朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

pärk


pärkというタイトルで本を出します。昨年2023年の6月から描いてきたイラストと、それに関するセルフライナーノーツ、巻末に私的スロウコアガイドという題の音楽ZINEが付属した122ページの同人誌です。コミティア147で頒布します。

イラストはpixivアカウントを貼っておきます。ここに上がっているもの+描きおろしが数枚あります。表紙になっているparkというイラストに関しては暗すぎて印刷する際に黒ベタっぽくつぶれてしまうらしく、仕方なく数段階明るくしコントラストを強くしたものを新しく収録しています。元々自分が描きたかったものとは大分印象が変わってしまうため、本来見せたかったものを先にpixivに公開しました。


私的スロウコアガイドに関してですが、ここ数年ブログ内で触れるアルバムにスロウコアと呼ばれるジャンルのものが非常に多くなっていて、一度まとまったものを提示したいと考えていたのがきっかけです。140枚+番外編で30枚ほどチョイスしています。自分自身、一つのジャンルで括った個人の選盤を見るのが好きで、そのカテゴライズ自体がその人のルーツや個人史が見えるものであったり、また自分にはなかった視点を知ることでより豊かに音楽を聴けるようになると思っています。今回出させていたくZINEは、本来ディスクガイドに求められるジャンルをや歴史を網羅した幅広いものにはなってないと思います。一人で選ぶことで「ここまで偏るのか」と思わせてしまいそうな、所謂マイベスト的なものですが、焦点を絞ったことで枚数は少ない分通して読んで一貫したものはあると思うし、このブログで普段取り扱っているアルバムに少しでもシンパシーを感じた方は楽しめる内容になってると思います。また近年愛読していたブログやメディア等が読めなくなってしまいショックを受けることが年々増えていて、好きなものをどう残していくか、フィジカルで触れるものに対する執着が強まっていたのも深く関係しています。

そして番外編の方ですが、Quarterstick Records、Southern Records、10年台後半Windmillから広まったサウスロンドン、Zum Audioについてそれぞれまとめたものになります。Quarterstick特集では、朱莉TeenageRiotで幾度となく触れてきたJune of 44やRodanといったルイビルシーンに端を発するポストロック前夜のバンド群を掘り下げたもので、記録シリーズ(記録シリーズ:Rodan / June of 44 - 朱莉TeenageRiot)のようにディスコグラフィをまとめたものではなく、スロウコアガイドとして関連性の深いものをチョイスしています。Southern特集では主にSouthern Records内のオブスキュアなスロウコア各種が昨今Numero Groupによって続々と再発されているため、レーベルで括ることでレーベル内の他の愛聴盤も巻き込みながらまとめました。網羅的なものではなく、あくまで個人でおすすめしたい選盤となっています。スロウコアとシンパシーを感じながら、しかしスロウコアと一口で括ることに違和感を覚えるアーティスト達を、本編とは線を引きたかった気持ちが強くあったため「番外編」としました。

サウスロンドンに関しては番外コラムとしての色が強く、アルバムガイドですらありませんが、ここ数年シーンを賑わせたdeathcrashやBlack Country, New Road(以下BCNR)といったバンドの90sスロウコア~ポストロック前夜と重なる音楽性、そして本人達もルーツとしてこの時代のバンドの名前を挙げていることから、ここ数年非常に楽しく聞かせていただいてるシーンになり、そのバンドを聞く上での自分の主観を可視化させたような記事になってると思います。deathcrash、BCNR、black midi、そしてこのブログで触れてきたTouch and Goの面々をたくさん並べていくもので、あとは昨年12月に来日したdeathcrashのライブレポートも記事中に掲載しています。

元々自分がスロウコアというジャンルに傾倒したのは2020年以降、コロナ禍によって生活が大きく変わった中でのことで、このブログを始めたのも丁度その頃。そしてイラストを描き始めたのも全く同じ時期で、ある意味2020年以降の自分の総まとめとも言えるものになりました。イラストのセルフライナーノーツは半分絵の解説、半分日記といった内容で、日常体験と重ねながらどうしてそのイラストを描いたか掘り下げていきます。自分にとって音楽に関する文章を書くことも、絵を描くことも、そのとき美しいと思った瞬間や心を強く動かされた瞬間を忘れたくなく、保存しておく行為であり、それを誰か他の人におすそ分けしたいという気持ちがあるからです。脈絡のないやりたいことを詰め込んだような本作ですが、自分の中では一本線で繋がっています。どこかしら琴線に触れた方、面白そうだなと思ってくれた方は手に取っていただけると嬉しいです。イベント終了後に通販も予定してますので、それ以降にまた告知記事を出そうと思います。

 

※出しました

kusodekaihug2.hatenablog.com