朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

スティーヴン・マルクマス@11月28日 渋谷 STREAM HALL

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ティーブンマルクマスのライブに行きました。元ペイヴメントのボーカルでありフロントマンである彼はローファイってジャンルを一躍有名(?)にし新しい価値観を生み出しごく少数のとあるカテゴリ内での人々からは神と崇められている(言い過ぎ) 少なくとも僕にとってはめちゃくちゃ特別な人で本当に彼と、あとペイヴメントが無ければ一体どれ程今の音楽趣味と変わったんだろうか。


てわけで、90年台の英雄と呼ぶにはもう失礼なくらい00年台に入ってからもソロアルバムを作り続けていたマルクマス。今年も昨年もアルバム出しててすごく意欲的なんだけど、来日です。憧れ。雲の上の人だった。いざライブが始まり目の前に現れた時点でもう涙ぐみそうになってしまった。

 

未だにナンバーガールを生で見れてないRSR難民なので、自分の中でナンバーガールスマッシング・パンプキンズペイヴメント等の趣味の根幹になる部分、特別にでかい存在を目の前にしたら一体どうなってしまうんだろう?と、こんなに本番前にドキドキしたことがあっただろうか。ぶっちゃけ音楽的にものっすごく感動したとか技術がすごかったとかパフォーマンスが神だったとか、そういうのは、皆無です(失礼) いやほんとに。もうただ個人的な感情が・・・思い入れが強すぎる人が目の前に現れることで自分がよくわからなくなってとにかくテンション上がってしまうという、ライブに行きすぎてしまいこういうシンプルな感動がどれ程ありがたいかってのを思い出しました。それもこれも1曲目になんと「Spit On A Stranger」をやったんですがこれペイヴメントの大名曲で、解散前ラストアルバムの1曲目でもあるんだけどそんなん泣くしかねえよ・・・。

 

本編の方はソロ作品からバックバンドすらなく一人でPCを使いトラックを流し、ギターを合わせ、歌う。こっち見てミスったときにピースしてごまかす動きとか、急にロボット歩きしながらステージ上を動いたりとか、観客のちょっとした声を拾ってぼやいたりとか、あのチャーミングで物腰柔らかそうなビジュアルと、そして今まで作ってきたペイヴメントのあの適当なラフさ加減とどこまでも優しい歌や演奏、全部この人から出てきてるものなんだなぁというのが仕草一つ一つから滲み出ている。涙が出ますよ。俺の大好きな音楽を作ってきた人はまさしくそのまんまだったんだなぁ。

とそんな感じで、50台のベテランとは思えないくらい終始ぐだぐだなショーでした(笑) 終わりも締まらないし!でもだからこそローファイなんだよなと。音はもうローファイじゃなくてもあの精神性というか、今回パソコンとギターだけの本当のソロだからマジでパーソナルで緊張感の欠片もなかった。まるで友人の家で遊んでるときにガレージとかで適当に曲流してそれにギター合わせて「どう?」て音をいじくりまわしてるのを一緒になって聞いているかのような感じで、こんなしっかりしたホールでアメリカから来日したミュージシャンのライブを見に来たとは思えないような空間だった。でもあのデジタルビートの上に乗るギターの音はしっかりとマルクマスのギターで、好きなように狂ったギターを、でもどこか茶目っ気のあるキャッチーなギターを弾く。無限に話せます。絶対ペイヴメント来日してほしい。見たい。来てよかったです・・・。

 

そんな彼がこのライブで演奏したのはちょっと前に出した新譜のコチラ

 

 

なんというか・・・エレクトロサウンドで全編やりましたっていう意欲作らしいですが、それでも彼の曲をぶっ壊さなきゃいけないみたいな美学は残ってて(笑) しかも、最初は確かにそんな感じなのに途中から結局、ロックフォーマットっぽいマルクマスのメロディーが乗るいつもの感じのも入ってます(笑) 昨年のバンド編成は年間ベスト2018 で一位にするくらいの作品でしたし、いや本当に、コンスタンスに作品を出し続けてくれることが嬉しい・・・