discography⑤ Shipping News,uri gagarn

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Shipping News。RodnaやJuen of 44でフロントマンとして活躍したジェフ・ミューラー最後のバンドにして、Rodan時代を共にした盟友ジェイソン・ノーブルと再びタッグを組みルーツであるハードコア~スロウコアを掘り返します。

00年代に多数フォロワーを生んだポストロック元祖であるSlintやRodan、Crainを発祥とし脈々と続くルイヴィルのポストハードコア~ポストロックのオリジネイターによる正当な後継。前回、前々回から引き続きSlint以降というテーマの最終ということで全アルバム感想+uri gagarnについてです。


 

Shipping News - Save Everything(1997)

てわけで1st、元々Rodanで活動していたというのもありもろ直系のサウンド・・・とは言いつつRodanにあったスロウコアから爆発して一気に音が分厚くなるエモーショナルな展開はあまり見せず、硬質で冷ややかなギターサウンドと3ピースの隙間のあるアンサンブルを生かし、じわじわと緊張感を持続させながら形を変えていきます。静→動の対比の色はあまりなく、彼らのフォロワーであろう今後出てくるポストロックやマスロックをもろ想起する感じでAtivinを聞いた時ぱっと思いついたのがこれでした。あとMurcury Programの1st~2ndはこれをかなり参考にしたんじゃないかなぁと思います。

 

Shipping News - Very Soon, And In Pleasant Company(2001)

前作と比べて一気に静寂寄り、前身バンドも含めて彼らのキャリア内で最も落ち着いた作品かもしれません。開幕「The March Song」からミニマルなフレーズの反復によるスロウコアですが、轟音で爆発させるのではなく硬質なフレーズの絡み合いの妙で爆発を表現するというのはJuen of 44でも見られた作風であり音色がおそろしくかっこいいです。June of 44の3rdからダブ要素を薄くした作品としても聞けるかと。

 

Shipping News - Three-Four(2003)

ジャケがマジでかっこよすぎる・・・というかShipping Newsはアートワーク全部かっこいいですね。今作はEPをくっつけたコンピレーションですが新曲3つ追加されてたり全部同時期の録音なので統一感もあり、普通に3rdアルバムとして聞けます。「Hanted on Foot」「Haymaker」辺りはSlintを思い出す静→動への爆発していくスロウコアですがギターのバースト具合が尋常じゃなく、ここまでやるとMogwaiとかと同系列として聞けるでしょう。

あとは静へと振り切った曲が多くやはりSlint~The For Carnationなどのルイヴィルの同期と呼応しどこまでも深淵へと潜ってしまうし(実際に次作からはThe For Carnationのベーシストであるトッド・クックがメンバーに)、全体的に落ち着いた曲が多い分、狂気的な曲の振り切り具合がすごいです。今までと比べるとアコースティックな歌ものの雰囲気もあり、Mogwaiの2ndとか、あとDusterとかとも並べて聞ける気がします。通して聞くにはちと重いですが名曲だらけ。

 

Shipping News - Flies The Fields(2005)

2005年ということでルイヴィル発祥の他のバンドは多数解散、むしろシーンは次に移り変わり、自分達の影響下である新しいポストロックやマスロックのシーン真っ只中で発表された代表作。そんな中彼らは音をそぎ落とし、初期RodanやJune of 44の1st~2ndを想起する彼らのポストハードコア的な獰猛なバンドの音を突き詰めていった作品とも言え、相変わらず陰鬱ですがインディーロックとかからもアクセスしやすいアルバムじゃないでしょうか。

1曲目「Axons and Dendrites」から後のライブ盤にも収録されるナンバーで彼らの曲の中でも随一のポップさを誇っていますが、スポークンワーズを軸にじわじわ迫ってくるスタイルはやはりSlint以降という空気を漂わせ、今や一つの様式美と化した時代にそのオリジネイター達が円熟した音を鳴らしている・・・というより、その更に次に行ってしまったという気さえします。「(Morays or) Demon」に関してはShipping Newsらしいハードなナンバーで、今までのアルバムでの彼らってスロウコア~ポストロックに寄ってた気がしますが、今回はポストハードコアに回帰しそれを発展させてる印象があり、今までの経過を聞きつつ2005年の作品としてこれを聞くとストレートすぎてニヤリとします。

Rodan、June of 44と枝分かれしていったバンドとこれを聴き比べることで、フロントマンであるジェフ・ミューラーはそれぞれのバンドの音楽性の"どの部分"を担当していたのかが浮き彫りになってくるので聞き比べるのが非常に面白いです。その核とも言える部分がむき出しになっているのがこのアルバム、でしょう。ちなみに紹介した4枚全てShellacのボブ・ウェストンによる録音、レーベルはTouch&Go傘下のQuarterstickという、Rodan時代から彼らの作品では完全にお馴染みのメンツ。

 

Shipping News - One Less Heartless To Fear(2010)

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解散前ラストアルバムにして地元ルイヴィルでの演奏を記録したライブ盤、しかも前アルバムの2曲を除き全て新曲。ライブ音源そのままということでシンプルなアレンジな上に結構早い曲が多くパンクに回帰した・・・というイメージでしたが、B面からは今まで通りポストロック色も強くなり「Do You Remember The Avenues?」とかはもう半マスロック化しつつShipping Newsとは思えないほど高速でめちゃくちゃかっこいいです。もっとこの路線を聞きたかった・・・。

主要メンバーであるジェイソン・ノーブルが2013年に亡くなってしまいバンドは解散。当時まだファンではありませんでしたが、ジェフとジェイソンは高校時代からの親友でJ・クルー、Rodan、Shipping Newsと10代の頃からずっと一緒に音楽をやってきてるので当時の彼の心境については想像に難くないです・・・。ジェフ・ミューラーについて僕は最も影響を受けているミュージシャンの一人ですので、何年か経ち今またJune of 44として再始動してくれたことに感謝しかありません。

 

uri gagarn - (untitled)(2004)

uri gagarn: Stream

日本のポストハードコアの深淵uri gagarnによる伝説的1st。無題、そしてジャケットからすさまじい存在感ですがそれは1曲目「Mutant Case」から期待を裏切らず、ギター1本、とんでもない緊張感を孕んだ不規則で縦横無尽なフレーズを弾き、途中からリズム隊も参加しながら徐々に盛り上げていき最後はノイズギターソロへ。この1曲でぶっ飛んでしまいこの手のジャンル・・・上記のShipping Newsやポストロックへとハマるきっかけとなりました。

日本でハードコアと言えばやっぱり北海道のイメージが強いですがCowpersやNAHTと言ったディスコーダントで硬質なハードコアとは全くタイプが違い、こちらはそれこそSlintやRodanと言ったルイヴィル系列に近い音を鳴らしてますが、決してそのフォロワーでは収まらない得体の知れなさがあります。「Resister」「Detroit」はストレートに疾走感のあるポストハードコアで「Maron」に関してはちょっとポストロックやスロウコアにも突っ込んでいて10分にわたる長尺。とても聞きやすい作品ではないですがこの空気感は唯一無二でしょう。

このあと2ndを出した後メンバーが脱退し活動休止、フロントマンである威文橋はcpとしてgroup_inouでボーカルを担うんですが全く印象が違う・・・。ちなみに僕がuri gagarnを知ったのはgroup_inouからだったりするんですが、group_inouのきっかけがimaiをuri gagarnのドラムに誘ったところ新しい提案があり始まったユニットみたいです。

 

uri gagarn - my favorit skin(2014)

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2013年にnhhmbaseの二人が加わり再始動した3作目。2ndでは1stからさらに音をそぎ落としスカスカのUnwoundとも言える作風になってましたが、今作は逆に轟音寄りに。とは言いつつも2曲目「Fly」から早速新規のリズム隊二人による強靭で不規則なビート感がすさまじいです、ギターはほとんど最小限で前作までの流れを汲んでますが、ぼそぼそとボーカルが乗り、突如スイッチが入ったように不協和音ジャンクギターをかき鳴らしシャウトしていくんですがめちゃくちゃかっこいいですね。そして「Doom」は珍しくストレートにハードな曲でメロディーもキャッチーなのでかなり聞きやすく、全く青臭くないですが轟音エモとしても聞けそう。ここまでの三作では最も聞きやすいアルバムかと。

 

uri gagarn - For(2018)

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1stの頃からあったルイヴィル特有のポストロックやスロウコアの空気が完全にuri gagarnの中で昇華された感じがあり、そこに今まではなかった歌もの要素が強まったことでかなり聞きやすくなり今までのアルバムとはちょっと雰囲気が違います。スロウコア程静寂ではありませんがスローテンポで隙間を生かしたアンサンブル、空間の奥行を感じる間の置き方はもう3ピースであることを最大限に生かした究極って感じがします・・・。ギターも今までの無機質で鋭い音ではなく暖かみがあり、そして静寂を生かした対比的な轟音パートも今までのような静→動のジャンクなものではなく自然に温めていく感じはこのバンドでしか聞けない味わいがあります。

僕はこのアルバムから入り、というかライブで見てとてつもなく衝撃を受けその場で全アルバムを購入したので思い入れ深いですね。とは言いつつ1st~3rdの毒のあるポストハードコアのあのカオスさが好きだった人は逆に戸惑うかもしれません。UnwoundやJune of 44、ディスコードの面々と並べて聞ける感じだったのが、今作ハードコア出身のUSインディーであるPinbackとかThree Mile Pilot、あと初期Karateとかのが近いかもですね。

 


関連記事

前身となったバンドについて。この記事でもShipping Newsについて触れておりその掘り下げという感じです。

 

Slint、大元です。

discography④

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前回に引き続きSlint以降というテーマで選んでいきます。かなりポストロック寄りで個人的に共通項を見出せるアルバムを7枚+1枚。


 

Ativin - German Water(1998)

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1st。マスロックバンドですが複雑な展開や長尺の曲があるわけでもなく、基本的にリフの反復の中パターンを入れ替えて緩やかに展開していく・・・という曲が多いです。リフそのものがメロディアスなので聞き飽きないしかなりポップに聞けて、ちょっとキンセラ兄弟系列とかとも近い感触あるかも。ちょっとドラムにダブを思い出す瞬間もありますがポストロック黎明期っぽい・・・。

 

Ativin - Interiors(2002)

そして2nd、前作はマス寄りインディーという具合で一応コンセプトだったSlint以降、という系列からちょっと外れ気味でしたが、何故入れたかというと完全にこのアルバムがきっかけです。というよりリードトラックの「Scissors」が前作の要素をもう少し不穏でミニマルな感じに推し進めたとも言え、でこれSlintのRhodaとかあのインスト曲の雰囲気にかなり近いんですよね。緊張感は増してますが前作通りさらっと聞けます。

 

Ativin - Summing The Approach(1999)

Ativin – Summing The Approach (1999, CD) - Discogs

そして同時期のEPでこれが素晴らしく、こちらこそが完全にSlintとかと関連付けて聞く作品になってます。表題曲「Summing The Approach」に関しては序盤アンビエントか?と勘違いするくらい空間的な音色で一度闇に潜り、そのまま違和感なく今までの作品を思い出すタイトなセッションが始まるという曲で、この静寂パートと最小限の音のみで構成されたアンサンブルは完全にスロウコア~ポストロックとして聞けます。最後の「My Eyes Of Yours」とかもスロウコア度高めかつ今までのマスロックっぽい最小限な音の反復感も残っており、SlintというよりThe For Carnationとかのが近いかも。曲数少ないですがかなり濃いEPで、ちなみにスティーヴ・アルビニ録音なのも完璧にマッチしてます。

 

Rumah Sakit - Rumah Sakit(2000)

MONOやExplosion In The Skyを擁するポストロック名家Temporary Residenceよりリリース。ここまでくるとSlint~Rodanの系列というよりDon Caballeroに近く尚且つ実際に同系列として語られることが多いバンドですが、Don Ccaballeroの緻密に組まれたプログレッシブな曲群と比べると、セッションの中でどんどんエモーショナルにギアを上げていくというところがありRodanとかと重ねて聞けちゃいますね。それこそドンキャバもRodanも通過した上での次の世代のポストロック、というか。

 

Rumah Sakit - Obscured By Clowns(2002)

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大傑作2nd。ストレートに盛り上がってく1stも好きでしたがこちらはよりインプロ色が増しギターの線も細くなり、より複雑な変拍子ギターリフとメロディアスに絡みあうリズム隊が骨組みとなってどんどん展開していきます。「Sausage Full Of Secrets "Live"」という曲名からまさしくライブ感そのものを保存したような長尺な曲が多く、最終曲も開幕のインストと関連付けていて、バンドとしてのセッションそのものを音源にしてしまったようなライブバンドとしての真価が聞ける作品。1stの延長線として是非。

 

Sweep The Leg Johnny - Tomorrow We Will Run Faster(1999)

先述したRumah Sakitと合同ライブ盤を出すなどしていたバンドで、実際ドンキャバ~Rumah Sakitの流れで聞けるバンドですが、今あげた二つと比べるとかなりハードコア色が強く一番激しいです。で尚且つメンバーにサックスがいるためまず大分音色が違い、サックスがハードコア要素に追加されるともはやカオスとも言える音の飛散具合でフリージャズ聞いてるときの不協和音ノイズに近いですね。静寂パートも多く「Rest Stop」「Skin」辺りはもろSlintを感じる展開があり、まさにSlintとKIng Crimsonを繋げつつ好き放題やるという予測不能のアルバムで、長尺の曲も多いんですが40分でまとめ上げてさくっと聞ける名盤。

 

Sweep The Leg Johnny - Going Down Swingin'(2002)

4th。こちらでRumah sakitのギタリストも参加してより推し進めた作品で相変わらずハードコア+サックス+プログレッシブな展開という詰め込み具合によるカオス。よりジャズの色が強まってきて長い曲が更に増えてきてますし、静寂パートも極端なものはなくなり、曲全体の世界観の解像度もかなりくっきりしてます。ここまでくるとSlint以降というテーマから脱線してきますが、解散後にメンバーのクリス・デイリーはJune of 44やHooverで知られるフレッド・アースキンとJust a Fireを結成。再び繋がってきます。

 

Just A Fire - Light Up(2004)

というわけでJust a Fire、今までHooverやその派生バンド諸々にJune of 44、HiMと言った数々のバンドで強い影響力を及ぼし当時のポストロック~ハードコアシーンの土台となったフレッド・アースキンが今度は自らボーカルをとります。

June of 44が徐々にダブ~ジャズ化しHiMに繋がったことや、Hoover解散後に同メンバーでAbileanを結成し同ダブに接近したことなど、上記のバンドには全てフレッド・アースキンがベーシストで参加しておりどんどんダブ・レゲエを意識した作風へと変化していきますが、今作は最初からその状態で結成。てことでガッツリとポストロックなのかと思いきや、意外なことにディスコーダントで硬質なポストハードコアを鳴らしておりかなりかっこいいです!とは言いつつもろレゲエを思い出すミニマルなベースラインが挿入されたり複雑なリズム展開を見せたり、今まで"ポストロック的な"アプローチで行われていたことがストレートにハードコア直系で鳴ってきます。元々こっちの趣向で初期Hooverとかが一番彼の色強かったのかなぁとか考えてしまいますね。

 

 

 


関連記事

前回と発端になったシーンについてです。

discography③

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Slint以降、SlintやRodanなどあの辺のルイヴィルの影響を受けてそうなポストハードコア・・・というより、ポストロック~マスロックで個人的に好きな作品について書いてくだけの記事です。共通した空気感のあるものを8枚。


 

A Minor Forest - Inindependence(1998)

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サンフランシスコ出身のバンドでメンバーは後にPinbackのツアーメンバーとしても参加したりシカゴ音響派である33.3で活動するポストロックシーンの重要バンド。スロウコアを基調にしながら静→動とハードコアパートに爆発させるSlint~June of 44などルイヴィルの血脈を感じさせるんですが、それら影響元と比べてもより長尺になってたりもしくは爆発パートがやりすぎなくらい爆発させてたりと、その後って感じのする極端なカオティックさが大好きなバンド。一応代表作は1stでこれ2ndなんですがこっちのが好きです。1stはもう少しスロウコア寄りなので確かに聞きやすいかも。

 

A Mionor Forest - ...So, Were They in Some Sort of Fight?(1998)

A Minor Forest – So, Were They In Some Sort Of Fight? (1999, CD) - Discogs

3rd?ていうよりはコンピレーションのようですが解散前のラスト作で、まぁ本当にごった煮でストック音源全部ぶち込んでやったみたいな勢いがありアルバムとしての統一感はゼロ・・・ですが「Cocktail Party」「Well Swayed」は1stと2ndで突き詰めたスロウコアからハードコア化していく、もしくはスロウなハードコアともとれる系列の完成形と言えるほど洗練されててめちゃくちゃかっこよく更に次に行ってしまったような気もします。と思いきや地下室で録りましたみたいなローファイなインディーロックっていうかデモ?や土臭いフォークロック~アコースティック路線、唐突にやってくる謎のディスコなど文脈をぶった切っていて、整合性は考えられておらずまさしく混沌。

 

Lowercase - All Destructive Urges... Seem So Perfect(1996)

All Destructive Urges...Seem So Perfect | lowercase

Slintの系列で語られることが多いですが個人的にちょっと毛色違うと思っていて、まぁSlint自体が色んな角度から聞けるバンドだからどうやって聞くかって人により違うんですけどね。スローテンポな曲の中で狂気が滲み出てくる・・・という点は重なるんですが、Slintのように静寂の中の繊細さや美しさと言った面は薄く(個人的にこの対比が重要)むしろ静パートですらジャンクな録音で塗りつぶされていて常に不穏で流れるように爆発してくのは静→動のポストロックではなくノイズロックという感じです。どっちにしろジャンクロック大好きなので大好物でした。

 

Lowercase - Kill The Lights(1997)

Kill The Lights | lowercase

前作の路線を推し進め相変わらずスローテンポですが、ノイズを引きずりながらもう少しメロディアスになっていて狂気をコントロールしてるようにも思える1曲目「She Takes Me」から凄まじい緊張感。僕は最初この曲をyoutubeで聞いてそのままbandcampでまとめ買いしちゃいました。前作はノイズパートではなくとも常に地下室で録ったようなガレージ感がありましたが、今回はかなりスマートな録音になっていて前よりは聞きやすいかと(あの最悪な録音が曲の雰囲気にマッチしてはいたんですが)。ちなみに1st2nd共にジャンクロック名家Amphetamine Reptile Recordsからのリリース。かなりイメージ通りです。

 

Lowercase - The Going Away Present(1998)

Lowercase – The Going Away Present (1999, CD) - Discogs

そして3rd、より音数を絞って隙間のあるアンサンブルを見せるようになり、長尺で凝った曲も増えてきてSlintと比べるのならこっちかと。開幕「Floodlit」からより抒情的になったスタイルから後半絶妙に爆発"させきらない"加減で攻めてきたり「The Going Away Present」に関しては今までになかったポップさがありくたびれたインディーロックのような聞き方もできます。最終作でこのあと解散。

 

90 Day Men - 1975-1977-1998 EP(1998)

1975-1977-1998 | 90 Day Men

ポストロックの文脈でも語られる90 Day Menの初期EPにしてマスロック寄りポストハードコアに歌を乗せた・・・というJune of 44好きとして個人的に間違いないやつです。ささくれだったギター音とマスロックとまでは言わずも変幻自在に動く鋭角リフの中で進行していくのがめちゃくちゃスタイリッシュで、B面では後のフルアルバムで見せる実験性も見えてきます。

 

90 Day Men - (It (Is) It) Critical Band(2000)

90 Day Men – (It (Is) It) Critical Band (2000, Vinyl) - Discogs

大好きなバンドの大好きなアルバム。先ほどに続きこちら1stフルでSouthern Recordsよりデビュー、KarateやJoan of Arc、Sweep the Leg Johnnyなどの近いフィーリングのバンドが多数在籍していたとこで間違いないですね。まだハードコアの延長・・・て感じが強かったEPからもう少し進み、予測不能の曲展開、ジャズ色もあり後半のインプロのような展開はDon CaballeroやRumah Sakitと言ったマス~ポストロックの枠にも入れるバンド。あとKing Crimsonの暗黒の世界とかにも通じる部分があると思います。

が、やはりピッチフォークや海外wikiではSlintやJune of 44と比較されていることからそう言った要素も強く「Dialed In」「Jupiter and Io」では不穏に渦巻いていくセッションの中でスポークンワーズが乗り影響を感じずにはいられません。あと「Missouri Kids Cuss」もポストロックから最終的にはノイズで塗りつぶしていくというカタルシスがありオルタナ色も強く、個人的に彼らの・・・というよりポストロックの中でもかなり好きなアルバムですね。

 

90 Day Men - To Everybody(2002)

Amazon | To Everybody | 90 Day Men | 輸入盤 | 音楽

1曲目から前作の作風とまるで違い、オルガンを全面に押し出して不穏で壮大な世界観が広がっていきますが、ドラムやギターの生音感から密室で聞いている感触もありこの相反した音響へのこだわりがいかにもポストロックという気がしてかなり良いです。全体的に今までの色も見せつつじわじわとスローテンポで迫ってくる曲が多く、クラシックに影響を受けたとのことでオルガンがメインになりより不穏な緊張感が増してますしちょっと耽美な質感も出てきてより実験的に聞こえます。それこそ海外レビューではSpiderlandと引き合いに出されてましたが、こちらも独自の世界観ですね。

 


 

 


関連記事

発端となったシーンについて。本当にこのシーン周辺が好きです・・・。

discography②

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個人的に好きなポストハードコアを8枚挙げてきます。今回はUnwoundオリンピア周辺+αを。

 


Unwound - New Plastic Ideas(1994)

New Plastic Ideas | Unwound

強烈なフィードバックノイズにまみれながら始まる名盤2nd。グランジの中心地だったシアトルの隣であるインディー聖地オリンピアのバンドで、ライオットガールやビート・ハプニング率いるカルヴィン・ジョンソンを中心としたインディーシーンを代表するバンドの一つです。10年代になって全アルバムがBOXにて再発、そこからずっと再評価されてるイメージがあります(僕もそこで知りました)。

Sonic YouthFugaziの中間と呼ばれているポストハードコアですが、個人的にSonic Youthは音色で聞くノイズという感じでアルバムにもよりますがロックというよりは実験音楽をを聞く感覚に近く、それに対しこちらはもろ爆音ノイズで隙間全部埋め尽くしてしまおうというロック的カタルシス満載。まさしくノイズロックです。割とドラマティックな展開があったりボーカルもエモーショナルで聞きやすいですね。

 

UnwoundUnwound(1995)

Unwound (Unwound album) - Wikipedia

初期作のコンピレーションで実際は92~93年頃の録音でありドラマーも脱退した初期メンバー、というわけで彼らのアルバムの中でもとくにハードコア色が強い一枚となっております。というのもUnwoundと言えば全アルバムKill Rock Stars・・・ですがこの頃シングルをカオティックハードコアで知られるGravity Recordsからリリースしてるってのもあるかもしれません。Dischordのバンドと並べても聞いても全然しっくりくるかも。ジャスティンが全編に渡ってシャウトをし、全パート一つの和音になってしまったかのような音の塊とも言えるくぐもった爆音がノイズと共に疾走していきます。

 

Unwound - Repetition(1996)

Repetition (Unwound album) - Wikipedia

4th。初期作と比べるとかなりスッキリした印象で、三人の独特のフレーズの絡み合いと言ったバンドの妙を聞かせた上でノイズパートを挿入するというノイズロック~ポストパンクを行き来したようなサウンドをハードコアのフィルターでやっているという感じで後期Unwoundの開幕であり代表作。比較的ポップでジャスティンの縦横無尽のギターワークはShellacやJesus Lizardと言ったアルビニ系列からFugaziの2nd~4th辺りのもう少しディスコーダントなポストハードコアともリンクしてくるかと。「Corpes Pose」はマジで名曲です、彼らを象徴する一曲。

 

Unwound - A Single History: 1991–1997(1999)

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シングルコレクションということですが92年~97年の彼らの作品を集めているので割とそのままアルバムとして聞けてしまうくらい統一感があり、上記のRepetitionと並んでバンドのイメージを最も固めやすい名盤。とくに「Everything Is Weird」「MK Ultra」辺りはジャスティンの不協和音ギターフレーズの繰り返しから轟音ノイズロックへと変化していく彼らの王道とも言える曲や、「Crab Nebula」「Negated」等の初期のくぐもった録音とノイジーな轟音が混ざった鈍器のようなハードコアナンバーもありある程度網羅できます。アルバム曲と被りもなし。とくに「Seen Not Heard」はWireJoy Divisionなどを思い出す瞬間もあったり「Plight」と言ったMinutemenのカバーもあるので、ポストパンクをよりハードにしたような聞き方もできるかと。

 

Unwound - Challenge for a Civilized Society(1998)

Challenge for a Civilized Society.jpg

今まで短期間でスタジオに籠りライブっぽく録っていたということですが、今作はプロデュース性を重視し時間をかけ音を練りあげたとのことでとにかくドラムの音が気持ちいいくらい前面に出てます。そのおかげか今までのアルバムと比べビート重視で聞けるようなイメージがあり、より硬質な質感がえらくスタイリッシュですね。NO TECH!とか。そしてこのスタジオワークが土台となって最終作であり実験的な「Leaves Turn Inside You」へと繋がっていきます。

 

Lync - These Are Not Fall Colors(1994)

These Are Not Fall Colors | Lync

Unwoundが所属していたKill Rock Starsというレーベルはハードコアシーンと若干距離があり、所属していたバンドもライオットガールの中心となったBikini KillやSleater-Kinneyなどのパンク~グランジで語られるバンドが多かったんですよ。またオリンピアと言えばもう一つKレコーズで有名でUSインディーの聖地でもあり、オーナーであるBeat Happeningのカルヴィン・ジョンソンを筆頭にModest MouseやQuasiなどもこの辺で、レーベルは違えどUnwoundのレコーディングや機材の貸し出しなどもカルヴィン・ジョンソンが協力していたようです。この地域のインディーシーン総本山ですね。

そんな中で、当時Unwoundとも交流のあった同郷オリンピアのLync、たった一枚を残して解散したわけですがマジで最高なアルバム。上記のKレコーズから出ていてめちゃくちゃ録音の悪い不協和音ギターの上で余りにも親しみやすくポップなボーカルが乗っていて、丁度ポストハードコアとUSインディーの橋渡しとも言える音を鳴らしてます。でメロディアスなハードコアってそれつまりエモでは・・・?て思うわけですが、94年ということでまだ前夜、その様式美にハマってない音なのがいいんですよね。

 

The Pine - The Pine(2003)

The Pine – The Pine (2003, CD) - Discogs

Lyncを聞いていてふとよぎったんですが個人的ベスト・エモバンドです。00年代の洗練されたエモ~エモリバイバル勢とはかなり色が違い、Hüsker DüやDinosaur Jr.などの黎明期にハードコアにメロディーを与えたバンド達のことを思い出してしまうような荒々しさがあります。この激ローファイな轟音の中メロディアスなボーカルがぶっきらぼうに乗っていて、全然聞こえないんですがこの擦れた叫びに泣けてしまうところとか、日本のバンドだとブッチャーズとか好きな人にもオススメです。

 

Survival Knife - Survivalized(2014)

Unwound解散後10年以上経った2014年、バンド活動をやめていたジャスティンが再び音楽をやろうということで結成。でUnwoundのラストアルバム「Leaves Turn Inside You」で見せた実験性を推し進めるのではなく、純粋なパンクロックの衝動に回帰しかつてKill Rock SetarsのレーベルメイトであったBikini KillやSleatr-Kinneyにも通じるところがあります。

とは言いつつ詰め込んだ曲展開はUnwoundをやはり連想しますね。ノイズロック要素を減らしてディスコーダントに突き詰めてったら・・・というこの路線も全然あったのかも。

 


 

 

 


関連記事

ここの上位互換です。

 

最高のインタビューを。他にもオフィシャルで全歴史をまとめたサイトもありますね。

 

discography①

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ちょいと前に出たギターマガジン4月号のグランジ・オルタナ特集を読み触発されたので、紹介されてた「91年の名盤選」にちょっと触れつつ、個人的に好きなアルバムやグランジというジャンルについて自分の認識を掘り下げます。

 


Nirvana - Nevermind(1991)

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語りつくされた名盤なのでとくに言うことないですが、いつ聞いてもとにかく曲が良すぎる・・・。Smells Like Teen Spiritはもちろんですが個人的に衝撃を受けたのはBreedで、洋楽初心者という状況でこれを聞き、メロコア的なポップさも無ければメタルやハードロックと言った大仰さもなくこんなにダーティに疾走してく洋楽あるんだ・・・と驚いた記憶が。グランジってよく「ハードロックでもパンクでもない音楽」と形容されるイメージありますが、素直にそれを体験していたのかもしれません。

今聞くとBleachと比べてかなりパンク寄りですね。元来ルーツを辿るとパール・ジャムサウンドガーデンなどのハードロック寄りのバンドがグランジ本来の特徴だと思うんですが、ニルヴァーナが一番売れグランジ=ニルヴァーナというイメージのままムーヴメントが広まり、世間的なイメージが書き換えられてしまった印象があります。

 

Peal Jam - Ten(1991)

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昔ちょっと苦手意識あったバンドで、よくグランジと言えばニルヴァーナと並んで語られますよね。てことで近い音だと思って聞くと全く感触が違いハードロック色が強く、ニールヤングとかのアメリカンなフォークロックをルーツとしてるというのもあり聞き方が全く異なるかと。というかコラボもしていたりグランジの始まりはニールヤングのライブ盤だという話もありますね。

もうちょっと土臭いイメージありましたが開幕「Once」「Even Flow」からめちゃくちゃハードなギターが炸裂しまくってこんな重かったっけ?て思いつつカラッとしたハードロックで今の僕には最高のアルバムかもしれません・・・。B面落ち着いてくるところもパワフルなリフで引っ張ってく感じはかなり聞きやすいです。サウンドガーデンとかアリス・イン・チェインズとかのドロついたヘヴィネスとした感じもないですね。昔は多分ニルヴァーナのパンキッシュさが好きでそのイメージに引っ張られちゃってたのかな・・・。

 

Soundgarden - Badmotorfinger(1991)

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グランジバンドのルーツやインタビューを漁るとブラック・サバスをルーツとして挙げてることが多く、グランジというジャンルで最も影響力のあったメルヴィンズがもろサバスフォロワーというのもありますが、僕が最初にブラック・サバスと関連付けたきっかけはこのバンドでした。ボーカルはサバスってよりツェッペリンロバート・プラントを想起させつつもう少しそれを荒々しくしたようなとこがありますが、「Outshined」のドロドロとした暗黒ギターリフは最初これサバスのInto the Voidや4thのハードロック色強くなってきた頃を強烈にフラッシュバックしましたね。

 

Smashing Pumpkins - Gish(1991)

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そもそもグランジじゃなくね?て思うんですが、有名なエピソードですがニルヴァーナと発売時期が被ったせいで関連付けられてしまった印象があります。グランジをハードロック~メタルブームが通過したあとのアメリカンロックという見方をすると当てはまりませんが、ニルヴァーナの項目であったパンクでもハードロックでもないサウンドという意味では割と聞けるかも。ピンク・フロイドやラッシュを度々フェイバリットに上げていたりキュアーやバウハウスを敬愛してるところから、彼ら特融の透明感やちょっとサイケな雰囲気の出で立ちが見えてくる気がします。

とは言いつつも僕は最初何も知らず普通にグランジだと思って聞いていたし、めちゃくちゃ疾走感があり尚且つほかのグランジバンドのマッチョさがない耽美さに惹かれてましたね。あとリフがこの頃からめちゃくちゃかっこいい。てか上げた4つのバンド全部キャッチーなギターリフを繰り返すタイプの名曲が入ってるのでグランジってこの時代のリフがかっこよくて重い音楽のことを言うもんだと思っちゃってました。

 

Bikini Kill - Pussy Whipped(1993)

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ライオットガールをグランジムーヴメントに入れていいのかってとこではありますが、オリンピアということでグランジの中心となったシアトルの近所ですし、結構バンド間の交流も深く、というかカートの元カノだしね。ただ社会的な側面が強い分サウンドだけで語るのは微妙かなとも思うんですが、とにかく破壊的なパンクロックで、ハードコアにもメロコアにも行かずストレートにパンクをかき鳴らし叫びをあげる個人的に大好きなバンドです。ネヴァーマインド聞いてグランジに興味を持った人はセットで語れがちなパールジャムサウンドガーデンを聞くんじゃなく、ビキニキル聞いた方が結構しっくりくると思います。ライオットガールムーヴメントそのものを象徴する名曲「Rabel Girl」収録。

 

Black Sabbath

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グランジバンドじゃないのにここ入れるといろんな人に怒られそうですが、僕がグランジバンドを聞いてて求めてる部分や一番引かれる部分を追求してくと最終的にオジー期のサバスに辿り着きます。グランジは当時のメタルやハードロックを淘汰したと言われますが、サバスやツェッペリンエアロスミスなどの70年代のハードロックは結構直接のフォロワーというか、カートコバーンもリスペクトを語ってるイメージありますね。

でこの頃のサバスはヘヴィ・サイケ・ブルースとも言えるとにかくギターリフを繰り返す作風はキャッチーなフレーズながらも陰を落としたおどろおどろしさがある初期の1st~2ndの初期の名曲群はもろに想起しますし、4thに関してはツェッペリンとかにも接近したようなパワフルな面もルーツとして聞けるんじゃないかなぁと。

 

Screaming Trees - Sweet Oblivion(1992)

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元々80年代中期から活動してきたのでかなり古参、ジョシュ・オムQOTSAから辿ってくる人が多い印象があります。60年代のサイケデリックロック~ブルースの影響が強くそれらをハードロック通過後の音で再度やっているというような質感でラフなパールジャムサウンドガーデンと言った聞き方もできるかなと。

Meat Puppets - II(1984)

Meat Puppets - Too High To Die(1994)

Meat Puppets – 'Meat Puppets II': Round 105 – Rob's choice – Devon Record  Club Too High To Die/Meat Puppets収録曲・試聴・音楽ダウンロード 【mysound】

そしてミートパペッツ、カート・コバーンがカバーしていたことで知られますが全然グランジバンドというわけではないですね。しかしグランジ勢に大きな影響を与えたというバンドで80年代はブラック・フラッグ率いるSSTでハードコアを基調に徐々にサイケ~カントリーの影響が強くなり、90年代はグランジに合わせてアメリカンロック化していきます。

 

上記ミート・パペッツ、スクリーミング・トゥリーズどちらもも80年代にSSTからアルバムを出していて、ハードコアの影響がまだ強いんですがそんな中でも急にアコースティック路線な曲が入ってきたりこの頃から後のルーツロック回帰を思わせる要素が入ってて、同時期にDischordやワシントンDCで活動していたハードコアバンドとはかなり色が違います。90年代、彼らはワイヤーやダブの影響が強くなって硬質なポストハードコアに変化しいくのに対し、グランジアメリカンなルーツロックな方向へ舵を切ってくその原初のようなものが既に出てるんですよね。この辺のポストハードコアとグランジって対極だよなぁというのと、これらを「オルタナ」の枠に入れて語るか語るまいかって結構人によって個性出ると思っていて話してて楽しい部分ですね。

 

Red Red Meat - Jimmy Wine Majestic(1994)

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こちらもシアトルのバンドでサブポップから出ていてジャケもグランジっぽいですが、実際には全く違ったサウンドで成功を収めたというバンドです。ブルースやカントリーと言ったアメリカのルーツロックの要素を背景としていて、スクリーミング・トゥリーズ後期からハードロック色を薄めもう少しカントリーとかに接近したらこうなる気がします。時折ヘヴィなギターが挿入されるのはやっぱり時代でしょうか、でもこのバランスがめちゃくちゃ好きで、グランジサウンドのままペイヴメントのようなインディーロックをやっていたヘリウムとか、あと結構セバドーとかと並べても聞ける感じがします。

 

Seaweed - Four(1993)

Four

当時グランジが下火になってきた時代にシアトル発、サブポップ産のグランジバンドという推され方をしてしまったせいでイマイチ正当に評価されなかった・・・とレコ屋の解説記事で読んだのですが、実際に聞いてみると確かにグランジにしてはポストハードコアとかのが近い気がします。とはいいつつハードコアによくある硬質で金属的な音ではなく、確かにグランジ的なパワフルなサウンドだったりはするんですけどね、結構メロディアスだし。個人的にはSAMIAMとかのが近い気が・・・。そして割と近い境遇のバンドとしてこちら

 Sunny Day Real Estate - "Diary" 2XLP - ICE GRILL$ OFFICIAL STORE

サニーデイリアルエステイトを思い出します。エモの大御所ですがシーウィードと同じく「シアトル発 サブポップ産」のバンドで、ただグランジムーヴメントに括られることはなくむしろエモの萌芽として語り継がれることになったわけですが、シアトルのバンドとして聞いてみるとニルヴァーナ以降の空気がかなりあってハードコア→ポストハードコア→エモという流れとはちょっと違う気がします。ただボーカルの歌唱法やメロディーに関しては完全に後世のエモに影響を与えていて、エモってボーカルの印象というかボーカルにかなり趣を置いてるとこあるよなと少し考えたりします。

 

終わりです。ギタマガにあった向井秀徳×吉野寿オルタナ談義が「オルタナティブ」という内容で始まりつつもグランジの話になったとき二人とも「通ってない」と言ったのが面白く、そのままハスカー・ドゥやダイナソージュニア、ソニック・ユースの話題で盛り上がるのですが、これで一般的に有名なグランジオルタナティブの距離感について色々思うことがありました。

そんな中、僕は「こういう感じで聞いてます」「この辺のアルバムが好きです」というのをひたすらまとめたくなった・・・という記事になります。

 


関連記事

先日公開され、個人的にギタマガ読んだ人は是非セットでと言いたくなる程の記事でした。というかこれに触発されました。

 

そしてこの辺、グランジというジャンルがシアトル、そしてサブポップから広まったということや、広まる前のムーヴメントの核となったグリーン・リヴァー、メルヴィンズ、ブラック・フラッグ等の説明をとくにしないで進めてしまいましたが、このサイトが非常にわかりやすいです。是非。

こちら一つの記事で大まかなディスコグラフィを網羅していてディスクガイドとして非常にわかりやすいですね。

 

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記録シリーズ:Slintから辿るルイヴィルのポストロック

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Slint、ケンタッキー州ルイヴィルのバンドにしてポストロック〜マスロックの元祖やスロウコア、ハードコア由来の音楽ジャンルに多大な影響を及ぼしたバンドです。ルイヴィル周辺のポストハードコアが僕は一番好きなのですが、その中心となるアルバムが2ndのSpiderlandであり、ついこの前30周年ということで海外のインタビューがちょっと話題になり読んでみたところ個人的に熱が再燃。

その流れで海外メディアのインタビュー記事を漁っていたら色々新しい情報もあったのでSlintやメンバーのその後、周辺シーンについて各アルバム自分の感想を書いておこうと思います。

 


 

Slint - Tweez(1989)

TWEEZ (LP)/SLINT/スリント/ポスト・ロック始祖1stアルバム|ROCK / POPS /  INDIE|ディスクユニオン・オンラインショップ|diskunion.net

アルビニ録音。Spiderlandとは大分毛色が違うアルバムで、89年ということでポストハードコア前夜感が強いですね。FugaziShellacと同じく既存のハードコアサウンドからの脱却を図ったようにも感じますし、変則的なリフが入り乱れ、1曲1曲は短いんですが何度も展開していくところはちょってマスロックっぽいかも。MiniutemenやThis Heatと言ったポストパンクからの流れでも聞けそうですがとにかくノイジーですね。

ちなみにベーシストだったイーサン・バックラーは今作で脱退。彼が作曲の主体となっていたらしく2ndと毛色が違うのは彼の影響が大きかったのでしょう。

 

Slint - Spiderland(1991)

Slint - Spiderland - LP – Rough Trade

2nd。スロウコアとも言えるじわじわとした演奏にスポークンワーズなボーカルを乗せ、不安定なのか規則的なのかが曖昧な揺れるギターをタイトなドラムが繋ぎとめループしていきます。このフレーズの塊を繰り返しながらギターをバーストさせ轟音で飲み込んでいく、という手法は同じくルイヴィルのポストロックRodanやJune of 44にも繋がる方法で、Mogwaiなどの極端な静→道の展開を見せカタルシスを得るポストロックのルーツとなるんですが、手法自体は継承されてもフォロワーと呼ばれるバンド達からは感じることができない陰鬱さや張り詰めた緊張感はやはり凄まじいです。当時20歳なるかならないかの少年達がそれぞれの感性で作り上げたオリジネイターとしての"生の音"としての貫禄がありますね。

発売時には既に解散、リリース時もインタビューなどのメディアでの露出を避けていたようで、90年代は本当に未発見のオーパーツとも言える作品だったようです。今でこそ伝説として語り継がれていますが、これは実際にMogwaiがヒットを飛ばしたからこそ彼らがルーツとして名前を挙げたからのようで、このハードコアともポストロックともとれない音のアンダーグラウンドで蠢いてる感じは当時発見されたときはすごかっただろうなと…。しかもメンバーのデヴィッド・パホはSlint解散後のジョン・マッケンタイア率いるTortoiseに合流するので、まさしくポストロックブームの大元とも言えます。

 

Slint - Slint(1994)

Amazon.co.jp: Slint: 音楽

解散後の94年リリース、未発表曲ですが録音は89年ということでTweez~Spiderlandを繋ぐシングルで、Tweezのジャンクな変則ポストハードコア~Spiderlandのポストロックへと至る中間という感じで、緊張感溢れるインストマスロックとも言える「Glenn」「Rhoda」の2曲入り。Spiderland程スロウではなく淡々と闇に潜っていくようなループからギターが炸裂していきます。

元々「Nosferatu Man」「Washer」等Spiderlandの名曲群もインストとして作ったデモ版がデラックスエディションにあるんですが、Slintがマスロックの元祖として評価されるのがこの辺聞いてるとわかる気がしますね。

 
Rodan / June of 44 / Shipping News

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ルイヴィルのポストハードコアという観点で語るのなら絶対に外すことのできない重要バンド、それがRodanで1st発売時は1994年とSlintからちょっと経ちますが、メンバーも同郷ということでSlint解散後もRodanのメンバーとバンドを組んだり幾度となく交流があります。

RodanはSpiderlandで定義した"遅いハードコア"とも言えるスロウコアと溶け合ったあの音楽性を更に独自解釈で拡大、後のポストロックに大きな影響を及ぼします。そしてRodanのメンバーが解散後に組んだJune of 44やRachel’sにShipping News、同じくメンバーであり後にSSWとなるTara Jane O'Neilと彼女のバンドであるThe Sonora Pine、Retsin、全てがルイヴィルを中心に派生していきます。この辺のメンバーの変遷や音楽性を辿るのが非常に面白く、僕がこの辺のジャンルを好きになったきっかけでもあり別記事を書いてますのでよろしければ。

 

The For Carnation - The For Carnation(2000)

The For Carnation

そしてThe For Carnation、スロウコアとして有名ですがSlintのフロントマンであったブライアン・マクマハンが解散後に組んだバンドで唯一のフルアルバム。Spiderlandの路線を更にそぎ落とし、深く沈み込むような陰鬱な世界観を推し進め、ダブっぽい要素も取り入れよりリズム重視にループしていきます。しかし時折挿入される最小限のギターフレーズや囁くようなボーカルを聞いてるとこの静寂っぷりはやっぱりマクマハンだな~と思うわけですが、Spiderlandで彼が何をしたかったのかがぼんやり見えてくるような気もしてきます。

 

The For Carnation - Promised Works

Amazon Music - The For CarnationのPromised Works - Amazon.co.jp

アルバムではなく間で出した初期EPをまとめたコンピレーションなのですが、個人的に大好きな一枚。スロウコアというよりもう弾き語りの曲もあるんですが、ギターの音も最小限でありマクマハンのボーカルもいつものごとく消え入ってしまいそうな繊細なもの・・・なんですが、「On The Swing」では歌心に溢れててすごく風通しがいいんですよ。SlintからThe For Carnationのキャリアの中でこんなにラフでポップな歌を聞かせたのはここくらいじゃないでしょうが。A面は他の曲もインディーロックとして聞けそうな心地良さがあります。

Spiderlandを作ったとき、彼らはフォークやカントリーと言ったアメリカのルーツミュージック的なSSWをよく聞いていたとインタビューで見ましたが、そういう色が濃く出てるのかもしれません。そもそもSlint解散後にあのSpiderlandの水没したジャケットを撮影したウィル・オーダムも元々はそういったSSWで、サポートメンバーとして参加してたこともあるんですよね。色々繋がってくる・・・。

そして「I Wear The Gold」はジャンクなバンドサウンドで今度はSlintと直で繋がってくるような不穏な曲になってます。The For Carnationは完全にそぎ落とされ整頓された音だったんで、この曲が最も中間って気がします。

 

Crain - Speed(1992)

80年代後期~90年代に掛けて活動していたルイヴィルのポストハードコアバンドで、メンバーのドリュー・ダニエルは後にビョークとの共演やIDMで知られるMatmosになります。全くの別ジャンルですが彼のルーツはここで、June of 44の最新作ではMatmosとしてマッケンタイアと共に作品に参加していて最初はなんでMatmos?と思ってたんですが、Rodanのメンバーとは高校時代からの付き合いでとくに中心人物であるジェフ・ミューラーとジェイソン・ノーブルとは同じバンドにいたこともあったようです。

でCrain、コンピレーション一枚で長らくCD化もされてなかったようですが、実験的要素が薄く代わりにバンドとしての楽器のぶつかり合いに特化したBastroと言った感じでしょうか。とにかくハードだし高速だしで、若干マスっぽい色もありめちゃくちゃスタイリッシュなポストハードコアを聞かせてくれますが超かっこいいです、この中では最もパンキッシュかも。そして名曲「Kneel」はまさしくルイヴィルとも言える緊張感全開の曲でSlintやJune of 44との共鳴を強く感じます。

 

The Telephon Man - The Telephone Man 1992-1994

Telephone Man : The Telephone Man 1992-1994 [CD]

90年代初頭にルイヴィルで活動してたポストロックバンドということですが当時カセットのみのリリースをまとめた編集版。Temporary Residenceという上記のCrainの再発もここのレーベルからなので非常にありがたいですね。

そして時期が92-94ということでもろSpiderlandからRodanのRustyが出る期間であり、当時メンバー間で交流があったかどうかは不明ですが音楽性ももろその辺と呼応したハードコア由来のスロウコア~スポークンワーズを乗せバーストしていくといういかにもなルイヴィルな音です。こちらは割とエモ寄りだったり静寂パートのないヘヴィなスロウコアという曲もあったり編集版だけあってバラエティに富んでます。音楽性のみでSlintから辿ってくならRodanやTelephon Man辺りが一番聞きやすいかも。

 

Evergreen - Evergreen(2003)

SlintのドラマーでありSpiderlandではDon Amanでボーカルとギターを担当したブリット・ウォルフォードが参加したルイヴィルのバンドで93年作。彼は同時期にThe Breedersにも参加してますね。ポストハードコアというよりはインディーロックやロックンロールという言葉を使いたくなるくらい聞きやすく、LastFMのタグではemoに分類されていて個人的にかなり好きなバンドです。純粋にパンクロックとして聞けるような熱とキャッチーさがありますが所々不協和音が混じる緊張感もあり、「Glass Highway」等スローテンポの曲ではその辺のバランス感が丁度いいです。

 

 

Tortoise

TORTOISE / Millions Now Living Will Never Die (LP) - FILE-UNDER RECORDS トータス、アルバム『TNT』全曲再現ライヴのフルセットライヴ映像64分を公開 - amass

シカゴ音響派を代表するバンドですが、ポストロックシーンを漁る上では欠かせないですね。上述の通りジョン・マッケンタイア、そして代表作でもある上記の2枚(Millions Now Living Will Never Die / TNT)ではSlintのデヴィッド・パホが参加。そしてTortoiseはシカゴのジャズシーンとも絡みがありまた広がっていくのですが、その辺についてはWITHOUT SOUNDSの記事が非常に参考になります。そもそもここでのバンドメンバーの繋がりやシーン自体を一個にまとめたいというインスピレーションの元の一つでもありますし、シカゴ音響派について何一つ知らなくてもその変遷や音楽性は読み物としても非常に楽しめると思うので是非とも。また同ブログ内でマッケンタイア参加のSea And Cakeについても特集あり(こちらも本当にオススメ)。

 

Aerial M / Papa M / Pajo

Aerial M – Aerial M (1997, Card Sleeve, CD) - Discogs Amazon Music - Pajoの1968 - Amazon.co.jp

SlintのギタリストでありTortoiseにも参加したデヴィッド・パホのソロで何度も名義を変えててややこしい・・・。Aerial Mではアメリカーナな弾き語りをひたすら音響派の衣で覆ったフォーキーな質感のポストロックと言えるものになっており、その後外郭を取っ払い内側を曝け出したであろうPajo名義のアルバムはもろにSSW的な作風へ回帰。打ち込み要素もあるアシッドフォークから純粋な弾き語りまであり、Aerial MはSlintのスロウコアな側面と呼応して聞ける部分もあるかも。

 

King Kong

  

そしてKing Kong、Slint結成時1stのベーシストだったイーサン・バックラーがTweezのアルビニ録音が気に入らず脱退、その後こちらをメインに活動していきます。ハードコア要素はほぼないので関連作としては微妙ですが、ダブ・レゲエを取り入れたインディーロックと言った感じでチープな録音やローファイな質感から黒さはあまりなく独特の緩い雰囲気があります。

 

Squirrel Bait

 

Slintのメンバーでギターとボーカルを担当していたブライアン・マクマハン、ドラマーのブリット・ウォルフォードがかつて在籍していたバンドで、Spiderlandを作る際はシカゴに移住し制作の中心となった二人なのでSlintのルーツとも言えるバンドです。もろハードコアですが、1st2ndと共にメロディック系の流れでも全然聴けるというか85年でこれは早すぎじゃね?てくらいギターは分厚いしメロディー強めだしで、割とこの路線だとGorilla Biscuitsとか元祖なイメージありますが近い感覚で聞けるかも。とにかく少年たちが突っ走ってる感があります。

そして驚きなのは他のメンバーで、なんと後のBastro~Gastr Del Solで有名なデヴィッド・グラブスがギターとして参加、というわけでバンドの音から想像することはできませんが後のSlint、そしてGastr Del SolTortoiseといったシカゴ音響派等、ポストロックの代表的バンドを辿っていくと最終的にここに行き着くという。ある意味ここで触れてるバンド群全てのルーツとも言えます。

 

Bastro - Sing The Troubled Beast / Diablo Guapo(2005)

Sing The Troubled Beast +Basto Diablo Guapo : Bastro | HMV&BOOKS online -  DC290

そしてBastro、先程のSquirrel Baitのギタリストであったデヴィッド・グラブスが結成したバンドで後にTortoiseやSea And Cakeで知られるジョン・マッケンタイアと合流。トリオとして以後発表された1989年〜1991年の2枚のアルバムのコンピレーションがこちらです。一応ポストハードコアになるんでしょうけど、DISCHORDとかの当時のハードコアと並べて聴いてもかなり異質…。

というよりまずジョン・マッケンタイアが本当にTortoiseと同一人物?と思ってしまう程ハードなドラムを叩いており、高速で繰り返されるギターリフとフレーズの塊とも言えるテクニカルなドラムの絡み合いは既にマスロック的な聞き方もできるかもしれません。そして混沌とも言えるジャンクなノイズギターがこんだけ乗ってるのにどこかスッキリとした音像で爆走してくのも意外と聞きやすく、ピアノメインの曲やノイズワークをメインとしたインスト等、この頃から既に実験的な要素もあります。

解散後フロントマンのデヴィッド・グラヴスはシカゴへ向かいGastr Del Solを開始、ジム・オルークと組んでマッケンタイアも度々合流するんですが、"ToritoiseやGaster Del Solのメンバーがかつて組んでいたハードコアバンド"では決して終わらせることができない実験性も伴った暗黒ノイズロック~ポストハードコアの大名盤。

 

Bastro - Antlers(2005)

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ライブ盤なんですがアルバム収録のない曲の集まりで凄まじいです。1曲目の「Antlers」からBastroらしからぬゆったりとしたスローペースの上、じわじわと不穏に迫ってくる感じはSlintやJune of 44等の他のルイヴィルのバンドとも共鳴してくるなと思い聞けるんですが、前作を想起する強烈なハードコアナンバーを挟み後半また化けます。「ライブ」というより各パートの絡みによる「音の実験」とも言えるような要素がかなり強く出てきますし、終盤2曲に関してはもうGastr Del Solの原型と言っても差し支えなくなっており、バンドサウンドに囚われずより表現の幅を広げるためにああなっていったんだろうなぁと。

 

Gastr Del Sol

Amazon | Upgrade & Afterlife | Gastr Del Sol | 輸入盤 | 音楽 CAMOUFLEUR (LP)/GASTR DEL SOL/ガスター・デル・ソル|ROCK / POPS /  INDIE|ディスクユニオン・オンラインショップ|diskunion.net

そしてこちら、デヴィッド・グラヴスがBastro以降に辿り着く先でジム・オルークと組みポストロックを代表するバンド。余りにも実験的でアンビエント的な効果音や空間に漂うサウンドが多く、ルイヴィルでも無ければハードコア要素も無いシカゴ音響派なので上記の作品群とは大分毛色が違いますが、Bastroのその後、そしてポストロックシーンを辿る場合非常に重要なバンドです。

 


関連記事

Slintと並び名前を挙げたRodanについて。共通項がめちゃくちゃあり、正直SlintよりRodanの方がとっつきやすいのではと思っているので是非とも。 

 

ジョン・マッケンタイア率いるTortoiseについてですが、バンドやシーンのことについては勿論、切り口も非常に面白く間違いないです。

 

 ざっくりとディスコグラフィを辿りたい方はこちら。

 

 参考資料にさせて頂いた30周年インタビュー。英語ですが各楽曲の解説など非常に濃厚です。

 


 

以上です。元々はRodanとJune of 44ってボーカル一緒だったの?というのを知り、調べてく内にSlintと同郷、そしてBasroが深く関わっていたり、メンバーが合流しTortoiseに繋がってきたり、Shipping Newsも元はRodanだったり・・・とどんどん点と点が繋がってくる感じが非常に面白くなってしまい、そのアーカイブを残しておきたいなぁという感じで書きました。ポストロックと言いつつかなり雑他になってしまいましたが、Slintっぽい音を求めて聞くのならRodan~June of 44周辺を聴くのが一番いいかもしれません。

 

そしてルイヴィルという地からどうしてここまで人脈が広がっていったのか・・・というのが非常に気になるとこですが、どうやらインディーバンド向けのハコが少なくシェアハウスなどで演奏していたため共通のメンバーが顔を合わせることが多かったようです。あとは80年代後期~90年代初頭のルイヴィルは大学にカレッジラジオが無かったこと、セッションミュージシャンが少なかったことから、外部地域の音楽性を取り入れることが少なく、Rodanのジェフ・ミューラー曰く「孤島にいるような感覚だった」とのこと。

それにより多数のバンドが派生~お互いに影響を受け合っていたのかなぁと思います。スティーヴ・アルビニがSlintとRodanについて「ルイヴィルという独特のバックグラウンドが無ければあの音楽性は生まれなかった」と言っていたのもそういった要素からかと。

 

以上でした。簡易ディスクガイド的な感覚で楽しんでもらえれば幸いです。