとびきり無添加にしたんだろうか?とにかく「The Long Sea」が7分に渡る大作で名曲です。不穏なストリングスが曲全体を覆いつくし、ギターリフを添えながらエイダンが今まで以上にシリアスに、エモーショナルに言葉を紡いでいきます。アウトロで大轟音へ。完全にクライマックスですが、何事も無かったかのようにヒップホップ的にも聴けそうなダンサンブルなトラックが印象的な「Love Detective」へとなだれ込むのもアルバムの色を表してる。

「Haunt Me」は新機軸でストリングスの分厚さに50年代のロック以前のポップスとかフランク・シナトラのような雰囲気もあるし、映画のサントラっぽいというか、このストリングスが徐々に遠くから鳴ってくる現代の轟音サウンドと合流し一つになってくアウトロはとても新鮮でした。ラストの「Turbulence」は相変わらずチープな打ち込みと簡素なエレクトロニクスがメインになっていて、このシンセによる反復と浮遊感は今までに無かった。乱雑ですが好きな曲がめっちゃあり、通して聞くのなら前アルバムのElephant Shoeがベストなんですがこちらもかなり好き。ジャケも良い。

 

Arab Strap - The Last Romance(2005)

2005年作で今作を最後に一度解散(今は再結成して昨年16年ぶりにアルバムが出ました)。またまた別物。いきなり「Stink」「(If There's) No Hope For Us」から今までのArab Strapとは全く違ったそれこそ遅くもないしスカスカでもない、むしろノイジーなポストパンク/ネオアコ/シューゲイズとかそういう言葉を使いたくなるような疾走ナンバーに驚く。それこそ雑にオルタナとかギターロックとか呼びたくなるし、これを聞くことでやっぱり彼らはハードコアルーツから派生したスロウコア/ポストロック系のバンドとは全く違った系譜であることがよくわかります。むしろMogwaiの方がそっちから影響受けててセットで語られがちだからそういう目線で見てしまっていたという気もする。しかし10年目にしてここに着陸してくるのはほんと不思議な感じだ。「Speed-Date」などアップテンポな曲が多くエイダンがこの分厚いバンドサウンドの上で割としっかり歌ってるのも新鮮ですね。

 

Ganger - With Tongue Twisting Words(1998)

名門Dominoより。こちらもグラスゴー出身のバンドで同年に出た1stと並ぶEP。所謂90sの生音系インストポストロック的な括りだと思いますがDianogahだったりSonnaだったり近い雰囲気のUSのバンド達とは一線を画した独特のスタイルがあり、それは1stでクラウトロックやUKらしいエレクトロ要素もあったりしてその調和具合がとても新鮮で、そして今作はそれらを経過した上でまた新しい形になってます。とにかく9分に渡る「With Tongue Twisting Words」がすごすぎる。僕はポストロックで1曲オススメを教えてくれと言われたらこの曲を挙げてしまうかも。直線的で力強いドラムとベースのグルーヴィーな屋台骨を軸にし各パートが装飾していく感じで、イントロから粉々にしたガラスをぶちまけたようなギターの音から衝撃を受け、ホーンも入ってきてジャズっぽい雰囲気もあればファンキーな表情も所々見せる極上の9分間。とにかくリズム隊二人のペースを保った安定感のある掛け合いが素晴らしく、長さを感じさせませんが聞き終えた時はアルバム一枚終えたような満足感がある。決して音楽性が近いわけではないけど路線の外し方というか取り入れ方はTrans Amと似たような脱線の仕方、いや、オリジナルを突き進んでるような感じ。

 

Hood - The Cycle Of Days And Seasons(1999)

こちらもDominoより。UK出身のバンドで初期のBark Psychosis的なサウンドからスロウコア色を徐々に強めてきた99年作。バンド形態というよりはエレクトロニクスも大々的に導入した独自のサウンドで、スロウコアに括られるバンド郡の中でも中々見られないダビーな音響処理を楽しむことができます。The For Carnationがアルバムで見せたアプローチに近いというか、あの作品もスロウコアからダブへの接近、Massive Attackの影響もあるように感じたんですが、Hoodは元々UKのバンドなのもあり手法的な面でかなり似通っている気がします。

「How Can You Drag Your Body Blindly Through」では遠くで鳴っている音をなんとなく眺めている内にどんどん耳元にノイズが迫ってくるのは圧巻。そこから突如音を減らし真横で抒情的なアコースティックサウンドで心地のいいスロウコア/サッドコア化するバンドサウンドにおける静→動の轟音とはまるで違った非常に実験的な曲に驚きました。Talk TalkやBark Psychosisと言ったネオサイケやシューゲイズとも近隣のUKポストロック黎明期を現代に繋げるミッシングリンクだと思います。

 

Hood - Cold House(2001)

2001年作でこちらもDominoから。アンチコンとコラボした「You're Worth The Whole World」が象徴するようにヒップホップにも接近。そもそもスロウコアってジャンル自体、手数の少ない単調なスネアやキックのループ感、それぞれの音の隙間の広さとかそれをどこに配置するかというのはヒップホップとの共通項を見出せると思う。

Slintを経由したThe For Carnation然り、RexやJune of 44で知られるダグ・シャリンもソロのHiMにおいてダブに行ったし、そもそもスロウコアという隙間の多いジャンルだからこそリズムが浮き彫りになることでその一音一音リズムを構成するパーツの音響に拘っていくってのは自然な気がします。そうするとダブとくっつくのもわかるし、Hoodを聴いてるとそういった要素のクロスオーバーを自然とやっていて本当に納得しかなく、スロウコアからダブやエレクトロニクスを全面的にフィーチャーしてったらラップが乗っても何もおかしくないなという気づきにもなりました。そもそもハードコアにおけるスポークンワーズ自体が朗読っぽくてこの時点で親和性あるんだよなと。

そんなアンチコンとのコラボ曲はラストのみですが、序盤からもうポストロックというよりエレクトロニカのような素材の質感が耳元で伝わるような気持ちのよいトラックをベースとした曲が続き、「The Winter Hit Hard」「The River Curls Around The Town」らはヒップホップとの共通項含めFour Tetの初期とかフォークトロニカ好きな人にもいいと思います。

 


以前書いたものですがMogwai及びGangerに触れてます。シーンや引用元も近いし関連記事というか兄弟記事かも。

 

Arab Strapの1st収録のヒットナンバー「The First Big Weekend」にフォーカスし、歌詞や時代背景に切り込んで解説したNote記事で筆者の方が実際にスコットランドに住んでいた時期もあるとのことで凄まじい内容。読んでるだけでこの曲を書いた彼らの当事の空気感が肌先まで伝わってくるような魅力がありとても参考にさせていただきました。是非とも。

20221102 聞いた新譜とか

日記です。最近聞いてた新譜を雑多に。

 

kurayamiska - kimi wo omotte iru(2022)

1stEPなんですがこれがめちゃくちゃいい。春頃にツイッターにふと上がっていたFarewelのショート動画みたいなのが話題になってて聞いたけどその一瞬切り抜いたみたいな動画でもかなり惹き付けられました。詳細不明の謎のバンドとして続報を待ち続けたバンドで、少しずつ情報を解禁しながら先月ようやくリリース。せだいのギターであるうんにょんさんがコンポーザーとして立ち上げたプロジェクトらしくメンバーも辿ってみると周辺バンドやシーン内で活動していた人達が集まってるようです。リリースされたレーベルのtomoranも今年始まったばかりですが、どのバンドも熾烈なギターサウンドとノスタルジックなメロディを前面に押し出した自分の世代的にド直球で突き刺さるギターロックの系譜で、既にせだい、kurayamisaka、TTUDがリリースしてますね。

もうね、ジャケがかわいすぎて机の上にあるこのジャケが目に入るたびに嬉しい気持ちになるので、フィジカルで今年買って一番嬉しかったCDかもしれない。ライブ告知やセルフライナー記事にジャケに写る二人のあらすじが載ってます。もうFarewelは何度再生したかわからん。とにかく曲が良い、メロディーが良い、ジャケがかわいい、で素直に轟音ギターサウンドの上で甘いメロディが乗ってたらとにかく最高だよねというのを久しぶりに思い出させてくれる作品。10年前確かに一緒にギターロックが好きだったはずの友人はもうさっぱり音楽を聴かなくなりライブも行かなくなって久しいが、そんな友人にも連絡をとってkurayamisakaは是非聞いてくれと強めにオススメしたくなるような(というかした)アルバム。

轟音といってもスケール感どんどん拡げてくような感じではなくてぎゅっと濃縮した密度の高いノイズギター、流麗なアルペジオも印象的でそれも相まって親しみやすい寄り添ってくれるようなどことなく柔らかい音で、これは歌声と重厚なギターサウンドが同時に溶け合って聞こえてくるような録音の妙もあるかもしれない。これがめちゃ心地いいです。エモもシューゲイザーも広義になりすぎて全部もう一まとめにインディーロックとして内包されるようになったこの時代に、そのフォーマットを通過した・・・というよりもう基本として備わった状態で00年代とかのあの頃のギターロックを思い出させてくれるようなサウンドをもう一度やっているというか、ブッチャーズとかロストエイジ好きなら絶対間違いないと思います。バンドメンバーによるNote解説記事もあるのでどうぞ。個人的にFerawelについてtoddleがリファレンス元として書いてあったのを見てすごくしっくりきた、というかさっきの録音がどうとか言ってたのそっくりそのままtoddleにも置き換えられそうですね。

あとcinema paradiceという曲本当に名曲すぎてすごいなとか思ってたけどタイトルがニュー・シネマ・パラダイスから来てるというの見て20台入って完全に涙を枯らしていた自分が大人になって初めて画面の前で涙が止まらなくなった映画がニュー・シネマ・パラダイスだったことを思い出したり思い出さなかったりしました。ちなみに次はたまこラブストーリー、次はアイカツ!です

 

The Orielles - Tableau(2022)

これも良すぎる。元々2018年ころに1stをリリースしたときは聞いてたのですがその後は全く触れておらず、なんか昨年2nd出してたのもチェックできてなかったのですが、TLで話題になってるのを見かけどうやら新譜リリースしかも前作から大きく変化してしかもセルフプロデュースの2枚組とか気になるワードが色々あり、(前作聞いてないので違いはわからないけど)聞いてみました。ジャケもめっちゃ良い。

で聞いたのですが・・・いや、初期作で見せたほんのり香りが漂うくらいのサイケデリアが部屋の扉開けたらもう濃度増して先が見えないほど充満していたという感じ。クラウトロックというかCANを強烈に思い出し、ミニマルだけどインディーロック然としたスタイルもある程度残しておいたまま実験的になった感じでこれは確かにすごくいい。Improsession1なんていう8分超に渡る曲もあったりするし各パートフレーズが定まらないような、曖昧で浮遊感溢れるアンサンブルによりアンビエンス増し増し。そことは対照的に1stを思い出すキャッチーなメロディが特徴的な「Television」とかキラキラしてて好きなんですがここでも全く先が見えないドラミングがどこか不穏ながらツボをついてきます。60年代のロバート・ワイアットがいた頃の初期ソフト・マシーンとかも思い出す。「The Room」とか80sっぽいシンセポップな空気やポストパンクの色も強く、煌びやかなのにジャケット通りモノクロームな質感というか、その辺も全部マッチしてきます。

ちなみに2018年に1st出たときはメディアから新気鋭ということで紹介されててなんかPixiesSonic Youthに影響を受けたUKロックって書いてあって聞いたんですが、個人的にその辺のオルタナレジェンドらの系譜というより(いや間違いなくフェイバリットではあるんでしょうが)現代のインディーロックとかベッドルームの質感で聞いてました。しかし1st前に出てたシングルのこの曲

OGRE YOU ASSHOLEっぽくね・・・?となり、でもルーツがUSオルタナでインディーロックやりつつサイケデリアも匂わせるって確かにそうなりそう、初期オウガもUSインディーやポストパンクの系譜だったし、この曲はどことなくアドバンテージを後期オウガがセルフカバーしたような雰囲気あるなと。今作は別にオウガと繋がってるってわけではないけど音楽性の深化の仕方とか、結局セルフプロデュースという形に落ち着くとことか、曲が似てるとかではなく同じ気質のリスナーはしっくりくるんじゃないかなーと思います。ドラムの着地がめちゃよい録音の雰囲気や、アナログで聞きたくなってくるとこも、お互いを「聞いた感想」が近いとこあるんじゃないかとか。

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ちなみにbandcampでレーベルからLPを買ったらZINEついてきてテンション上がりました。

 

結束バンド - Distortion!!

ぼっちざろっくアニメ化。登場人物だったりサブタイトルのモチーフにアジカンが参照されてて、僕はアジカンを聞いて育ちアジカンで音楽にハマってアジカンから過去のアーティストや洋楽を参照し掘っていった経緯があるので、きららアニメもロックバンドもアジカンも大好きだからこそ素直に喜ぶというわけではなく身構えてしまった作品。ただゴッチがぼっちになってるのは申し訳ないけど正直ワロタ。でアニメに関してはここではあまり語りませんが、OPとEDはアジカンがやるのかな~と思いつつやらず、EDのDistortion!!の作曲がカナブーンの谷口鮪だったのが結構ぐっときてしまった。

カナブーンは登場した頃、丁度僕は学生で結構リアルタイムで好きだった時期もあるのですが、インタビューやラジオでも度々自分達がアジカンフォロワーであることを話しつつメディア側もそれを推してたと思います。ただ彼らのアジカンが大好きなことめちゃくちゃ伝わるのにその憧れの気持ちとゴッチの音楽オタクとしての意識のズレみたいのインタビューとか読んでわかってしまうの見ててきつい気持ちになっていた。ゴッチもNANO-MUGENに呼びつつ洋楽を聞かないという彼らにXTCを推していた話とか結構象徴的だと思う。アジカンがバンドの中である程度売れたことによる理想のアジカン像と折り合いをつけながらやろうとしていたこと、向かいたかった場所、ゴッチが当時好きだった音楽、そういうのが、純粋にアジカンの大ファンで好きな曲をコピーしバンドをやってたカナブーンとの溝を深く感じることがあった。そしてアジカンを参照したぼっちざろっくのロキノン観にも、結構僕の中で近い雰囲気というかカナブーンの時に感じたそれと同じものがある。どちらもアジカンの大ファンだというのは伝わるけど、アジカンファンに刺さるかどうかはまた別、みたいな・・・。

まぁようするに、そことそこが組んでるのめっちゃよくね?と、アジカンへの憧憬を包み隠さずしかし中身はアジカンとは距離があるもの同士というか、一人で納得して収まってなんだかんだ曲のこと好きになったという話です。むしろアジカン本人が曲を提供して結束バンドでOPやってたら冷めてたかもしれません。ぼっちざろっくも最初は警戒していたし「陰キャはロックをやれ!」というキャッチフレーズにもイマイチ入り込めないんですが、それでも、なんかこのED曲のおかげで明るい見方ができるようになったというか、僕の中でこのアニメとの距離の取り方がわかってきてフラットに作品を楽しめるようになりました。毎週楽しみです。カナブーンも1st出した頃から10年近く経つし、谷口鮪本人も今はもう割り切ってアニメと重ねてアジカンフォロワーだったデビュー時を思い出しながら作ったのかなぁと思うと愛おしくなってしまう。結束バンドにカナブーン節もしっくりハマってると思うし、俺はチョロすぎるので好きなアニメキャラ好きな女性声優が歌っていると好きになってしまう。今は亡きタワレコ千葉店の視聴機で「僕がCDを出したら」を聞いていいなと思っていたあの頃を確かに思い出したし、ぐっときました。

 

Alex G - God Save the Animals(2022)

6月に先行リリースされてたシングルBlessingが最初聞いたとき衝撃。なんか粒の荒いほんのりノイジーなシンセの和音が全体を覆っていくイントロからまず割とびっくりしつつ、でもOPNとコラボしたり前から兆候はあったよなと思いながら聞いてたら突然、なんの前触れも無く謎の合いの手が登場して「!?」となった。NARUTOのアニメで出てくるやつじゃん。ギャグなのかマジなのか微妙なラインですがそっからシンセの上でノスタルジックなメロディーが紡がれていくのは困惑しつつもどこか儚く、このギャップが素直にめちゃくちゃよくて、この感じから急にぶつ切りで曲が終わってしまうのも実験的な印象を加速させる。これがとてつもなくわくわくしたんですね。一体どうなってしまうのかと、アルバムもう意味不明な作品だったらどうしようかとか、でも曲を構成する要素がへんてこなだけで普通にめちゃいい曲だなと思ったのもあり、その後も先行シングル出してたけど一度も聞かずアルバムに望みました。

そして1曲目After All、よ、よすぎる・・・。普通にいい曲すぎて泣いた。メロディーよすぎて泣いた。次のRunnerもストレートにいい曲でぶん殴ってくるので完全に予想を裏切られたけど意味わかんないくらいいいです。Runnerとか素直に名曲なのに途中で明らかに異物な謎の絶叫とか入るのもAlex Gらしい、というかBlessingもそうだけど綺麗で完璧な作品を作ってもどっかしら壊さないと気が済まない人なんでしょう。遊び心なのか大真面目なのか判断がつかない、普遍的なメロディを持ちつつも、全体像としてはかなり歪で実験的なインディーフォーク快作。

夏アニメ見てた中ではメイドインアビス最強すぎる!という気持ちですが個人的にメイドインアビスのサントラとしてAlex Gの前作「House of Sugar」はかなり合うと思います。という勝手な妄想してたよ(今作も合うかも)。2019年リアタイでは聞けなかったんですが、今もう一度その年でベスト作るとしたら間違いなく最上位に入ってくる作品です。めっちゃ面白かったですねメイドインアビス。パッコヤンがとても好きなのでいつか絵を描きたいです。

 

先月描いた絵(右は模写)

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あとなんかDISCASが単品レンタル1枚39円セールみたいのやってて100枚借りました。BUCK-TICKとか持ってないアルバム全部借りたのと10年代初期のインディーポップとかドリームポップとかあの辺もサブスク入ってから軽く履修した感じだったので、なんかそういうのもまとめて借りました。Beach Houseとかね。あと昔好きだった洋画のサントラ系、声優のラジオCDやアニソンのシングルをたくさん借りました。聞いてみて書きたいことあれば書くかもしれません。あとなんかバイオハザード2と3のリマスターが激安だったので買いました。ニーアオートマタのアニメ化には微妙な気持ちになっています。


 

最後にレイレイセフォーさんのこちらの記事を。ツイッターで交流のある方ですが記事内で朱莉TeenageRiotについて言及して頂いてます。記事もめちゃくちゃ参考になりました。AMPかなり好きです、遠くから轟音が鳴っている感覚があって。ブクガのimageも前に聞いたことあってジャケよすぎ!となり今聞き返してめちゃくちゃハマってしまってます。ブクガ最高!そんである程度聞いたあとにまたブログを読み返して初めて見えるものも大きくて更にハマってます。

ブログ内でもここに対して密度が高いと言って頂いて(本当にありがとうございます)、確かに普段はジャンルというか焦点をかなり絞って書いてますがこういう雑多な日記的なものもまたやってみたいなと思って書きました。気が楽だし。SNSで音楽の話やシェアをしている方に対してその人のブログやまとまった読み物を読んでみたいという欲望は常にあります。サブスクでなんでも聞けるようになったのもあると思いますが、人によってそれぞれ自分の確固たる基準でシェアしてるというかジャンルの壁をまたいでもちゃんとその人が"好きそう"な感じが出てるのがわかると、とても好きになってしまいますね。

discography⑭

好きなスロウコアのアルバムについて書いてます。


 

Bluetile Lounge - Half Cut(1996)

オーストラリア発のスロウコアバンドBluetile Loungeの2nd。彼らの名盤1stではじっくりじっくりと絶頂へと向かっていき頂点に達したことすら気づかないまま暖かさが充満していくようなアルバムでしたが、今作1曲目の「Liner」では静寂から入り、そして曲の骨組みが出来上がる前にエモーショナルなギターの轟音が覆い尽くしていきます。この極端な静と動の対比は今までのBluetile Loungeには無かったし、エモという概念を音楽ジャンル的なスタイルというか視点を完全に捨てた場合で捉えるとしたらこの轟音を聞いてるときの自分は感情が溢れ出て仕方なくなってしまう。どことなくKarateの1stや更にそのルーツとなるであろうCodeineの最終作「White Birch」の暗く塞ぎ込んだ冷たさをもう少し暖かく、穏やかに、しかしやはりどこか終末感漂う独りぼっちのサウンドトラック的作品。2曲目以降は結構1stっぽくじわじわと一滴ずつコップを満たしていくような心地よさがあって2曲目「Hiding to Crash」から11分ある大作。1stと違う点と言えばアコースティックサウンドが多めになってるとこかもしれません。後半うっすらと、ギターノイズがかなり小さな音量で背景から徐々に覆ってくるところがとても心地よく、この感じ結構初期Red House Paintersを思い出す。

ちなみにSonic Youthのスティーヴ・シェリーがやってるSmels Like Recordsから出しててそれが関係してるのかどうかわかりませんが前作と比べてもっと音の輪郭がはっきりしたというか、硬質になったというか、雑にオルタナっぽい音になってると思います。ノイズの部分とか。アコギとの対比的にそう聞こえてくるのもあるかも。もし私的スロウコアベストを組むとしたら間違いなく上位に入ってくる作品で、いや1stのときも近いことを言ったけど比べることができないくらい両方好きで、それぞれ違う好きな要素があるし、大切なバンドなんですよね。

 

Cat Power - Dear Sir(1995)

こちらもSmells Like Records出身のSSWの1stで結構この後売れたのもあって割と有名ですが、これは正真正銘無名時代の1st。結構作風が違ってローファイで音数の少ないスロウコアにも近い作品。ドラム叩いてるのもスティーヴ・シェリーらしいです。しかしたぶんシーンを意識したとかではなくて素でこれをやってるというか、歌いたいことやりたいことに合ったスタイルがこの音数の少ないアンサンブルとボーカルの浮き出た形で、結果的にこうなったんだと思う。というわけでスロウコアというよりは"スロウコアっぽいSSW"て感じ。ボーカルはPJ HervyとかShanon Wrightを思い出す悲壮感全開なところも今のCat Powerから考えたら意外かもです。マタドール以降からは結構カラフルというかアルバムの中で様々な彩を見せてくれますが今作はシンプルにギター、ドラム、ベースとボーカルのみ、カラフルどころか全体を半透明の灰色のフィルターで覆ったような空気はやはりサッドコア的。

 

Cat Power - Myra Lee(1996)

ジャケからして最高なCat Powerの2nd。1stの延長線上を更に煮詰めていったようなこちらこそ正真正銘スロウコアなアルバムで、1曲目の「Enough」からかなり静謐な始まりからただひたすらCat Powerとギターの音が交互に近づいたり遠ざかったり不穏にゆらゆらと浮遊していきSlintのDon, Amanを思い出すような張り詰めた緊張感が漂ってます。前作もそうでしたが溜めて溜めて爆発させず緊張感を維持していくタイプのスロウコア。「Enough」「We All Die」も彼女が目の前で弾き語っているような生々しさがあり、「We All Die」に関しては中盤ドラムが参加してくること自体が素朴ながら大きなカタルシスとなります。最終曲「Not What You Want」のワンルームで安マイク1本で録ったようなラフでローファイな録音はどこか切実さも感じ、このアルバムの最後として完璧すぎる。この不穏で枯れ切った雰囲気がたまらずCat Powerで一枚選ぶなら間違いなくこれです。最初少しSlintに触れましたがそれこそマクマハンのSSWとしての色が濃かった初期For Carnationとかが好きな人なら、あの空気感を継承する作品として絶対間違いないです。

 

Cat Power - Moon Pix(1998)

Matador Recordsより4th。スティーヴ・シェリーに見定められSmells Likeから出した後マタドールからアルバムを出すというすごく90年代USインディー全盛期感のある経歴ですよね。このままSSWとして世界観を広げていくわけですが、このアルバムはまだ1st2ndの延長線にあるスロウコア的側面も強い作品で、ただ悲壮な雰囲気は薄まりどことなく親しみやすくなりポップさが増したかも。音数が少ない素朴さは変わりませんがその素朴さが荒廃とした雰囲気ではなく優しく穏やかな空気に変わってきていて、例えるとサウンドに大きな変化は見せずCodeine~SlintのラインからDusterやBedheadのラインに車線変更した感じ。隣ですけどね。

 

Red House Painters - Down Colorful Hill(1992)

サンフランシスコ出身、スロウコアというジャンルを代表するバンドでもあるRed House Paintersの1st。4ADということもあって透明感のあるじめっとしたギター音やリバーブがかった靄の中のようなサウンドはゴシックな雰囲気も強く、遅くて陰鬱なポストパンクと言った方がしっくりきますね。メロディーもかなり暗くこのボーカルが後のスロウコアというジャンルに与えた影響はかなり大きいと思うし、まるでデモ音源にそのままリバーブかけましたとでも言いたくなるローファイでのっぺりとしたサウンドはUKロック的に聴ける側面もあると思います。同じくUSオルタナシーン重要作ながら4ADからリリースされた同時代のPixiesとは動物ジャケと寝室ジャケというのがそれぞれの個性が出てて良い。

本来ロックミュージックにおいてカタルシスとして爆音でかき鳴らされる(という印象が少なからずある)はずの"ノイズ"が、曲の後半からヘッドホンで聞かないと気付けないくらいの極小の音量で徐々に耳元を覆っていく「Medicine Bottle」を最初聞いたとき固定概念を破壊されような気持ちになりかなり衝撃でした。「Lord Kill The Pain」でのアコースティック・ギターの裏でノイズが走ってくのも良い。こういった独自のオルタナティヴ・ロック的アプローチも見えてくるのがこのバンドの特徴の一つで、次作以降アメリカーナ方面にも通じてき最終的にSun Kil Moonというフォークロックのプロジェクト(ソロ?)へと続いていきます。

 

Red House Painters - Red House Painters(Rollercoaster)(1993)

セルフタイトル2nd。大傑作です。もう本当に素晴らしくて14曲75分、セッションで23曲録音した中から選ばれたらしいですが珠玉の名曲しかなく残りの内8曲は次作に収録(これもマジで良い)。

とにかく1曲目の「Grace Cathedral Park」から美メロ、前作から引き続きゆったりとしたドリーミーなスロウコアを鳴らしているんですがこの曲随分と風通しがよく、Down Cloful Hillでの最終曲「Michael」からそのまま地続きで始まったひたすらあてもなくドライブをしているような旅のサウンドトラック的な曲。マーク・コズレックがルーツとして元々持っていたアメリカーナの風が徐々に吹いてきたってことだと思いますがポップに振り切っていて前作以上に聞きやすいです。代表曲「Katy Song」も前作のポストパンクっぽい艶やかなギターではありますがゴシックな空気は前作ほどは無い。イントロのギター1本から心を鷲掴みにしてくるパワーのある曲で、中盤からCocteau Twinsも思い出すような儚い雰囲気が前面に出てきてまるでカーテンのようなギターが幾重にも重なっていくのは本当に美しく、これを繰り返した後に最後の最後に裏でギターがうねりを上げていくアウトロにはもう泣くしかない。これから盛り上がるかなってところで更に音を足しながらもフェードアウトしていくのは前作Medicine Bottleでの小音量のノイズと同じく想像とは逆に向かっていくというか、対比的で驚かされました。続く「Mistress」でもこの中ではストレートなノイズ路線、海外メディアではシューゲイズとも比較されてたのもまぁわかる感じでこの2曲は4AD色全開。

そしてその中でもゆったりとしたアコースティックの「Down Through」や「New Jersey」といった名曲郡もあり、この辺の曲ではアメリカーナ的な側面が強く、4ADの耽美な音世界の中でもニールヤングを想起させるようなフォーキーな質感も持ち合わせていたという意味では本当に稀有だ。曲がスロウな上に繰り返しが多いので通して聞くと長いですが、それでも間違いなくこのアルバムを聞いている時間は"ここではない遠いどこか"へ連れてってもらえるような気持ちになる。

 

Red House Painters - Red House Painters(Bridge)(1993)

前作と同名のセルフタイトル作でジャケで見分けつきますが要注意。かつて2ndが欲しくて通販サイトを利用したらこっちがきたことあり。続編というか同年にでてる上に、前作と同じレコーディングセッションで生まれた23曲の内の前作に採用されなかった9曲で構成されているのでほぼDisc2みたいな感じ。前作がRolloercoaster、こちらがBridgeと呼ばれていて8曲にShock MeというEPをボーナストラックとして追加したのがこのアルバムになります。

てわけでBridge、とにかく1曲目の「Evil」から名曲すぎるので前作が良かった人は是非。退廃的なアコースティックサウンドの歌ものから最後の最後に金属的なエレキギターが炸裂していきますが、ギターの音は派手なのにボーカルの後方からしか聞こえないくらい控えめな配置をしてて、ドアの向こうとか反対側のスピーカーから鳴ってるような最小限のカタルシスがじわじわ沸いてきて本当にすごいです。これは初期から続くMedicine BottleやKaty Songの手法と完全に地続きので僕はもう本当にこの路線が大好きなんですね。あとは「New Jersey」が前作に入っていた曲をエレキギターメインにした別バージョン、あちらは牧歌的というか風景をなぞるような心地のいいアコギメインの弾き語りだったのに対しかなりドラマティックに装飾されていてこれも泣けます。

 

Red House Painters - Ocean Beach(1995)

名盤。解散後ソロへと続くSun Kil Moonにおけるフォーク・ロック路線がかなりハッキリ出てきた作品で、初期Red House Paintersらしい作風とこれ以降続くアメリカーナ路線が共存した唯一の作品。4ADからは最後のリリースとなったのもそれを象徴していて頷けます。個人的にもうスロウコアとしては聞けず、CodeineやSlintと言ったポストハードコアの形態の一つとして、"スロウなハードコア"をやっていたバンド達とは違い、たぶん、Red House Paintersはカントリーロックやフォークの一つの新しいスタイルとしてこれをやってきた感じがある。ルーツというか、最初から出自がそもそも違う印象がありそれが表に出てきたのがこのアルバム、でしょう。

今作、前作までの靄が掛かったようなリバーブは控えめになりもう少しくっきりとした結果、彼ら特有の諦念感全開の仄暗いサッドコアサウンドは味わい深い枯れへと変化してます。そして「San Geronimo」はバンドの最終作「Old Ramon」やSun Kil Moonでも見せる分厚いエレキギターのリフがメインの曲で、中盤からわかりやすく"サビ"的なフレーズが登場しラフな空気感の中でもちゃんとカタルシスがあり、個人的にRed House Paintersで最も好きな曲です。「Over My Head」では会話をそのまま録音した入りから弾き語り→徐々にバンドサウンドを足しながらアコーディオンにおけるソロパートへと雪崩れていく様に何度聞いてもほろりと来てしまう。どちらの曲も肩の力抜いて聞けるのがとても心地いいですね。曲によってフィドルやオルガンも参加してきて後のカントリー・ロックな色が出ているし、あとは「Moments」と言う曲が結構初期から見せていたノイズを使ったオルタナティヴ路線の最後の曲という感じで、小音量で鳴り響くギターノイズが少しずつ大きくなりいつの間にか曲全てを飲み込んでいくという手法は王道ながらやっぱり良い。

Sun Kil Moon初期ら辺のマーク・コズレックもゴスな初期も大好きなんですが、個人的にこれくらいのバランスがベストかなと思えてしまう唯一無二のアルバムがOcean Beachです。一生聞いてたいと素直に思える。

 

 

Sun Kil Moon - Ghosts of the Great Highway(2003)

名ジャケ。Ocean Beachが良かったという方に是非オススメしたいのがこちらのSun Kil Moonの1stで、Red House Paintersにも間にもう2作ありますがあえてこちらを。マーク・コズレックが完全に一人分離してソロへと転向した後の1stで、直後というのもありまだギリRed House Paintersの作品として聞けてしまえるくらいには近いかと。

「Salvador Sanchez」「Lily and Parrots」辺りの分厚いエレキギターのリフがメインの重厚なカントリーロックもありこの辺Wilcoの1stとか好きな人はそのまま行けるような感じで、Red House Paintersにしてはかなりアッパーだった最終作Old Ramonともすごく近いです。コンパクトにした感じ。そして「Carry Me Ohio」「Duk Koo Kim」におけるフレーズやマーク・コズレックのうつむいた歌い方、今にも消え入りそうな儚いフレーズからはRed House Paintersでのサッドコアなスタイルを感じることが十二分にできます。とくにDuk Koo Kimはあの名曲Katy Songを想起させる10分超のアンセムですが、Katy Songにおける虚無的なループはフレーズや音色の種類もそんなに多くなくひたすら狭い中でそれを繰り返し自分に籠っていくような印象で、今回はより鮮やかに、1曲の中でも色々な表情を見せながら美しくドラマティックに変化していくマーク・コズレック史上屈指の名曲。むしろSun Kil Monnになる過程においてのRed House Painters後期のアメリカーナ化より、それが完全に終え移行した後の状態で初期の陰鬱さをまた出してる感じさえある。そこにたぶん過渡期であり一つの完成系だったOcean Beachと似た空気を感じているの、かも・・・。

10/3 DMBQとOGRE YOU ASSHOLE

メモ代わりの軽い感想です。

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行ってきました。OGRE YOU ASSHOLE×DMBQという熱すぎる対バンにラインナップ発表された時点で即チケット購入。今やってる姿はどちらも全く別物ですが、大きな区分で言う「サイケデリック・ロック」という繋がりはありつつも完全に独自のスタイルを確立させたバンド同士の対バンで面子の時点でとても楽しみでした。


 

OGRE YOU ASSHOLE

セットリスト

ハンドルを放す前に
素敵な予感(alternate ver.)

見えないルール
他人の夢

オウガ、相変わらず素晴らしいです。4か月振りに見ましたが今回も変わらず「ハンドルを放す前に」からのスタートで、いつも通り隙間のあるアンサンブル、そして全ての音にリバーブやディレイがかかったような空間的でとても心地の良いダビーな空気から開幕。続いて素敵な予感はまさかのalternate ver.で、このバージョン久しぶりに聞いた気がしますが激ヘヴィなダブ仕様、イントロからまるでMassive AttackのAngelも思い出す重低音なベースの音がえげつない。あとはもうとてつもなく不穏で暗黒なループをまるで機械かのようにひたすら繰り返す中で突如出戸さんによる耳をふさぎたくなるような最悪のギターノイズ(褒め言葉)が発せられます。かつてOptimoでこのバージョンの素敵な予感を聞いたときこのノイズ部分の音量がデカすぎてライブハウス全体が揺れてたんじゃないかというくらい包み込まれたことを思い出す。終わった今思えばこれはDMBQとの対バンならではというか、結構DMBQにを意識してのセトリだったかのような気さえします。

(ライブで聞くと本当に凄まじい曲)

そしてアンセムの朝へと。ここで少し前回のライブについて。ブログには書いてなかったのですが4か月前の6月21日、D.A.N及び鬼の右腕との対バンのOptimoがあり行ってきたのですが、そのときの朝が新バージョンで更に拡張されていたんですが今回もそれと近かったような(若干ギターリフ違うか?)。前回までの朝は割ともう固まってきたというかひたすら1フレーズのループを繰り返す中、少ない素材でどうフロアを暖めていくかというような曲だったと思うのですが、新しい朝は馬渕さんのギターリフのバリエーションが増え結構空間的な上下するフレーズが導入されてたり(ここで対バン相手のD.A.NのAnthemあたりを重ねて聞いたりもしてました)、最後いつも通りなら終わる展開のところでもう一回溜めて多幸感溢れる大団円的なループが追加されてて、ここの全パートかなり開放的でカタルシスがあったというか、そしてひたすら10分以上同フレーズを繰り返し続けていた清水さんのベースに新しいフレーズが導入されてたりとか、より拡張されドラマティックになった印象でした。

かつてのオウガは、ロープやフラッグと言った割とわかりやすく曲の中で巨大カタルシスを得られる盛り上がり所が存在していたので(音源としてはworkshop1が曲順含めわかりやすいかと)、朝はそことはまた別ベクトルの、安易に爆発させないというか、むしろ感情の起伏を上げすぎず一定のテンションを維持したまま肉体的に楽しみながらも心地よく揺れるタイプの曲だったと思います。ここ2年ロープやフラッグをやらなくなり代わりにハンドルを放す前にや他人の夢といったスロウでメロウな曲を配置することが多くなった分、今までの朝とはまた違った要素を曲の中でドラマ性を増やすことで拡張してきたように思える。セトリと共に曲の形態も変わっていくというか、そこに更にその日のテンションだったりコンディションだったりも繁栄されると思うんですが、朝という曲の性質上それをすごく感じやすく、曲自体が生きている感じがしてやっぱりリアルタイムで通うことでこういう変化を楽しむことができるのがとても嬉しいです。

 

続く見えないルールも、まぁいつも通り安定のアンセムなんですがいつも最後全てをかっさらう馬渕さんの痙攣のようなノイズギターソロが「ソロ」ぽい立ち位置ではなくむしろソロをしながらもリズム隊はガンガン前に進んでくる感じに変わり、ソロが終わったあとも何事もなかったかのように新しく展開するという形態になっていて、これまた今まで見てきたものの更に次というか、新しい展開があって本当にとても楽しい・・・。ギターソロが最後のギターソロというカタルシスを得る場ではなく、いや間違いなくここはぶち上がるのですが、ただソロさえも見えないルールの数ある展開のパターンの一つという位置に昇華されたというわけです。この辺はもう特にグルーヴィーな曲を2連発やって数か月ぶりに聞けた喜びに加え、どちらの曲もよりドラマティックな変貌を遂げていたので高揚しすぎて曲間や無音の時間でも体を揺らすのを我慢できず昂りを体が抑えられない状況でした。本当にオウガのライブに行くのは楽しいです。

最後は激メロウな他人の夢で終了。完璧。対バンということで1時間で終わるセットでしたがその1時間の中にも素敵な予感→朝→見えないルールと長尺の曲が中間に配置された非常に濃厚なセトリ、スッキリ見れるサイズ感で疲れすぎず最後までバリエーション豊かに楽しめて意外とこれくらいで見れるのが一番丁度いいのかもという気持ちにもなります。

 


 

DMBQ

90年台初頭から活動しているので大分ベテラン。まず僕はDMBQに関しては結構にわかで全リリースは追えてないしライブも初めてなんですが、名盤と呼ばれている2000年の「Jinni」そして前作であり代表曲Shoot meが収録された「I know your sweet」、そしてJinniの次に発売された「Annular Music」辺りはかなり愛聴盤でした。続編も数枚聞きつつ、しかし最新作である2018年作「Keeenly」はもうドローンのようなアルバムでDMBQらしいヘヴィなサイケデリック・ブルースやリフ主体ロックンロール路線からどちらかと言うとBorisの「Amplifier Worship」とか思い出す実験的な作風に変貌していてちょっとのめり込めなかったのも確かです。事前情報一切ゼロ、果たして高速で爆音のロックンロールやロックの原体験を思い出させてくれるギターリフと暴力的ノイズで畳みかけてくる初期路線なのか、ボアダムスで活動していたキャリアを感じさせる最新作のヘヴィなノイズ~ドローン路線なのか、もしくはいいとこどりなのか・・・。とりあえず音出しの時点でちょっと軽く弾いたくらいのギターの音が余りにも爆音すぎて爆笑。これでライブしたら絶対災害です。

(Magcal Relationは初期DMBQの個人的ベスト曲)

結論から言うと、ほぼほぼ後者の現在「Keeenly」路線だったと思います。つまりまだ理解できてなかった部分、なんですが、しかしもう完全に惚れた。ヤバすぎる。この世の終わりみたいな爆音ギターがライブハウス全体を包み込みもう絶対これ耳やられたと確信する程のノイズ、とにかく体の中震えてるし内臓まで響くんじゃないかと、そしてこれまた重低音爆音ベースにも驚きつつインプロ的な不規則なドラムが参加してきてこれは曲の体裁を保ってるのか?というくらいで完全にKeeenlyの真髄というか、本当の姿を垣間見た。まさに全身で体感する音楽でした。アルバムで聞いたときしっくりこなかったのですが、それは結局向き合い方がよくわかってなかったというのもあるしかつての先入観も邪魔していたのでしょう、ライブハウスというのはそういうの全て取っ払って閉ざされた密室で展開された新しい世界に没入させてくれる素晴らしい場所だし、爆音は雑念を消しスマホも見れない状況でとにかく釘付けにされる。実験的なドローン路線とは言いましたがそこにはしっかりと昔ながらの増子さんのシャウトが乗っていて、何が言いたいのかよくわからないし、自分を殴るし、破壊的だけど冷静にギターソロを弾くのあの全身を使ったパフォーマンスは一体この人は何を表現したいんだろうか、体内を渦巻く衝動がもう体に収まりきらないんじゃないかと、その姿に、久しぶりに子供心ながらロックスターへの憧れを思い出すようなそんな感動があり、そういった音楽とはかけ離れた音を鳴らしながら見ていて自然と涙が出てきました。

そして増子さんのパフォーマンスはかなり過激ですがどこか落ち着きがあるというか、冷静というか、クールなんですよね。佇まいがとても惹きつけられるものがある。ノイズを吐き散らしながら自分を殴り足を上げギターソロを弾く、がしかしどこか理性的で、かつてDMBQがインタビューで言っていた「ハイテンション禁止」を思い出す。音源はとても暴力的でハイテンションなロックンロールが多かった初期路線の時点で掲げていたそれを今まさに体感。MCもまた、非常に穏やかで落ち着いていたのも印象的で、一休憩入れてから初期を思い出すヘヴィなリフものをかましてったのも印象的。ミディアムテンポだったのとあまりにもノイジーだったのでもうこれは普通のドゥームメタルとかに足突っ込んだ感じで比較対象はもうSleepやBorisだと思います。アンコールでは最初期の名曲「Shoot me」を。高速のロックンロールなんですがこれも激ヘヴィに変貌していて曲調自体は軽いはずなんですが過剰にパワフルになり本当に気持ち良かったです。

正直耳栓を持ってくのが正解だったなとなり、帰りの電車ではもう知人と会話できないくらい耳がやられていた。1日寝たら回復しましたがツイッターを見ると音が大きすぎて途中退出した方もいたようで、まぁ本当に貴重な経験でした。

 

そして最新作、ライブを見た上で聞いたら本当に素晴らしかった。思ったより、というか自分が理解しようという姿勢が足りてなかっただけなんですが、かなりDMBQらしいんですよ。「So The Word of Good Spread」みたいな疾走ノイズチューンも残っているし。インタビューを読んだらビートに支配されたロック的なフォーマットから抜け出したかったと言ってて、それはベースのMakiと一緒にやってるビートレスのアンビエントユニットであるMoanでも如実に出ていると思うし、やっぱりボアダムスのメンバーとして活動してた時期の影響もあるんじゃないだろうか。それを取り入れつつ、でもDMBQらしさを捨てたくなくて、この時点で矛盾してしまっているんですが、しかしようやく互いを詰め込んだ落とし所が今作らしく、だからこそあのドラムなんだなと。アンビエンス漂いつつもガツンと爆音が鳴ってる感じってのが確かに出てるんですよ。増子さんのボーカルは相変わらずですが元々しっかり歌い上げるタイプではなかったからこそ、音の一つとしてこのアルバムでは本当にしっくりハマっている。実験的に聞こえるけどちゃんと全く新しい形でのサイケデリック・ブルースで、それを踏まえて聞くと本当に大傑作に聞こえてきた。ライブで聞く、とかインタビューを読む、とかで作品を見る角度や目線を増やしまくってようやく好きになれた気がします。

discography⑬

Duster及びその関連バンドと最近NUMEROから再発されたエモやポストハードコアをよく聞いてたのでその辺についてです。


 

Duster - Stratosphere(1998)

98年作Dusterの1st。アルバム2枚を残して解散してしまったバンドですが数年前に再結成、今年も新譜も出してますね。そして昨今NUMER GROUPにて全音源再発、及びメンバーが関わった前身のバンドや後のソロワークス含めまとめて再発されました。

一般的にスロウコアというジャンルにおいてDusterというバンドはおそらくLowやRed House Painters、Codeineと並んで代表的なバンドではないでしょうか。そしてその中でもDusterは最もメロディーが強く聞きやすい部類だと思いますが、そのせいでスロウコアとしては少し異色な立ち位置だと思います。隙間を作ってくというより割と各パート直線的にフレーズを刻んでくところや、後にBuilt To Spillへ合流するメンバーがいたりレーベルがModest MouseやQuasi、764-HEROでも知られるUp Recordsだったりするとこから結構USインディーのラインでも聞けると思うし(メロディーだけでもすんなり聴けるとことかも)、エモやアメリカーナと接近しすぎない絶妙な距離の置き方もUpの面々と近い気がします。とは言え歌い方のスタイルはボソボソと枯れきった素朴な雰囲気がありここが非常にスロウコア的ではあるかも。

今作、曲タイトルやジャケを見てると、歌詞がわからずともなんとなくコンセプトアルバム的に聞こえてきて、SFチックで遭難してしまった宇宙船の中で一人ぼっちで月面を眺めているようなそんな空気感がある。それは「Moon Age」「Gold Dust」というタイトルだったり開幕SEでのスペーシーなサウンドや、ファジーなギターノイズの波に飲みこまれる大名曲「Echo, Bravo」からもなんとなく情景を想像してしまうんですけども。カセットテープで流した音をそのまま録音してしまったかのような、ローファイでぼやけた質感も相まってこれが本当に心地よく、程よくノイジーなのもオルタナファンとしてはたまらないし、轟音パートに関してはスペースロック勢とも共通点を見出せると思います。ここまで独自の世界観を作りながらもポップに纏め上げられているのはスロウコアというジャンルやUSインディーというジャンルの垣根を越え、それこそDinosaur Jr.やPavementと同じように90年代を代表するロック名盤として、もっと広くクラシックとして伝わってほしいというくらい素晴らしいアルバムだと思います。

 

Duster - Contemporary Movement(2000)

00年作の2nd。1曲目の「Get the Dutch」から1stを想起するイントロ、そしてインストかと思って聞いていると後半の展開に泣けます。より深化してそれぞれのパートの輪郭がぼやけて一緒に溶けあってしまったかのような、全パート一つの音となって繰り返し浸透させていく音がとてつもなく暖かい。1stで見せた轟音サウンドは控えめになりその分厚みを増したギターと繰り返されるシンバルのループ感が程よく、より密度の高い全体を包み込むノイジーな音の膜になっていて、単調なフレーズの繰り返しでも一生続いて欲しいと思わされるくらい心地いいです。ボーカルの深みもより増してて結構歌ものとしても聞きやすいかも。

1~2分のインストも挟みながらコンセプチュアルな世界観を打ち出した前作と比べると、そのサウンドの特徴を維持したまま順調にポップソングとしてより外壁からしっかり作り込んで誰にも真似できない領域にきてしまったような。もう到底スロウコアと呼ぶことはできない完全にオリジナルの音を鳴らしてますが、最終曲の「Aut Mobile」は極上のスロウコアにして最高のエンドロール。ハードコアをルーツとしつつ誰にも追いかけることができない場所へ行ってしまったUnwoundやAbilene達のような、ポストロックの定義がまだ不明瞭だった頃の完璧に自分の世界を持ってる人のオリジネイターの作品という感じ。

 

Valium Aggelein - The Black Moon (2020)

Dusterと同メンバー、というかどうやら変名バンド?リリースされた作品追ってみるとDusterの1stと完全に同時期なのでほぼ同じ感覚で聞けます。こちらもNUMEROから再発されたコンピレーションで全音源収録というありがたい限り。でThe Black Moon、これはもう一つ別の型とも言いたくなる、いや音を構成する要素は完全に一緒でDutsterのサウンドからボーカルを無くし長尺のインストへと仕上げていった感じで(ボーカルある曲も数曲あります)、よりコンセプチュアルというか、DusterでのスペーシーなSF世界を更に広大なスケール感を堪能することができる。断片のようなほんと1シーンのような短いインストも合間合間に挿入されてくるのでよりサントラ的、通して聞きながらじわじわと浸透させてく感じで没入感半端無いです、僕はこれをポストロックともスロウコアとも呼びたくなくてもうジャンル「月面」とすら言いたくなる。ボーカルが無いことで孤独感も増してて一人ぼっちで取り残されたような、しかし見える景色全てが美しすぎて呆然と時間だけが過ぎていくようなアルバム。

 

Eiafuawn - Birds In The Ground(2006)

Dusterのメンバーであるクレイ・パートンによる2006年のソロプロジェクト。残った2人はHelvetiaだったりBuilt To Spillに参加してますね。宅録感も強くDusterの延長線、に見えて確かに要素は感じるが続編とまでは行かず、ローファイでベッドルームな雰囲気がとても心地よくスロウコアと溶け合ってお互いの原型をなくした90sインディーライクなアルバム。Pinbackとかあの辺のロブ・クロウ関連作の隙間の見えるインディーロックやエモ周辺が好きな人にもしっくりくると思います。

僕がスロウコア好きなのって別に遅いからだったりあのボーカルスタイルだからってわけではなく、音の隙間を見せる録音や演奏が好きというか、Eiafuawnは別にスロウコアではないんですが、録音における音の隙間、楽器それぞれの生っぽい質感がしっかりと伝わるサウンドスケープにスロウコアと近いものを感じてすごくしっくりきました。

 

Mohinder - O Nation, You Bleed From Many Wounds, 1896(1993)

93年作、Dusterの中核メンバー2人で結成された前身とも言えるバンドでこちらがとんでもなく衝動全開のハードコア。7曲13分で突っ走ってくスピード感やジャケからもわかるように激情系やカオティックの色が強く、Born AgainstやMoss IconやUniversal Order Of Armageddonらとも並べて聞けるような超金属的なギターが鉄を打つように押し寄せるメタリックなナンバーが続きます。サンディエゴとも共通点多数でめちゃくちゃかっこいい。

 

Calm - 12"(1995)/7"(1996)/Moonraker

  

Mohinderとほぼ同メンバーで結成されたバンドでDusterの直前となるバンドですが、EPである「12"」を聞く感じでは言われないとわからないくらいにはMohinderともDusterともパッと聞き繋がらず、Mohinderの硬質な音からも離れ、ミディアムテンポで重いギターリフを繰り返すタイプのジャンクエモに。このスピード感で大振りのギターリフを繰り返すという意味ではHR/HM色は無いんですが感覚的にグランジ好きな人も割りといけるかもだし、エモとしてはFarとかあの辺が好きな人にもいいかも。そしてシングルの「Moonraker」では所謂静パート的な曲の起伏が増えていて尚且つボーカルはさらに叙情を増し、ちゃんとDusterに繋がってくるというか、12"の時点では余り感じなかったDusterの影が(7"は割とMoontrakerに寄ってるかも)この2曲によって少しずつ大きくなる様子が見え、インディーロックにも通じるあのグッドメロディってエモの文脈から音を引いて出来ていったんだなという新しい見え方も出来てやはり前後作を聞くのはとても楽しい。表題曲Moonrakerは本当に名曲(今思うとタイトルから既に兆候が・・・)。この路線からValium Aggeleinのコンセプチュアルな世界観と合流していったのがたぶん、Dusterなんですね。

 

Current - Yesterday's Tomorrow is Not Today(2022)

Duster関連作ではないんですが、先月NUMEROから再発されたバンドでこの系譜どれも行ける人は近いフィーリングあるので刺さると思います。バンド名も初めて知ったし検索しても情報が少なく、先行公開されてた「Dial」が余りにも素晴らしく即買ってしまいました。当時Indian Summerとスプリットも出してたらしく今回は92~94年頃にリリースしていた音源を全コンパイルしたコンピのようです。

Current、先のDuster周辺を総括しようとする動きやRexやCodeine関連の再発など見てると完全にその流れででてきたようなスロウコアチックな叙情パート→ギターを爆発させ今にもハチ切れそうなスクリーモを上げるジャンクエモ/ポストハードコアへと派生してくのはまぁ好きじゃないわけなく、めちゃくちゃインディーっぽいローファイなこもった音を無理やり炸裂させてく感じはどこか暖かみもあってニヤリとします。「Basis」ではハードコアにおけるスポークンワーズとかとはまた違ったポエトリー的なボーカルにどことなくVan Peltを思い出したりもするし、ここからやっぱバーストしてくんですがボーカルがシャウトしてても演奏はどこか落ち着きがあるというか、隙間を残したまま静→動へバーストさせるというより一つのシーンの中に静と動が同居したような感覚がかなり新しい。FugaziのRepeaterとかLovitt Records近辺が好きな人にも刺さる部分あると思います。めちゃくちゃかっこいいです。

 

The Hated - Every Song(1989)

 

これも今年NUMEROから再発されたハードコアバンドThe Hated、現Idaのメンバーが在籍していたことでも有名ですね。1stは85年、時代直球のストレートなハードコアバンドだったはずですが数年後の今作はかなりエモ。エモの原型とかルーツってより、普通にこの時点で完全に完成されたその後のエモとほぼ遜色がないのがすごすぎる。エモというジャンルが固まってきたのって大体94年頃とかそれ以降なイメージがあるんですが、Hatedを聞くと89年?と本当に発売年を二度見してしまったしかなり衝撃でした。ハードコア譲りのささくれだった荒くれギターサウンドと繊細なボーカルとノスタルジックなメロディー、どの曲も5分前後掛けてしっかり聞かせるところとかもろだと思うし、「These Are The Days」とかを聞く感じだとハードコアサウンドのままネオアコやカレッジロックに接近してこうなったのでしょうか。リプレイスメンツ的な。しかしこれがとんでもなく良い。それこそ90年代中盤以降のエモバンドと比べればクリーンパートも随分とローファイだしギターも硬質ってよりはジャンクなんですが、だからこそメロディーの美しさが際立ってきて泣けます。「Knocking Your Door」はもう80年代エモ最高のアンセムだろ・・・。シングルカットもされてる「Someone」も完全にメロディーを聞かせる方向に振り切っててこちらも本当に名曲。レボリューション・サマーから90sエモブームの挾間に落とされた大名盤だと思います。

discography⑫

Early Day Minersという大好きなスロウコアバンド及びその前身Ativinや関連バンドについて書きました。


 

Ativin - Pills Versus Planes(1996)

以前discography④でも触れたことのあるマスロック~ポストハードコアバンドAtivinの1st以前に出してた最初期EP。Ativinの従来の作品とかなり作風が違い音数の少ないインディーロックとマスロックの中間的だった00年前後辺りのフルアルバムや、スロウコア~ポストロックに接近したアルビニ録音の後のEP「Summing The Approach」ともあまり繋がらない超ジャンクでノイジーな、しかしまたフレージングの節々にやはりマスロックに通じるものがあるポストハードコア。というかかなりヘヴィでこんなにハードコア色強い時期があったんだ?とびっくりする感じで爆裂ギターリフの甲高い過剰なノイジーさも最高だしこの大音量ギター音に負けないくらい重いベース音やローファイなドラムサウンドも純粋に高揚するAtivinの中でも異色作(そして超フェイバリット作)。展開も凝ってて不穏に静と動を行き来しながらスクリーモしてく1曲目「I Know One Hundred Things」から衝撃です。個人的にこれ聞いててめちゃくちゃ思い出すのがSlintの1stであるTweezで、SlintってSpiderlandがポストロックやスロウコアの文脈で度々引用されますがTweezをストレートに継承してるバンドって実は表立ってあまりいない気がするのでそういう意味でもレアかも。参照元が近いという意味でEngine Kidとか好きな人にも絶対良い。

 

Ativin - Night Mute(2004)

最終作になった4th?で間の1st~2ndとあとEPについてはdiscography④で触れててたぶんこのバンドが一番わかりやすいのはこの3作で既に書いてるので、今回の2枚は割と触れられない部分かも。で今作、最後にしてかなりポストハードコア色が強いというかそれこそ最初期にして異色であった上記Pills Versus Planesでの不穏で攻撃的な衝動がまたしても戻ってきたのではと言いたくなる開幕「Night Terror」からかなりかっこいい。とは言いつつサウンドはやっぱもう何枚も出してきてこなれてるのもありクリアに、というかあのジャンキーな感じは初期ならでは衝動だったと思うし。そして続く「Saigon Sleeps」「Double Back」辺りはポストハードコアのアルバムに数曲入ってそうな音数減らして硬質に不穏に緊張感保ったままちょっとスロウコアっぽくなった曲も多々あり、インストのイメージだったのがここにきてボーカルも復活してきてまた新しい一面が見れます。「The Game」に関しては完全にスロウコア名曲。

今思えばこの静寂寄りポストコアスタイルでマスロッキンなリフの反復をメインに据えインスト化させたのが前作や前々作だったのかも。今作はその反復してく感じは無く、むしろ展開やバリエーションに凝ってて時々Spiderlandを連想するダークなエモみたいな雰囲気が強いです。A Miner Forestや90 Day Menと並べるSlint以降のポストハードコアスタイルに回帰した最終作。メンバーのダニエル・バートンは同時期にEarly Day Minersのフロントマンとしても活躍していて所々共通点あるようでやってる方向性はまた違いますね。個人的にスロウコアとしてのEarly Day Minersが好きで、メンバーが一緒だったの割と最近知ったのですがとても驚きました。

 

Early Day Miners - Placer Found(2000)

Ativin率いたダニエル・バートンによるスロウコアバンド1st。Early Day Minersと言えばスロウコアのイメージ割とあると思うんですが純粋にそれっぽいのをやってたのは実質この1stと2ndくらいかと思います。2曲目の「East Berlin At Night」から淡々としたドラムのリズムとその響き、残響をたっぷり堪能できるサウンドスケープにぼそぼそとした歌声が乗るという、シンプルすぎるいかにもなスロウコア王道。余計なものをそぎ落としてこれを7分間続けるというのもいいです。Codeineのように轟音が乗ったりするわけでもないし、スポークンワーズではないけど極小で歌われているってくらいボーカルの起伏も最小限ですが、このふわふわとぼんやり浮かび上がってくる言葉の節々でも絶妙にメロディーが紡がれていってこの感じが僕の琴線に触れてきます。スカスカですが硬質な残響感もなく、そっとなぞるようなソフトなギターが常に音を刻んでいて陰鬱ながら暖かい。Bluetile Loungeの1stをもうちょっと引き締めて盛り上がるパートを無くした代わりに穏やかにずっとリズムを刻んでくようなイメージ。

あとは全体的にドラムの音がすごくローファイで遠く感じるのがどこか宅録感もあってとても気持ちよく、ドラムの音がどうしても浮き上がってしまうサウンドスケープなんですごくリズムが耳に入ってくる。このドラムを核にした反復の気持ちよさってのは結構Ativinに通じる気がしますね。

 

Early Day Miners - Let Us Garlands Bring(2002)

名盤。代表作と言えばこれだと思います。まだスロウコア色強くリズム隊の隙間も多いゆったりとした曲が続きますが、前作と比べるとかなり力強いサウンドになってて、ザラついた轟音に振り切ってくドラマティックな展開はもう後期のポストロック~エモ方面との関連も見せてきます。とくに「Offshore」は印象的なギターリフを繰り返しながら少しずつ絶頂へと向かってく感じはMogwai以降の極端な静と動のダイナミズムとも、Bluetile Loungeの気付かれないような速度で少しずつ曲を暖めていく感覚とも違い、曲の進行に合わせて繰り返されるリフと共にリズム隊のテンションが一段階ずつ上がってくというか、ハッキリとギアが上がり感情が乗っかってどんどんノイジーになってくのは最近新譜を出したdeathcrashとかの方が近いかもしれない。そういった激情的な面も見せつつちゃんと牧歌的な雰囲気も残し、フォーキーな深みを残したまま歌ものとしても聞きやすくなってます。B面はもう非常に美しく「Summer Ends」「Autumnn Walk」が象徴する最早風景を具現化したような、スロウコアの枠を飛び越えてハーブやヴァイオリンを交え色鮮やかな長尺曲がとにかく美しい。Early Day Miners史上屈指の名盤だと思うし個人的にも00年代前後でベストアルバムかもしれない。

 

Early Day Miners - Jefferson At Rest(2003)

最早スロウコアってよりは少しずつエモやポストロック的な世界観に近づいてきた頃の3rdアルバム。1曲目の「Wheeling」からエモ程ギターは硬質ではないしボーカルも相変わらず枯れた雰囲気が良いんですけど、エモの静パートをもう少しフォーキーにしてメロディーを大切にしながら曲の起伏をコントロールして引き伸ばしたような、Ativin時代も後期のアルバムがハードコア以降のマスロックという形態を取りつつもう少しメロディーに寄せてインディーロックやユルいエモに近づいてった変遷がありましたが、こちらでもスロウコア側から同じ方に向かってった作品としてしっくりきます。後半はスロウコア色また強めつつ、ただ隙間を見せるような音作りでは無くなってて、結構PenfoldやThe Jim Yoshii Pile-Upなどのエモとポストロックが溶け合ったバンド群との共通項も見いだせるかも。「Awake」はバンド屈指の名曲。

 

Early Day Miners - Offshore(2006)

Offshoreというタイトルは上記2ndに収録されてる曲名と一致しますが、まさしくその1曲フィーチャーして6曲38分のアルバムまで拡張した作品。元々リフを繰り返しながら規模を大きくしていく曲でしたがあれを分割し拡張、インストパートを加えたりボーカルを変えたりして合計3バージョン収録されてて通して聞くアルバムというよりはリミックス作品に近いか。しかしなんといっても開幕1~3曲目の組曲となったOffshoreの美しさよ。スロウコアではなくエモ~ポストロックライン、この神秘的な轟音はどちらかと言えばシューゲイザーという言葉も使いたくなってしまう感じで、スロウコアでスタートした初期の曲をオルガンやストリングスもふんだんに使いポストロックフィーリングで再構築、そして大胆なインストパートも挟むことでよりドラマティックに仕上げてきて泣けます。Appleseed Castの「Mare Vitals」とか好きな方なら間違いないと思いますが、彼らとの大きな違いはボーカルがエモではなくそこはスロウコア時代と変化がないところで、この広大なスケール感のサウンドでボーカルは今までと同じくフォーキーで静寂寄りなのがなんともいえない心地よさです。今回ゲストも多くUnwed SailerやWindsor for the Derbyの面々が参加してたり、B面は割と原曲Offshoreに近いスロウコア軸かと思いきや女性ボーカルバージョンでしっとりと、そして轟音パートではどことなくアンビエンスも漂ってきます。マッケンタイアもミックスで参加してたり。

 

Unwed Sailor - The Faithful Anchor(2001)

上記Offshoreにメンバーも参加していたポストロックバンドの2000年作。1stで昨年ボーナストラック追加して再発されました。割と00年代Mogwai以降のポストロックと近いフィーリングありますが轟音に飲み込むという形ではなく静かにじわじわと迫ってくるスロウコアパート、静寂の方の音作りに重点を置きながら捻じれたフレーズをクリーンパートで繰り返しながら熱を上げていく丁寧な曲展開が染みてきます。リフの断片が所々マスっぽいのも程よいバランス感、個人的には結構Bedheadとかと近い空気で聞けますね。

実はメンバーのジョナサン・フォードはかつてRoadside MonumentというDischordやTouch and Goどっちにもアクセスできそうなポストハードコア/エモのバンドをやってた人で、僕はこちらの大ファンなのでそこ繋がりで聞いてました。とくにRoadside Monumentの2nd「Eight Hours Away From Being A Man」はJune of 44とも比較できそうな静と動の対比がとてもいいアルバムだったので今作スロウコアを想起するスタイルにも納得。故にMogwai以降という見方ではなく同時期に近いルートを辿ったという聞き方がしっくりくるかも。逆に今作を出す直前であるRoadside Monumentの最終作「I Am The Day Of Current Taste」はJ・ロビンスプロデュースのかなり硬質なポストハードコアだったので、そっから飛んでくると対照的な作品かも。そしてダニエル・バートンとは90sにAtivinやRoadside Monumentと言ったポストハードコアシーンから出てきたという、後にお互い00年代初頭にこういったスロウコア~ポストロック側にくるところも一致してきます。

 

Early Day Miners - Night People(2011)

Early Day Miners目下最新作である2011年のアルバムで、フルアルバムは今回紹介したやつとあともう一枚05年作の「All Harm Ends Here」というやつがあって3rdのJefferson At Rest辺りのポストロックに振り切る前の彼らが好きな人にはその路線を突き詰めた感じでめちゃオススメ。で今作、Offshoreで完全なポストロックと化した彼らが、ポストロックブームもある程度落ち着いた後にまた新しい側面というか、今までとはまた違ったすごくシンプルに良い曲ばかりの力抜いて聞けるインディーロックをやってます。これが最初聞いたとき結構びっくりした。ずっと一貫していた叙情的で静謐なボーカルスタイルももうちょいリラックスしたラフなものに変わっていて、感覚としてはIdahoの後期やPedro The Lion近いかも?今まであまり見せなかった捻くれたギターリフの反復感やインディーロックとの折衷という面で見るとむしろAtivinが本格的に合流してきたようにも感じるし、最もシンプルにして実は辿ってきたもの全てが継承された集大成なのかも。ちゃんとEarly Day Minersで見せた静→動のカタルシスある展開も、サウンドは違えど所々見せてきます。

Offshoreで壮大な世界観を描いた後、もっとこう日常にありふれた景色を描くというか近くに寄り添うような作品になってるのが味わい深いです。この後アルバムは出してないですが19年にその間活動していた頃の音源を収録したものも19年にリリースされていて、そっちは逆に初期のスロウコア~ポストロックに回帰してるのも面白い。

 


 

記事内でも触れた以前AtivinとRoadside Monumentに触れたやつです。

上半期+7月に聞いた新譜まとめ

 

ベストとかではなく1月~7月聞いた新譜忘れないように全部書きます。ブログやツイッターで見かけて聞いたというものがほとんどで、漏れもたぶんたくさんあると思いますが思い出せる範囲で。


 

deathcrash - Return

年間ベストどころかここ数年リリースされリアルタイムで聞いた音源を辿ってみてもこれを超える感動があっただろうかと本気で思ってしまう程刺さりました。サウスロンドン出身、とは言えポストパンクではなくCodeineやMogwai(2nd)やBlutile Loungeを想起させるスロウコアにもうちょっと風通しのいいメロディーが乗った感じ。静→動への巨大カタルシスで終わるだけではなくそこから展開したりループしたりするドラマティックさに泣ける。ほんとに最高です。

 

Sam Prekop and John McEntire - Sons Of

7月リリースですがめちゃくちゃハマってて海外リリースではdeathcrashと並び聞いてるアルバム。The Sea And Cakeの2人ですがポストロック色は薄くTortoiseと言ったマッケンタイアの経歴もあまり感じさせないミニマルなエレクトロミュージック。シンプルなビートを即興的に二人で重ね合わせて作ったような印象もあって、どことなくクラウトロックや90sの電子音楽を思い出すとこもあり。4曲56分で1曲それぞれが長いけど、音の足し引きの塩梅が絶妙でいい感じのループが出たり消えたりしながら全く飽きずに聞き入ってしまいます。

 

Pot-pourri - Diary

アコギ+ドラム+ベースのプログレ畑3人のアンサンブルをIDM/インダストリアルに精通した液晶氏が即興的にディレイをかけたりグリッチ化させ空間を捻じ曲げてく特異なサウンド。ソングライターであるsawawo氏とプログラミング担当の液晶氏の共通言語はART-SCHOOL。この時点で想像できそうな音は、多分鳴ってないと思いますが・・・。もう聞いたことない音がたくさん出てくるのにここに乗る歌がポップなのがまた意外です。どの曲も目の前で景色を連想してしまうようなすごく三次元的なアルバム。

 

ART-SCHOOL - Just Kids .ep

子供みたいに〜♪

 

computer fight - computer fight

ヤバいです。断片的にツイッターに上がってくるライブ動画やシングルや本当にあっという間に終わってしまうEPに毎度驚かされながらまとまった音源としては初リリースとなる1st。かなり持ってかれた。鉄の音です。MinutemenやJames Chanceの感じで削ぎ落としまくった15曲26分詰め込んだどっから流してもかっこいい瞬間しかない最高のアルバム。ギターだけでなくボーカルもリズム隊も全部含めて一つのノイズと化す混沌パートがとにかく好きで、ジャンク/ノイズ/アバンギャルドながらどこ切り取ってもキラーフレーズが詰まっててすごく聞きやすいです。

 

Duster - Together

伝説的スロウコアバンドDusterの新譜でdeathcrash出てそんな経ってない頃に供給されてきて今年ヤバくない?となったけど超良かった。今までとは表情が違うような色んな側面が垣間見える素朴ながらカラフルな作品。でもすごく初期Dusterを思い出すのは何故だろう?前作はオルタナ方面からも聴ける最高のアルバムだったけどDusterらしいかと言うと今作の方が強い気がします。

 

せだい - Delirium

ランクヘッドとか聞いて胸を熱くさせた少年時代の心を取り戻した。ストレートなギターロックで轟音サウンドとひたすら言葉が胸に刺さってくるアルバム。こんな感情いつぶりだろうかというくらい直球でくるもんがあります。名曲tomoran、からのSnowflake in oneframeはイントロだけで全部感情持ってかれるスピード感ある掛け合い。ちょっとBraidとかも思い出します。

 

羊文学 - our hope

今んとこ今期ベストアニメは邪神ちゃんドロップキックX(放送中)、次点でおにぱん!、次点で平家物語です。ヤマノススメ楽しみ~。

 

Soccer Mommy - Sometimes, Forever

最高。予想外なとこから刺さりました。1st大好きだったけどローファイなインディーロックとして聞いてて、2ndはあまり刺さらず、3rdである今作Oneohtrix Point Neverがプロデューサーということで全く想像できずどうなるんだ?と思ったけど、確かにエレクトロニクス的質感がドラムやベースの音からもめっちゃあります。彼女が元々持っていたメロウでダルダルなゆったりとしたボーカルがひたすら多層的に重なる薄いノイズや電子音の膜と溶け合い、どこかほんのりとシューゲイズにも近い甘美さを伴った最高の空間が誕生している。めっちゃ好きですね・・・。

 

花澤香菜 - blossom

みんなはどの曲が好き?僕はDon't Know Why!

 

Ripped Genes - A Day Late and a Dollar Short

スロウコア。ジャケがいいっすね。宅録っぽい素朴な感じと初期Red House Paintersばりのポストパンク的なじめじめっとした濁った暗さがある。でも一人でぼーっと孤独に聴きながら何か思い耽ってついエモくなっちゃうようなそういうスロウコアの良さがふんだんに詰め込まれたアルバムだと思います。めっちゃ好き。

 

flowerguts - elafiphobia

スロウコア。ジャケがいいっすね。先行シングル良過ぎてずっと楽しみにしてたやつで7月リリースされたやつです。最初2曲が宅録ドリームポップというか遅シューゲイズフォークって感じなんですが、3曲目以降の素朴で抒情的でメロディアスになり過ぎないけどでも歌物みたいな神バランスの最高スロウコア連発がツボすぎて泣けます。

 

Fontaines D.C. - Skinty Fia

マジでかっこいい。結構やられてます。ふと聞いた次の瞬間ライナー目当てに日本盤注文してました。既に前作の時点でポストパンクの色は無かったですが今回更にドープに。遅い曲多いですが隙間の作り方はスロウコア的な感じではなく、ねっとりとした感じというか、タイトでヘヴィで・・・ストーナー的な変化かもしれない。スロウなアンサンブルに乗る歌も渋くてメロウでめっちゃいい。前作もカオスだったけど、ポストパンクというより例えばUnwoundとか、Fugaziとか、全部音楽性は違いますが、そういうポストハードコアバンドの独自進化の系譜に近い化け方をしてると思います。

 

Cloakroom - Dissolution Wave

近年ハードコア+シューエイズでエモ成分も強めでNothingとかNarrow Headと並ぶバンド。スペースロック的なやつですがHumとかShinerとかの硬質な轟音とはまたちょっと違う感じになってます。90sのUKロックのようなまったりしていてメロディーも抑揚が効いた感じがあってノイズも薄く横に広がってく感じで、浸るって方がしっくりくる。割と好き。

 

VINCE;NT - VAPID

ライブハウスで見て完全にぶっ飛ばされました。メンバーがJesus LizardとかChannelsのシャツとか着てたのでハードコア畑かと思いきや演奏始まるやいやに超ヘヴィ。ストーナー要素も散りばめられてて、「Cathedral」なんてもろな曲名もあることからそっちの比重のが大きいかも。Young WidowsにKyussが合体した感じでボーカルとドラムの距離感が心地良すぎるスタジオ録音にも惚れ惚れとしたんですが、uri gagarnやkumagusuでも知られるツバメスタジオで録られたようで大笑顔になった。

 

Gone - Fever Dream

スロウコア。とは言いつつ暗くて遅いインディーロックという方がしっくりくるかもしれない、シューゲイズ好きな人が楽しめる要素も散りばめられたUK産の新譜でかなり聴きやすかったです。

 

TTUD - TTUD2

夏っすね。夏に聞きたくなるギターロックアルバム暫定一位でとにかく風通しのいい爽やかなアルペジオと熱く滾るような密度の高い轟音ギターサウンドが交互に流れたり同時に流れたりしてこの温度感がたまりません。1曲目の「渚まで」はなんかアルバム3曲目みたいなテンションでいきなりイントロ始まるのも風通しの良さに磨きをかけてます。過去EPにあった「Tamiful」再録も嬉しくて、ディーパーズのDear Futureのような重厚ながら透明感のある不思議なイントロがじわじわと胸に刺さってきてノスタルジーな気持ちになってしまう。本当に夏に合います。

 

Pinegrove - 11:11

当たり前の如く、もう圧倒的にいいんですけども、1曲目から極端な静→動の動きがいきなり大カタルシスがあるギターサウンドに割と衝撃。Pinegroveでこういうのあんま無かった気がする。キラキラしたフレーズが多くてすごく風通しがよくて切なくて、なんかエモをアコギでやったような質感もあり。

 

くだらない一日 - Rebound

かっこよすぎて泣いた。ガチガチの激情要素も入れつつこんだけキャッチーにまとめてこられると海外ポストハードコアにハマってからキウイロール聞き返したときの衝撃と似たようなものがありますね。「レッドアイズオルタナティブブラックドラゴン」て曲名、かつてレッドアイズブラックドラゴンという曲を出してたこととオルタナティヴ・ロックが掛かってるように見せかけて、実は遊戯王にレッドアイズの対局となるブルーアイズ側に「ブルーアイズオルタナティブホワイトドラゴン」というカードが実在するところにも掛かっててニヤりとしました。超どうでもいいですが。デュエリストなので。

 

アジカン - プラネットフォークス

ずっと好きだぜ。De Arribaの歌詞は流石にびっくりしました。

 

Interpol - The Other Side Of Make-Believe

ストパンクレジェンドの3年ぶりフルアルバム、完全に円熟してます。聞けば聞くほど染み入るゆったりとした、全てを憂いているようなポールバンクスのボーカルもじわじわと浸透してくるアンサンブルも本当にかっこいい。暗雲立ちこめる渋いポジパンって感じ。相変わらずタイトなリズム隊、とくにキリッとしたベースラインの歯切れの良い感じはいつ聞いてもかっこいいです。

 

black midi - Hellfire

interpol新譜と同時発売の超人気ポストパンクバンドblack midiの新譜。ジャケがいかす。このバンド1stも2ndも音楽関係なく家の棚に飾りたくなる。まだ全然聞き込めてない上にあんまり理解できなかったので何も言えませんが、トミーとかサージェントペパーズみたいなロックオペラを聞いてるような気持ちになるような、演劇というか各曲も演目のような雰囲気あるなと思いました。

 

Black Country, New Road - Ants From Up There

1stは結構好きだったけど今作理解するにはまだ時間が足りないと判断。

 

Bloc Party - Alpha Games

弾力のあるバキバキに敷き詰められたビート感に途中からインディーロックっぽくギターがユルくなってくとこやキメもあって本当にかっこいい。ハイテンションでサクッと聞ける感じでもうちょっと聞いてきます。

 

Warpaint - Radiate Like This

ミニマルなダンスミュージック的な趣もあるWarpaint新譜。音色に浸りたくなる開放的なエレクトロニクス的な感じで流しっぱにしてもいけるし、いやでもこれは、ライブで演奏したらこれの生ドラムはとんでもなく気持ちいいだろうなと予想したくなるものばかり。徐々に好きになってくるやつですね。

 

Just Masterd - Heart Under

Fontaines D.C.とレーベルメイトで同郷アイルランド出身らしいです。Warpaint新譜よりWarpaintっぽいと思ってしまった。聞いてるだけで背筋が凍るようなゾッとする冷たさのあるポストパンク。ミニマルなビートの上になんかの悲鳴みたいなノイズが重厚に乗ってきて不気味です。インダストリアル気もある暗黒Cocteau Twinsみたいな感じ。

 

Horsegirl - Versions of Modern Performance

マタドールから出すとかアルビニのスタジオで録音とかカレッジロックだとか、色々そういう事前情報が持ち上がり過ぎてその辺ド直球のインディーオルタナファンな自分は逆に身構えてしまったんですが、発売後即手のひら返しをすることになった。最高!90sリバイバルもろでインディーロックと言ってもこんだけザラついた音だと喜ぶしかないです。Gang Of Fourオマージュの瞬間もあるのでポストパンクと言われたり、シューゲイズとも呼ばれてるけど個人的には90sごちゃ混ぜソングライティングから手札の一つとしてそういう展開がたまにあるって感じ。まぁとにかくメロディーがめっちゃ良いのでそれだけで聞けますね。

 

caroline - caroline

Rough Trade発の話題作。Dirty Three現代版みたいな聞き方もできるし隙間を生かしたサウンドスケープがめちゃくちゃ心地よく、90s後期のまだポストロックとスロウコアが同居していた時代を思い出す。1曲目「Dark blue」のイントロの雰囲気はこれ完全にTara Jane O'Nielまんまです。好きじゃないわけないですね。メンバーにヴァイオリンやチェロがいるあたり思いっきりそれが前に出てきててGastr Del Sol感もあり。でもめっちゃポップ。

 

優河 - 言葉のない夜に

岡田拓郎関わってるらしい。とは言え個人的にはさっきのcarolineと同じような感じで聞けます。もっとフォーク寄りかな。ツイッターでめっちゃ評判よくて聞いて、これも隙間の置き方というか間の取り方というか、シンバルの置き方とかもスロウコア感覚で聞けて。海外の硬質な生々しさではなくてふわっとした丸みを帯びた生音感は確かに岡田拓郎に連なる作品群を思い出す感じで、アンビエンス漂ってるのも心地よく穏やかな歌ものから異世界に連れてってもらえる瞬間もあります。

 

Yank! - Stupa

ミニマルメロウ。サイケでとにかくバンドアンサンブルの音数が超少ないというか、全然動かないというか、淡々としたビートの上で好き放題やってく感じでオウガとか好きな人には刺さるやつです。音量デカいベースと淡々としたドラムのループ感というか絡み方からこっちはヒップホップに通じてる感じしますね。

 

Procyon - Datsu

こちらもミニマルメロウ、ではあるけどミニマルの感じがyank!はアンサンブルの音の少なさだったのに対しこっちはミニマルなシーケンスがポコポコとループしてく感じ。ハウスとか聞く感覚で聞けますね。

 

坂本慎太郎 - 物語のように

ジャケがめっちゃかっこいい。大好きです。前作までの乾き切ったアンサンブルから随分とじめっとしたというか、湿った感じの質感あると思ってて、曲自体は同じ系譜だと思うんですが録音の雰囲気別物になったと思います。ウワモノの薄い電子音も良い味出してて大昔の白黒で出来たチープなSF映画みたいな感じある。ハリボテの月面みたいなとこでピコピコ鳴ってる宇宙船の音、みたいな。

 

South Penguin - R

まだあんま聞けてないです。行き過ぎないAORというか、完全なファンクにもならず、Dos Monosと組みつつもヒップホップ程ガチガチのトラック感もなくて全体的にふわふわした雰囲気が心地いい。

 

Kikagaku Moyo - Kumoyo Island

前作が生バンドのライブ感そのまま録音したような勢いがそのまま保存されたかっこよさがあったのに対し、今作かなり作り込まれたスタジオアルバムとしての側面が強い気がする。悲しいことにラスト作です。エレクトロ要素も強くて「GomuGomu」もそうだし「Daydream Soda」でのループ感とか、60sサイケっぽい色を残しつつ深みを増してますね。民族音楽っぽい感じも出てて餓狼伝説のサントラみたいな曲もある(?)。

 

Minakekke - Memorabilia

そういえばリリースされてたの忘れてた!となりさっき軽く聞いたので忘れないよう書きます。ギタマガでオウガのフォグランプをベストに挙げてたのが印象的なアーティストで、前はWarpaintっぽいなと思ってたんですが今回エレクトロニクスがメイン?になったようにも感じてビートミュージック的側面が強いです。不穏。相変わらず夜っぽくてD.A.Nみたいな色も出てきた気がする。

 

ゆうらん船 - MY REVOLUTION

めっちゃ良いです。この流れで思いついたのでミニマルメロウ的な書き方をしようと思ったんですがとてもじゃないがそれじゃ収まりきらない、後期フィッシュマンズのような、聞いてて思い当たるふしは沢山ありつつも得体の知れないオリジナリティを持ったバンド。雰囲気も後期フィッシュマンズ的なものありつつダブ要素薄めてもう少しフォーキーだったりオルタナのラインで話したくなるようなギターの音色も出てきたり、bedとか好きな人にも是非。

 

おにぱんず! - おにパパパン!パン!/鬼ヤバッ!

おにぱん!マジで最高のアニメなので全員見た方がいいです。今んとこ今年一番聞いた曲は間違いなくおにぱんず!の「おにパパパン!パン!」でしょう。

 

littlegirlhiace - カナリア

前作から一年足らず、サンクラで公開されてた名曲群が収録されててヤバイです。LGH流ニュー・オーダーとも言える「engage ring」は時事ネタとこのバンドでずっと歌われてきた喪失感が完全に同じ方向で出力されてて名曲すぎます。ソングライターとしての世間(インターネット)との距離の取り方が完全に円熟していて、歌詞カード(bandcamp版に付属)見ながら読むとぐっとくる曲ばかり。

 

リーガルリリー - Cとし生けるもの

スマパン!?

 

Cruyff - hot/iden

これもかなりやられたバンド。日本産爆音オルタナギターロックって感じでしょうか。ニトロデイやハイライトで知られるやぎひろみ氏がギターで参加してて間違いないじゃん!となりめちゃくちゃ音バカデカくて爆発してる感じあってほんと最高でした。

 

RAY - Green

シューゲイザーにしては結構硬質で重いノイズが乗った王道一直線の「逆光」が名曲すぎてそれだけで最高なんですが、吉田一郎参加ということでどの曲だろう~と楽しみに聞いてたらイントロからもう聞き覚えある音が鳴りまくってて笑ってしまいました。

 

Honeyglaze - Honeyglaze

随分シューゲイザーっぽいバンド名だなと思ってたら割とSnail MailとかLucy Dacusとかちょい前のUSインディー系SSWの流れっぽく聞けるなと思ってたら普通にシューゲイズ炸裂曲もあり。全体的にかなりユルいっていうか、解放感あって聞きやすかったです。

 

Asian Glow - Stalled Flutes, means

WhetherdayとコラボしたりParannoulとの絡みもあるのでそういうインターネット出自のオルタナとかギターロック系譜のバンド。ジャケもそんな感じだし宅録感あって好きなんですよね。昨年のがギターロック色強かったけど今作一気に多方面に広がって個人的にはDeerhunterとかAtlas Sound思い出しました。

 

Launder - Happening

シューゲイザー。1曲目がUnwoundて再結成した某バンドかと思ったけどたぶん普通に僕の勘違いな気がします。すごく王道の90sのUKの香りがあるというか、ギターポップとかネオサイケの延長としてのあの頃のシューゲイズバンドの質感をめっちゃ思い出して、逆にこんなド直球なの今あんま聞けない気がするし笑顔になりました。

 

Horse Jumper of Love - Natural Part

名門Run For Cover Recordsでここ毎年絶対好きなのあるので間違いないんですが今回もまたよい。これは遅いグランジ・・・というかグランジバンドがアルバム内に数曲あるちょっとけだるくてアメリカンロックのエッセンスがふりかけられたゆったりした曲を今もうちょとスマートなインディーライクな雰囲気でやってる感じです。かっこいいね。

 

Thunk - Thoughtless Cruelty

Ovlovも在籍するインディーロック名門Exploding In Soundよりリリース。このレーベル大好き。サウスロンドン系のポストパンクってもうポストパンクじゃなくて新しいシーンを築いてますがこれは直球ポストパンクの感じがあって良い。冷たいし。やっぱ音が硬くて直線的なベースがちょっとやりすぎなくらいの低音でグイグイ前に出てくるとポストパンク聞いてるって感じがしてきます。

 

Pet Fox - A Face In Your Life

Horsegirlと一緒で雑にオルタナって言いたくなる枠。こちらもExploding In Sound産でしかもOvlovのメンバーがいるので思いっきり共通点だらけのサウンドですが、あんなに爆発したり激重ノイズはやってこず飄々と低空をクリーントーンで走りながら時々ノイジーに上げていきます。めっちゃかっこいいね。

 

The Boo Radleys - Keep On With Falling

新譜?!とびっくりしました。大好きなバンドですが、ヒットしたWake Up Boo!ではなくそれ以前の初期二作のダブ入ったシューゲイズ真っ盛りの頃が好きで、今作は完全に後期の瑞々しいいギターポップモード。しかし曲はもちろんめっちゃいいです。まさか2022年にこんなアルバム聞けるとは・・・となった。

 

Tallies - Patina

こちらもギターポップ全開で19年作の1stがAlvvaysをもう少しUKもろにやったインディーポップみたいな雰囲気だったんですが、今作は更に純ギターポップに近づいた感じがする。スミス聞く感覚で行けると思うし正直めちゃくちゃThe Sundays思い出した。

 

Predawn - Tha Gaze

初聴きでした。Polarisとか空気公団のラインにくるアーティストかと思って聞いたらドラムの音や隙間の作り方がとても心地よくてどうやらLowに影響を受けて作られた作品なのだそう。びっくり。個人的にスロウコアをよく追ってたので雑誌でその文字見つけて興味を持ち聞いたらかなりよかった。

 

Big Thief - Dragon New Warm Mountain I Believe in You

2枚組と聞いて身構えすぎて予約したのに発売して二ヶ月間聞けなかった。おかざきよしとも氏による解説記事(『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』Big Thief(2022年2月リリース)※2枚組アルバムについて:後編 - ブンゲイブ・ケイオンガクブ)をガイドにしたら全然スッキリ聞けて長さ感じませんでした。4つのスタジオで録音したらしいけど好きな曲が大体Five Star Studiosで録ったフォークっぽい質感を残したまま実験的に向かってくやつでこの路線もっと聞きたいですね。

 

Wilco - Cruel Country

前作「Ode To Joy」は当時もベストに入れたけど年々趣味がそっちに寄ってって今ではオールタイムベストレベルで名盤、というかWilcoのことしみじみ好きになってくんですが新譜はまだ全部聞き切れてないです。すいません。途中だけどアメリカーナ色かなり強くてちょっとポストロックやスロウコアと言った雰囲気あった前作とは対照的な感じですね。2枚ってのも重くてぼちぼち聞いてきます。

 

SPOILMAN - HARMONY

最凶。今作めっちゃ不穏で今までのポストハードコアとかジャンクロックとか今までやってきたUSアングラシーンの系譜をぶった切って逸脱した独自のSPOILAMNワールドを展開していて圧倒的です。凶悪。今まで以上に曲展開がカオスでどこまでも突き進んで欲しい。

SPOILMAN - HARMONY(2022) - 朱莉TeenageRiot

 

Butter Sugar Toast - Extended Play I

本当に衝撃を受けてしまった。ハードコアシーンを総決算したかのようなDischord+Gravityな大轟音バンド。今年はUnwoundやJawboxに動きがあってかなり滾りましたがその辺のシーンともろ共振、どころか負けないくらいパワーがあるバンドだと思ってます。本当に凄まじかった。

Butter Sugar Toast - Extended Play I(2022) - 朱莉TeenageRiot

 

OMSB - ALONE

ヒップホップほとんど聞かないけどOMSBが参加してたPUNPEEのWheelsっていうシングルが元々好きで、ツイッターでの評判めっちゃ良かったし、普段ヒップホップ聞かない僕でも結構ハマって一時期繰り返し聞くくらいには良かったです。トラックがよすぎて電子音楽聞く感覚にも近い。

 

エレファントジム - Dreams

お馴染みマスロックバンドの新譜だけどあれなんかいつもと違う?となったのは2曲目に入ってる「Go Through The Night」で、オルガンが入ってるんですよ。そもそもオルガンって楽器的にもマスロックとめっちゃ相性いいんじゃね?という当たり前だけどあまり持ってなかった視点、でここでハイスイノナサを思い出すけど残響とはまた違った味付けで新鮮でした。まだあんま聞き込めてないですがファンキーな曲もあったりゲストボーカル呼んだのもあってバラエティに富んでます。ジャケ何。

 

中村佳穂 - NIA

さよならクレールって新曲がドラムンベースだってツイッターで話題になって聞いたんですが、最初は楽曲を構成する色んな要素の一つくらいで言うほどかな?て思ってたけどアウトロで急にそれ以外の要素が抜け落ちていって過激なビートミュージック化するとこ爽快で笑っちゃいました。この曲めっちゃ好きですね。

 

春ねむり - 春火燎原

ジャンルの壁を横断どころか破壊というかもう垣根のないような聞いたことない音がめちゃくちゃ鳴ってて衝撃。激情系のような曲もあり前に3LAでインタビューがあったのを読んだことがあったんですがそれも納得。

 

Come - Peel Sessions

伝説的バンドCodeineのクリス・ブロコウがComeに専念するためにCodeineをやめたという話題でも知られるCome、なんとBBC音源がbandcampにてリリースされてて買った。マイルドなポストハードコアというか超暗くてノイジーなインディーロックというか、でもCodeineも全然思い出すヒリついた静寂もあってかっこいいです。

 

Chris Brokaw - Puritan

先のComeのメンバー且つex.Codeineでありフロントマンであったクリス・ブロコウのソロワークス。Comeから辿ったんですがこの人こんな多作なんだ・・・となるくらいには出しててすいません21年作です。枯れたSSW好きな人にもCodeine好きな人にも全員行けます。いやほんとによかった。

 

Rex各種

今年NUMEROから再発された90sスロウコアレジェンド。泣いた。このバンドの1st~3rd入手困難でしたが欲しすぎてdiscogsで海外の方から高い輸入代払って買ったことあります。でもみんなそんな面倒なことをしたり、僕から借りなくても聴けるようになって本当に良かったと心から思います。本当です。ドラムがex.Codeine及びJune of 44のダグ・シャリンで間違いないです。一度感想書いたことあり(discography⑦ - 朱莉TeenageRiot

 


備忘録なので思い出す度に書き足すと思います。