朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

deathcrash - Return(2022)

Return(2022) - Album by deathcrash 

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2月にリリースされたdeathcrasnの1stアルバム。サウスロンドン出身で昨今のサウスロンドンシーンと言えばShameやblack midiといったポストパンクのイメージがありますが、実際その周辺のシーンとも関わりが深いメンバーで構成されつつもdeathcrashの音楽性は90sスロウコア直系。Mogwaiや同時代のポストハードコアと共振するとこが多々あってポストパンクとは大分距離があります。そして同シーンを代表するBlack Country,New Road(以下BCNR)はとくに関わりが深くて一緒にライブをする中で彼らはdeathcrashに多大な影響を受けたことを公言していて、彼らのSlint系譜のポストロック/ポストハードコアな作風の背景に少なからずこのバンドの存在があるはずだし、deathcrashの前作EP(People thought my windows were stars(2020)は1曲目からMogwaiのCome On Die Youngっぽくてそれを象徴した作品だと思います。

で今作、近年BCNRもblack midiもどんどんジャンルの殻を突き破って独自のサウンドを突き詰めてる印象ですが、deathcrashはここからポストロックを通り抜けその奥底、90年代を更に逆行してアンダーグラウンドへ向かってどんどん純化、CodeineやSlintのサウンドでBluetile LoungeやDusterを再びなぞり更に拡張し続けたようにも感じるし、ポストハードコア以降の目線でそれをやってるようにも聞こえます。

とにかく再生して1曲目「Sundown」はこの寒い季節にしみじみと染みこんでくる名曲。Bleutile Loungeの名盤「Lowercase」を思い出すイントロの静寂からそっと楽器の音が入ってくるような密室を意識させるサウンドスケープは再生数秒で一気に引き込まれる。スロウコア特有の生々しい硬質なドラム録音と抒情的なギターリフは否が応でも空間を意識させ、この素朴な冷たさと緊張感が同居した感覚に浸りながらまるで己と対面していくような、ここからMogwaiのように極端な静→動の爆音で爆発させていくわけではなく例えるならSonic YouthのThe Diamond Sea、あの曲での実験的ノイズパートを引き裂く抒情的なギター音で細かく情景描写を作っていくのがすごく新鮮でとても染みました。三部構成で曲を構成する要素それぞれはとても素朴なのに通して聞くと非常にドラマティックで、ハイハットを刻みながら轟音をかき鳴らすアウトロまでの流れは内向きに渦巻いていたエネルギーが一気に外に向かっていくような、立ち上がって外に歩き出すようなカタルシスに涙なしには聞けない。すごく硬質でギラギラとした轟音はMogwaiらポストロックのものではなく、Humと言ったスペースロック/ポストハードコアサイドの影響もどことなく感じます。

あとは意外とアコースティックっぽい乾いた曲も多くてこの辺は硬質なアメリカーナ/インディーフォークな側面でも聞けそうで、deathcrashのこのくたびれた雰囲気はBedhead後期やThe New Yearを連想してしまう。「Unwind」は轟音の中でも存在感を放つくらい歌のメロディーが強くて最早deathcrash流の遅くて枯れたエモで、「Was Living」ではリフが映える爆音で入り、その後一気に音を減らし長いスロウコアパートに淡々と潜ってくというのは今までと逆パターンで新鮮。「American Metal」という全然メタルではなくすごくインディーライクな曲も好きで、前半とは打って変わってひたすら同フレーズを繰り返しながら徐々に徐々に音を大きくし途方もないくらい膨張し続ける長尺なアウトロがとても印象的。ラスト前の「Doomcrash」はリードシングルだけあってSundownに続くドラマティックなスロウコア名曲。広い部屋で生々しいドラムを淡々と、一つずつ重ねてずっとずっと闇へと落下してくような圧倒的な冷たさがありとにかくヘヴィで終着点として完璧。最後の最後に「The Low Anthem」という泣きの弾き語りが入っているのもたまりません。

こういう音楽は余裕がないときか、全てを諦めたときにふと聞きたくなるような、そんなときにそっと寄り添ってくれるような本当に居心地のいいアルバムなんですよね。昨今話題になっている新譜とか年間ベスト見て好きそうになったやつを掘っていて、気に入ったアルバムは多くとも本当にビビッとくるもの滅多に無く単純に自分の感性が衰えてきただけだと思ってたんですが、こういう音楽に出会うとそんな気持ちも全部吹っ飛ばしてくれる。来日したら絶対ライブ行きたいとか、まだ自分の中にここまで新譜に熱狂するような熱が残っていたんだなという気持ちにすらなりました。

最後に参考記事として最初に触れたサウスロンドンシーン内でのdeathcrashについて触れた記事を貼っておきます。めっちゃ参考になったし人脈が続いてシーンが活性化していく感じが伝わってかなり面白かった。あとdeathcrashのメンバーが参加しているFamousもまるで違うポストパンクだけど良かった。

 


関連記事

 

以前作ったプレイリストですが、結構近いフィーリングあるので今作が気に入った方は是非とも。

  

記録シリーズ:Hoover

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HooverというDischord Recordsのバンドを中心に関連作、解散後の各メンバーのバンドをまとめました。激情系のルーツでもありつつジャズやダブ、レゲエにも接近しながらJune of 44やSweep The Leg Johnnyと言ったポストロック方面とも合流していきます。

 


 

Hoover - The Lurid Traversal Of Route 7(1994)

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ワシントンD.C.で結成されたDischord Records発のHooverの1stにしてポストハードコア大名盤。Hooverは解散後メンバーが散り散りになり、様々なバンドで活動したり合流したり再結成したりして音楽性を多方面へと深化させてくわけですが、その全ての原初がこのアルバムに詰まってます。ディスコーダントな音ですがダークでヒリヒリとした緊張感が尋常じゃなく、変拍子の不協和音ギターリフを次々とチェンジしスクリーモを繰り返すこの作風は常にシーンが切り替わっていくような感覚で、後の激情系エモやカオティックへの影響力も絶大、Drive Like Jehuの「Yank Crime」と並び(しかもこれも94年作)それらのジャンルの布石となったアルバムだと思います。

で尚且つ、メンバーのその後を知ってるからこその視点でもあるのですが「Route 7」ではポストロック化の片鱗もあり後のAbileanやThe Sortsを思い出したり、「Electrolux」ではスロウペースでじわじわと繰り返されるベースリフを核としてバーストさせてく曲でこれはJune of 44で繋がってきたりと、既に色んな曲からジャズを想起するシーンもあったりメンバーのその後のバンドでより掘り下げていく兆候はもう大分見せてきてます。ただそれらのバンドとは違ってHooverではあくまで実験的にはなりすぎず、FugaziやJawboxと言ったあの辺とも並べて聴けるような、あくまでハードコアの中にそれらを内包しているってくらいのバランスやってるのが熱いです。

そしてレゲエやダブが由来であろうフレッド・アースキンのベースラインがこの頃から耳を傾けるだけでかなり楽しい。彼はこの後数々のバンドを渡り歩きハードコアとポストロックをジャズやレゲエをミッシングリングにして繋げていくシーン内最重要人物とも言えますが、そんな彼のスタートであるアルバムでもあります。

 

Crownhate Ruin - Until The Eagle Grins(1996)

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そんなHooverが解散後にツインボーカルの片割れジョセフ・マクレッドモンド主体のバンドでベースはHooverより続投のフレッド・アースキン。Hooverが持っていた爆発パートというかハードコア成分やあの殺伐とした不穏さを色濃く継承していてストレートなポストハードコアとして聞くならこちらです。Hooverの1stでの1曲目「Distant」とかに衝撃を受けた方はそのままどうぞ。Hoover時代のポストロック要素は後にAbileneとなるRegulator Watts側が担っていたのかもというのもよくわかります。

 

June of 44

 

95~99年にアルバムをリリースしていたSlint直系のポストハードコアバンド。作品を経る度に音楽性を深化させ後にダブやジャズに接近、完全にオリジナルのポストロックを作り上げますがこちらにベースとしてHooverのフレッド・アースキンが参加。彼のプレイがバンドに与えた影響は計り知れず、そしてそれはHoover側にも言え、この後Hoover組もダブやジャズへと接近していくのでかなり同時代性があります。元々別でまとめ記事(記録シリーズ:Rodan / June of 44 - 朱莉TeenageRiot)を書いてるのでセットで是非。

 

Regulator Watts - The Murcury(1998)

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Hooverでボーカルをやっていたもう片方であるアレックス・ダナムのバンド。基本的にCrouwnhate Ruinと同じくHooverの延長、ではありつつ、こっちは少し実験的な要素も見えてきて並べて聞くことでうまいこと分離したような気がするしこの後のHoover復活での両者いいとこどりしたような融合っぷりも絶妙。

割とAbileneだったりJune of 44だったりもう"ハードコア"よりも"ポストロック"としての成分が強いんじゃないかって思えるバンド群とここから直に繋がってくような空気があって、激情にも通じそうなリズムとか曲展開凝ったポストハードコアが相変わらず多いんですが、その中でも「Los Angeles」とかはずっと静パートですがヒリヒリとした緊張感が持続していってこの空気感はもろAbilaneのプロトタイプ。「Winslow」のフェードインで入ってくイントロとか「Version idols」でのダブ要素、そしてラスト3曲はエレクトロニクスも導入した実験的な路線でGastr Del Solになる直前のBastroとかを連想します。

 

Hoover - Hoover(1998)

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再結成して出したEPでこれが余りにヤバすぎますね。ぶっちゃけここで再合流するので上記の2枚も周辺バンドってよりはもう初期のHooverの活動の一環として聞いて大丈夫だと思いますが、それらの集大成的なものが詰まっていて開幕「TNT」からHooverで見せていた衝動はそのままずっしりと構えたような、リズムやアンサンブルにアプローチしながらより曲を重くしたような印象でめちゃくちゃかっこいいです。

そしてこのバンドのメンバーは別バンドでの活動において結構多ジャンル幅広く活動しつつも、ここで集まったときには"Hooverの音"として、Dischord Recordsのポストハードコア然としたサウンド直系のままより深みを増してく感じがすごく好きですね。ポストロック方面に突き詰めた結果としてはAbileneが到達点だと思いますが、ハードコアとして聞くんなら個人的に一番好きなアルバム。しかも最後の「Relectrolux/Electrodub」はもろダブからの影響を顕著にしていて、これがHooverとしては最後のリリースですがそのまま以降のバンドに繋がってくのもニヤリとする。

 

The Sorts - More There(1998) / Six Plus(2002)

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フレッド・アースキンがトランペットとして参加したバンドで元々Hooverではベーシストだったのでサウンド的に関連性があるかと言うと微妙なんですが、Hoover派生ポストロック系やちょっと飛んでSlint~June of 44を経由した後のシカゴ音響派周辺、TortoiseやSea And Cake、Dianogah、33.3とか、The Coctails周辺とか好きな方にはめちゃ良いと思います。2002年の最終作である「Six Plus」には上記のHoover~Crownhate Ruinのジョセフ・マクレッドモンドも参加。

 

The Boom - Movin' Out(1998)

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そしてこちらは上記のThe Sortsとほぼ同メンバー、つまり変名バンドで音楽性を変えたとも言えるのですがこちらがヤバすぎます。Sortsから続くジャズ要素をそのままポストハードコア化させたようなあまり聞いたことないサウンド、ディスコーダンドてタイトなリズム隊の上に乗るのは不協和音ギター・・・ではなく、分厚いホーンセクションが前面に出ているという、しかも唐突なジャズパートが挿入されるのもかなりクールです。むしろギターは小刻みにリズムを刻むことに徹していてこういうバンドがDischord由来から出てくるのめちゃくちゃかっこいい。というかこのサウンドに乗るのが逆にもろHoover直系のシャウトかましまくるボーカルってのも何故か見事にマッチしていて色々衝撃を受けました。しかもギターボーカルがフレッド・アースキンでベースでもトランペットでもないっていうマルチプレイヤーっぷりがすごすぎる・・・。

 

Abilene - Abilene(2000)

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Hoover及びRegulater Wattsのアレックス・ダナムのバンドで完全に延長線というか直系。今作はいませんが2ndでHooverのフレッド・アースキンも参加するし、あと地味にスコット・アダムソンというマスロック寄りシーンでの重要人物もドラムで参加してて彼については後でまた触れます。

こちらもヤバイですね、衝動的なハードコアサウンドからは一旦離れ、Hooverから音を引いてスローペースでじわじわとリフを重ねることでマスロック~スロウコア色が強くなってます。まだ2nd程レゲエとかジャズには寄せてなくあくまで"遅いポストハードコア"という感じでこのサウンドスクリーモが乗ってるバランス感、音がめちゃくちゃ悪いのも相まって地下で生まれたダークでアンダーグラウンドなミュータント感がかなりかっこいい。

 

Abilene - Two Guns, Twin Arrows(2002)

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2nd。とにかく1曲目の「Twisting the Trinity」からかなり衝撃的な不協和音ギター+ホーン+スクリーモがスロウペースでじわじわと浸透していく暗黒世界はもう完全に唯一無二。Hoover関連でお馴染みのフレッド・アースキンが今作から参加しますがベースではなくホーン、そしてこれがギターよりフィーチャーされてるんじゃないかというくらい前面に出ていて、1stと地続きのねっとりとした緊張感のあるグルーヴの上でトランペットとギターがユニゾンしていってこれはもうプログレを聞く感覚でも行けると思う。

もうHooverの中にあった実験性というかハードコアに内包されていた多ジャンルを行くとこまで突き進めて完全にオリジナルの音楽に昇華したサウンドで超絶不穏、上記のThe Boomとも繋がってくる音であれをより音数を減らし煮詰めていった感じです。Bastroがシカゴに渡ってGastr Del SolだったりTortoiseになったかのような、SlintのThe For Carnation化やJune of 44が1st~4thの内にダブ化しHiMに分離してったような、そういう同時代のハードコア出身のバンドがそれぞれのサウンドを突き詰めていったのとこれは完全に被ってきます。名盤。

 

Just a Fire - Light Up(2004)

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こちらはフレッド・アースキン主体のバンドで彼はベース及びボーカル、ドラムは上記のAbileneにも参加した元Chisel Drill Hummerのスコット・アダムソン、ギターはSweep The Leg Johnnyのクリス・デイリー。90s後半のマスロック~ポストロック界隈の錚々たる面子が揃ってます。

再生して1曲目の「Hot Export」のイントロのベースリフからわかるようかなりフレッド・アースキンの趣味がフィーチャーされたバンドだと思います。AbileneやJune of 44やHiM以降の彼のバンドにしては全然そういうった実験的な要素は薄く、ただホーンが入っていたりベースラインには彼の特徴であるレゲエからの影響を前面に押し出していて、ストレートなポストハードコアの中でそういった今までの経験が滲み出てくるような感じがめちゃくちゃかっこいいです。The Boomからジャズ要素を抜いてまたDischordに回帰したような感じで「Snake In That Bush」「Dog Bites Back」での踊れる曲もHoover系列の中では珍しく、これもレゲエ要素が今までより強く出てきてるからだと思います。

 

Chisel Drill Hammer - Chisel Drill Hammer(1998)

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上記AbileneやJust a Fireでドラムを叩いたスコット・アダムソンのバンドで、彼自身はHooverに在籍していたわけではないですが主要メンバーのその後を支えたということでこちらも近隣作。でこれがまた凄まじいです、HooverというよりはJune of 44とかがまだダブ化する直前だった2nd~3rdのリズム主体なスロウコア/ポストハードコアを、よりエモとかマスロックに近づけた感じで、スロウペースのまま静寂とリズムの妙と捻じれたフレーズが絡み合って次々と展開していく様は曲がどこに向かってくかさっぱりわからないまま快感が次々と訪れるような感じ。あとこの時代のマスロック全般にも言えますがKing Crimsonっぽさもあります。

 

Sweep The Leg Johnny - Tomorrow We Will Run Faster(1999) / Sto Cazzo!(2000) / Going Down Swingin'(2002) 

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上記のJust a Fireにギターで参加したクリス・デイリーのバンドでこれがまた00年代前後のマス~ポストロックを代表するバンド、当時の名コンピZum AudioにもJune of 44と一緒に参加してました。

こちらもChisel Drill Hummerと同じく直接Hooverと関りはありませんが近隣作、Slint~初期Don Caballero~Rodan辺りのポストロックの祖を一本線で繋げてKing Crimsonやジャズの要素が入ってきたようなバンド。ハードコア色かなり強いんですがこちらもメンバーにホーンがいるためカオスな不協和音とスロウコアのような静パートとの行き来が激しいです。上記の2nd~3rdは全てSouthern Recordsからのリリースで、レーベルメイトの90 Day MenとかKarateとかのジャズ~ポストロック~スロウコアと言った要素を多分に含んだバンド群は上記のAbilaneとかともめちゃくちゃリンクしてくると思います。

 


以上です。途中何度も触れてますがフレッド・アースキンが参加したJune of 44/HiMはまた別軸、Rodan~June of 44~Shipping Newsというルイビルの系譜で書いてるのでセットでどうぞ。というかHooverの系譜とRodanの系譜が交錯する瞬間がJune of 44なんですよね。

 

1/1 絵

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1/1に上げたものです。

アマガミより田中恵子さん描きました。一応初詣っぽい感じだけどとくに意識したっていうよりは11月に行った鎌倉の写真が元。4日間くらい掛けて一回ほぼ出来上がったキャラクター絵を丸ごとやり直すというまぁまぁきついことしたけど、そのおかげか今までで描いた絵の中では最もかわいらしくなったとハッキリ言えるくらいにはなったと感じていて満足してます。

やり直し前の最初の時点で師匠というか絵師の先輩的な知人に見てもらい充分いい感じとの評価を頂いてはいたけど、個人的にあまり納得できなかったというか、時間をかけたんだから今までのレベルから想像できてしまう出来栄えで終わっていいのかみたいな気持ちになったので結局また1ヶ月丸ごと使ってしまった。でも無理したらちゃんと殻を破った感じがしたというか、前回のイラスト描いたときの自分じゃ描けなかったところまでできたのでよかったです。

やっぱ背景描くの楽しすぎ!

偽年間ベスト2021

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年末年始ということで各所で年間ベストが発表されたりツイッターでプレイリストが公開されたりしてて、2021年自分から新譜を追ったりというのをほぼしてこなかった自分が、みんなのベストをガイドにして聞いたものから好きだったものをまとめました。

一応新譜の感想としてはこちら

でやってるんですが、ベストってよりは昨年聞いた音源でたまたま2021年リリースだったものを並べたって感じだったので今回はこれ以降、要するに"聴きそびれた作品"を後から10枚書いていきます。


 

betcover!! - 時間

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betcover!!は夏頃にやったライブ配信が話題になり、youtube公開されてた時期に見てぶっ飛んだんですがそれっきり、いや本当に今年Parannoulと並んでSNSで話題の作品トップを掻っ攫ってたんじゃないかだろうかという印象すらあるバンド(ソロ?)ですよね。てことで年間ベストとかの常連だしあんまり積極的に聞いてこなかったけどちゃんと好きな人たちが好きな文章で評価してるの読んでるとやっぱ聞きたくなる。で聞いてもうこれは・・・。

最高です。不穏なメロウネスって感じで割とOGRE YOU ASSHOLEゆらゆら帝国と言った石原洋関連作の流れでも語りたくなってしまう音ではあるんですが、聞けば聞くほどそこに並べるのに違和感を感じてきた。密室に閉じ込められたような、視界が全部ぼやけてしまうようななんかこう渦巻いてる音で、でもこれを安易にサイケデリックって言ってしまうのもちょっと違う気がしてくるし、インプロっぽい要素を残したような複雑というか軽く聞いただけじゃどうにも掴みづらい曲展開とか、ちょっとジャズも思い出すようなカオスな音像、の上に、不穏ではありますがかなりキャッチーな歌ものとしてメロディがしっかり乗ってる。この不安定なバランス感覚、脳内の違う部分がそれぞれ評価を下しててそれがごっちゃになって同時に印象に残るというか、曖昧な印象のまま曲が終わるから外見だけを見てサイケだと言ってしまいたくなる気がする。

例えば割とSuchmosのTHE ANYMALとかと近い雰囲気あると思うんですが、あっちはもっとルーツを丸出しにしたサイケデリック・ロックなのに対してこちらはあまり影響受けてるようには思えず、なんか日本の薄汚れた商店街の暗渠から鳴ってそうな感じがする。あと深夜にめっちゃ合います、車の中とか、これも個人的にめちゃくちゃポイント高かった。部屋の電気消して聞きたいアルバムですね。

 

sassya- - 呼吸

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昨年のベストとしてSPOILMANやNOUGATを並べ、他にもポストハードコア色強いチョイスだったと思いますが、そんなものを書いておきながらsassya-の新譜が出ていたことについて何ひとつ触れてないのは我ながら恥ずかしくなりました。リリース時に先行トラックとかはちょこっと聞いてて、ただそれっきり、普段追ってるレコ屋の年間ベスト見てたら入ってて思い出し急に聞き激ハマリ・・・。

激情系にも通じると思いますがその一歩手前ってくらいの、硬質ではなく割と濁ったジャンクなポストハードコアで、ただそれとは別にとにかく詩が刺さってきます。シャウトじゃなくて叫びって呼びたくなるような感じで例えばブッチャーズ、例えばキウイロール、ああいうポストハードコアに日本語を噛み合ってなかろうとそんなもん知ったこっちゃねぇと上から声を重ねてる感じはもう日本独自の文化、というかひとつのスタイルとして伝承されてるとすら思うんですが、そういうのを思い出す感じ。はみ出てるからこそ言葉が刺さってくるし、それに拍車をかける焦燥感にまみれたヒリヒリとしたギターサウンドを聞くだけでテンションが上がってしまう。2曲目の「声」に完全にやられました。足りない、いつも足りない・・・

 

Squirrel Flower - Planet(i)

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これもよかった・・・おかざきよしとも氏がブンゲイブ・ケイオンガクブで公開してた年間ベストでは結構SSW的なカントリーとかインディーポップとかフォークロックがたくさんあって、あまり自分から掘ってないとこなのですごく楽しませてもらったんですが個人的に一番刺さりました。まぁオルタナ寄りみたいな書かれ方してる時点で好きになりそうではあるけどちょっと純粋なインディーフォークとかと距離があり、そういうザラついた、雑にオルタナって括りたくなっちゃうような分厚いエレキギターサウンドが乗っかりつつ、ただそこを抜けばBig ThiefやKaty Kirbyと並べて語りたくなっちゃうようなインディーフォーク的な質感で狙い打ちされてるのかってくらいよかったです。

「Roadkill」とか割とラウド&クワイエット的なダイナミズムに溢れた展開でギターが炸裂していくし、「Night」に関しては完全に轟音で全部覆い尽くすタイプのやつですね。あと1曲目の「I'll Go Running」に関してはドラムの音数の少なさによるグルーヴ感にどこかスロウコアも感じるしこのダウナーな雰囲気もたまらん・・・。

 

Jodi - Blue Heron

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続いてこちらもインディーフォーク系でJodiというプロジェクト、Squirrel Flowerと比べるとかなりスカスカなんですがこの音数の少なさだからこそ伝わる各楽器の音が余りにも良すぎる・・・とくに「Get Back」はもうこの音でアコギがリフレインしてくってだけで一生聞けちゃうんですが、こういうバンド全体のアンサンブルとかフレーズの絡みよりも音の響きそのものにフォーカスして聞けるってのはやっぱスロウコア的だなと思ったりもします。

サウンド的には全く違うんですがボーカル一本でエモと言ってしまいたくなるようなパワーがあり、そしたらPinegroveの元メンバーってことで納得しました。Pinegroveもエモカントリーっていう余り聞いたこと無いジャンル名(?)で形容されてたのすごく印象的なんですが実際あれと地続きの、もっと音を減らして吹き抜けをよくしてエモにも通じるようなボーカルだったり各パートの音色だったり・・・と聞かせる場所は違いつつバンドではなくSSWとして聞くならこっち、ですかね。

 

kumagusu - 処暑神経

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元々昨年の夏~秋くらいにかけてよく聞いてたアルバムで、それは確かツイッターで誰かがツイートしていたのをきっかけにちょっと聞いてハマって・・・みたいな、何故か新譜という認識なかったので最初から選考外だったんですが大好きな作品です。もうちょっと前のライブ音源かと思ったら2021年リリースだったのか・・・と人のベスト見て気づいた感じ。

でもインタビューとか見たことなかったからちゃんと作品について知識をつけた上で聞き返そう・・・と思ったらなんとbandcamp盤に4曲追加された完全版(というかもとよりサブスクが少なかっただけらしい)があり購入、そしたらなんとライブ通して一番のフックというか見どころとも言える部分が元のSpotifyではそもそも収録されてなかったのだ、という衝撃の事実に気づく。いや、Spotifyのもそれはそれでユルイ気持ちで聞ける音源集という感じでよかったのだが、キラーチューンとも言えるカタルシス満載の山場である「あなたの主張」が最後に収録された完全版を聞き、最後のたった数曲でアルバム全体の印象を覆してしまう程そこへと終結してく感覚があり、ライブ音源ながら名盤すぎてびびった・・・。

そんなわけでkumagusuです、スカスカのポストパンクバンドのライブ音源聞いたらライブによる音の揺らぎとか空間的に広がってく音響によって単音が拡張されめちゃくちゃ気持ちよくなっていくような、全部上モノ、て感じなんですよねギターもボーカルも。浮遊感・・・とはまた違った、むしろ地に足が着いた状態でめちゃくちゃ酩酊していくような、でもその実正気は保っているようなハッとさせる瞬間もある。歌詞にも出てくる「深夜徘徊楽しい」が本当に象徴的だと思うし曲名にも「彷徨」てあるしkumagusuの音ってマジでそれなんですよね。この上モノ同士で構成されてるような曲の中サックスの音がしっくりハマる、ハマりすぎていて、サックス加入による新アレンジお披露目って感じのアルバムらしいですがむしろ「欠けていたパーツが戻ってきた」感がすごすぎて本当に感動してしまった。

最後の「精進」「あなたの主張」は本当に名演なので是非。精進はもうイントロのサックスのフレーズというかソロみたいのが導入としてかっこよすぎるんですがそことは別に後半のギターソロパートもまた素晴らしすぎて、歌の方は気持ちの良いフレーズを反復してくまったり聞けるタイプなのに演奏の方では熱いソロが最初と最後に入っていてすごくお得な気持ちになるというか、この温度感が最高。あなたの主張はこの曲群の中で速い曲はそれだけで映えるし後半のバチバチにやり合うインプロパートは圧巻、その上長尺なので最後にこれを置いてくるだけでアルバムとしての印象がサブスク版とは全く変わってしまうよね。で歌詞の方も「煙を吸う 煙を吐く」と繰り返されるのが非常に印象的で、上モノっぽい音で構成されたバンドサウンドにその歌詞はkumagusuを聞いて思い浮かぶ景色として余りにもマッチしてしまう。めちゃくちゃ中毒性ある作品だと思います。本当にハマった。

(上記のサブスクバージョンだと曲が少ないのでフル収録のbandcamp版貼っときます:処夏神経 | kumagusu)

 

Mess Esque - Mess Esque

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今年入ってたぶん一番ハマってるアルバムで、記事とかではないんですがツイッターで絶大な信頼を寄せているディガーの方が今作について言及していたのをきっかけに聴き、かなり衝撃を受けました。

てことでMess Esque、なんとDirty Threeのメンバーが参加というか中心人物で、まさにDirty Threeのアルビニ録音によるポストロック永遠の名盤「Ocean Songs」が現行インディーフォークと融合して超ベッドルームなフォークロック~スロウコア化したようなアルバムで、浮遊感増し増しでメロウネス全開のボーカルも最高。どことなくジャケット見てAdrianne Lenkerのソロ作も連想しますがあの辺ともバチバチに呼応しますね。で浮遊感あるとは言いましたがそれは絶妙にもたついたドラミングのピントが合わない酩酊感、ほろほろに煮崩れたギターの質感から全てが曖昧に鳴ってる感じがめちゃくちゃ心地よく、でも全部生音っぽさも強くてあくまで"そこ"で鳴ってる感じが広がりのある音をあえて密室で録ったかのような印象。ちゃんと地に足が着いたバンドサウンドというか、アメリカーナ側からも聴ける大名盤でしょう・・・。

これはもう本当にハマってしまいました。長尺な曲が多いんですがもう一生この音を鳴らし続けて欲しいと言いたくなるほど気持ち良いし歌ものとして聞いてもメロディーが極上、ほんのりサイケな空気やアンビエンスも漂わせつつじっくりじっくりと煮詰めていきます。しかもDrag City発ってことなんで完全にあの頃のポストロック黎明期と地続きな音、Rachel'sやIda、Tara Jane O'Neil辺りが好きな方も是非。

 

Chris Corsano & Bill Orcutt - Made Out of Sound

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すごかった。ファラ氏の年間ベスト記事に付属のプレイリストからで、垂れ流しにしてたんですがこのアルバム始まった瞬間イントロ一音のポストロック全開のギターの波に飲まれ言葉を失った。もう完全に惚れてしまっていて、曲としての体裁があるのかないのか曖昧な即興演奏7曲を集めた全30分のアルバム。

内容の割にサラっと聞けるんですが所謂ポストロックでいう静→動の静パート失くしてしまったかのような常にカタルシス全開の感情大放出パートが終わらず続いていくって感じで、轟音じゃないんですけどとにかくフリージャズ的な縦横無尽のドラムの上で、これまたひたすら艶やかでエモーショナルなギターフレーズをむちゃくちゃに重ねていく。このフリーインプロ感にStorm And Stressのような、いやStorm And Stressはもっと音数少なくむしろ空間の隙間を楽しむような無添加ポストロックという感じでしたが、こっちはもうひたすらに全部覆いつくしてしまおうと言わんばかりのアルバム。てことであの時期のイアン・ウィリアムズとか好きな人も是非。

 

田所あずさ - Waver

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声優のアルバムを聞いてるとそりゃもう製作陣とかいろんな提供者がいたりして、単曲で好きな曲がある中で苦手なタイプの曲が一緒に並んでたりすることも少なくはなく、アルバムとして周回するの前提に聞く自分はどうしても難しい顔になってしまう。なってしまうんですが、今作割とバラエティに富んでるのに全然そんな感じがしなかったし、気になって調べたら元々そういうの意識してたみたいで作詞家と綿密に構成を練ったり、直前に出したシングル群を一曲も収録させず全部新曲にしたりとか、初セルフプロデュースといことでかなり力入れてたっぽいです。

「ソールに花びら」ていう曲をツイッターで昨年のベストに入れてる方がいて完全にそれ聞いてやられてしまった感じで、歯切れの良いアコギのリフを反復させながらブレイクビーツを入れてくるっていうのにどことなく種田梨沙の「割れたリンゴ」を思い出しますね。今作この曲含め田所あずささんの歌唱力全振りというか、前アルバム聴いたらほとんどがハードでパンキッシュなロック路線が多くてバンドの音めちゃくちゃ強かったし、あそこでの天真爛漫なボーカルもそれはそれでいいんですが、今作全体的に隙間が多かったりエレクトロ路線とかもやってて本当に歌が映える印象を受けました。

ソールに花びらも縦横無尽に駆け回るボーカリゼーションが聞いてて惚れ惚れするし、アルバム収録されなかった直前のシングル群とかも聞いてたんですが丁度その、田所あずささんの歌の魅力を前面に押し出そうというスタイルに徐々に寄ってった感じがして、でその圧倒的歌唱力を生かしつつ、今度は歌詞に焦点を絞ってコンセプチュアルにアルバムを一から作るって言うのは自然な流れだなと。本人をもって「4thアルバムであり1stアルバム」というのもとてもぐっと来た。

 

Floatie - Voyage Out

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Exploding Sound Recoredsからで、全然新譜とか掘ってなかったけどここは好きなレーベルなので気づけば聞くって感じでやってて、でこれ普通に出てたけど追えてなかったです。前回のまとめにOvlovとかSpeedy Ortizとか入れてたし、ていうかPileも出しててそっちもちゃんとレーベルページから追ってたんですけど、完全にこっちは見落としてた。バンド名も知らなかったし気づかなかったかも。めちゃいいです。そもそもこのレーベルってだけで全部刺さってくるしこういう全部刺さってくる音源しか出さない現行レーベルが存在してる事実かなりありがたいなという気持ちになってきました。

でバンドの方、なんですがOvlovみたいに爆音でグイグイくる感じではなく、むしろレーベル創立時の名インディー作品たちを思い出すような軽く聞き流してるだけで笑顔になってくるグッドメロディ、ではありつつこのマスロック~エモもしくはポストロックっぽいフィーリングもちょっとあります。というかフレーズの妙というか、リズムの感じとか、ただエモとの間にはそこそこ高い壁があって、エモがマスロック化して広がってった後にエモ要素を抜いた感じ(?)でそうすると何が残るかってインディーロックにマスロックフィーリングが強烈に溶け込み、形が崩れてるって具合の気持ちよさがいいです。

 

Hovvdy - True Love

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Hovvdyは色んな人のベストで上位とかに入っててちゃんと聞かなかったことを後悔した作品。出たとき一周して良いな~となってはいて、でもそういう作品かなりあるんですが、サブスクがメインになってから無限に音楽を聴けるようになったのもあり繰り返し聞いてその作品をより好きになるかどうかって自分で選べてしまうし、で自分が選ばなかったものを選んだ人が聴き込み、見えた新しい景色みたいのを年間ベスト記事で覗くことができる。それを知った上で聞き返すと全然また印象が変わってくるので本当にありがたいなというのを実感しました。

でやっぱめっちゃいいです、こういうインディーフォーク系って結局のところ録音の好みと声やメロディーの好みとっていうそこがシンプルに琴線が触れれば全部OKってなっちゃうんで感想が難しいんですが、Hovvdyって最初聞いたとき18年作である「Cranberry」が出た頃でそのときは白黒のちょっと寂れたジャケットから想像つくような宅録フォークデュオって感じの、ちょっとベッドルームな質感で、歌メロもどこか素朴でどんどん内に内に向かっていくようなアルバムって印象でした。でそのエネルギーが外側に向かって解放されたかのような今作、余りにも多幸感に溢れたサウンドはアコースティックな質感はそのままエレクトロニクスを取り入れかなりカラフル、なんですがやっぱ人肌に寄り添ってくれるようなUSインディー強めの歌の人懐っこさや前作及び前々作から続くちょっと靄掛かったぼやけた音像そのままっていう、ストレートに胸にくるものがあります。

 

以上です。とくにkumagusuとMess Esqueはめちゃくちゃハマりました。


以下参考にさせてもらった年間ベストです。

2021年 TOP 10アルバム

主に引用させて頂いた記事です。先ほどのHovvdyのとこでも触れた、"聞き込めば好きになったであろう作品"を聞き込んだ方々の視点で聞けるってのがすごく楽しかったです。

 

今回選んだチョイスと比べると僕が追ってきたものとはほとんどジャンルが違うというか、実際ここに書かれている作品に対してアーティスト名すら聞いたことがないものが並んでいるのですが、だからこそ記事内の作品同士でもなんとなくリンクする雰囲気とかを文章から感じ取るものがあり、それらの作品を最後に種明かし的に一本線で繋げてくまとめ方に本当に感動しました。

 

今年読んだベストで一番ぐっときたかもしれない・・・。何故こういった文章を自分が書くのかという導入から良すぎるんですが、自分自身の感性というか音楽聴く際の癖と向き合ってく感じというか、音楽を通して自分を分析していくみたいな視点が読んでてめちゃくちゃ面白く、ぼんやりとした共通項を最後に言語化して結論みたいになってるのもすごいなとなりました。

なんかもうジャンルとかを超越した、音楽に対して完全に自分の聞き方というか物差しを持っている方の文章で、それこそ文脈とか理論とかで語るのとは全く違う感じで、自分もこういう風に聞けるようになりたいとすら思いました。

 

今回選んだsassya-とかはこちらから聞きました。現行の国内ハードコアシーンとかをガッツリ特集してるサイトであんまりまとめてくれてる場所ないシーンなのでめちゃくちゃ参考になります、SPOILMANもお馴染みだったりするし上位に食い込んだquiquiとかもすごかった。

 

すごかったです。いかにも特集記事という感じで音楽だけに問わず2021年そのものを振り返りそれを音楽そのものや聴き方へと結びつけていきます。見覚えあるアルバムや自分も聞いてた作品に関しても自分の音楽観とはまた全然違った視点というか切り口で書かれていてとにかく目から鱗でした。

 

こちらも面白かった・・・今回書いてはないんですが記事内で知ったEyehategodやRichard Dawson & Circle: Henkiと言ったメタル勢、あと毛玉ってバンドもよく聞いてました。全然通ってこなかったアーティストが多いんですが出自や関連作を旧譜も込みにして新譜に至るまで丁寧に解説されてて、その中で自分のよく知るシーンと繋がってきたりしてすごく入りやすかったです。

 

以上でした。最後に今回聞いたもの+前回のまとめから選出したとくに好きな10枚で作ったプレイリスト置いときます。ちゃんと年間ベストを作るならこんな感じかな・・・と思いながら選びました。

 

2021年まとめ

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今年は自分から新譜を掘ることをほとんどせず、話題作とかもあんまり触れてこなかったんで年間ベスト的なものを作れるほど聴いてないんですが、今年リリースされた音源でよく聞いてたものを上げてきます。


プレイリストです。垂れ流しにどうぞ。

 

SPOILMAN - Solid Green

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今年はもうこればっかり聞いててとくに順位付けとかはしてないですが再生数、一時期の熱中具合なら間違いなくトップです。ライブも行ったしね。

てことでSPOILMANの2nd、これもう現代のデヴィッド・ヨウじゃんと言いたくなるex.ロクトシチのカシマ氏によるフリーキーなボーカルとJesus Lizardをリスペクトした楽曲郡、アルビニ繋がりでShellacと言った90sポストハードコアも強烈に思い出します。参照元が本当に大好きなシーンで2021年にこれが聞けるのか・・・という感動がすごくてあの頃のTouch and Go Recordsやアルビニ録音好きなら間違いないアルバム。

前作はグランジとも比較されてたんですが、今作はより音をそぎ落としつつリズム隊は手数が増えてるので身軽になった感じがして尚且つキメも多様とバンドアンサンブルが本当に聴いてるだけで楽しい。Minutemenとかとも近くてMinutemen→Jesus Lizardと線を引いたら次に今作を出したくなる感じ。

 

SODA BOYZ - Farewell Spit

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SODA BOYZというニュージーランドのバンドでbandcampのslowcoreタグにあったとのことでフォロワーから勧めてもらったんですが、生音感強いグシャっとしたドラムと不協和音ギターをまくしたてる1曲目のイントロからかなり衝撃を受けました。インディーロックやエモのフィーリングも多分に含んでますがこの硬質な質感はやっぱりポストハードコアと言いたくなるし、ギターリフのいい感じの捩れ具合からJawbox~FaraquetといったDischord Recordsのエモ半歩手前のバンド達も思い出しつつあの辺よりもっと冷えてます。

中盤からはどんどんスロウコア化するのでエモバンドの静パートとか好きであそこだけ楽しみたいって人にはたまらないだろうし、隙間だらけの最小限なアンサンブルの中で所々轟音が炸裂するという、低体温のまま轟音を入れてくる感じもめちゃくちゃかっこいいですね。USインディー的でもある「Bad Friend」はジャッキジャキのDusterと言った感じ。あと実は2020年なんで全然新譜じゃないです。

 

Ovlov - Buds

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待ちに待った新作。Ovlovと言えばバケツひっくり返したような爆音ノイズを全身に浴びせてくるような印象ありますが、先行公開された数曲を聞いたときそこまでではなく、むしろ元々あった親しみやすいメロディーを生かしたユル目の曲でノイズはギミックの一つとして局所的に顔を出す感じで、次作はOvlovの本来もっていたUSインディー色強いメロディアスなアルバムになるのか~とか思ってたら再生して1曲目「Baby Shea」の開幕から蛇口ひねりっぱなしの爆音ノイズ垂れ流して疾走してくのに完全にやられました。相変わらずギターがかっけぇ~!というバンドです、まさにこれが聴きたかった。

 

NOUGAT - 40 MINUTE MEDITATION

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12月リリースされた新譜を「今年よく聞いたアルバム」に入れるのぶっちゃけどうなんだ?て思うんですがそうとは言ってられないくらいハマってしまってここ最近ずっと聞いてますね。SPOILMANと並んで20年代ポストハードコア名盤として語り継がれてく作品だと思います。

でNOUGAT、開幕NOTHINGからギターリフが循環してる感じやボーカル処理からもろPinbackのOffline P.K.感でいきなり最高なんですがPinbackよりもポストハードコア色が強くて、円を書くようなドラムのループ感は初期downy、リフが映えるDOUBTではlostage(小文字時代)とも重ねて聞いてしまう。轟音ではなくツインベースを生かしたリフとリフの絡み合いの妙でカタルシスを演出するってのもかなりかっこいいです。

ハードコアバンドがスロウコアに転向したときに出る不穏な冷たさが大好きなんですが、もろにそれが滲み出た最終曲「I Feel So Sad」はuri gagarnの暗黒ポストコアを継承してる感じがたまらないし、僕は今でもUnwoundの影を追い続けてしまうみたいなとこあるのでクソ刺さりました。

 

Various Artist - Through the Soil

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3枚組み67曲という長大ボリュームのコンピレーションですが、$1~でbandcampで買える超お得コンピでたまたま見つけて買いました。で登録タグ見てみると「bedroom pop」「indie folk」「slowcore」とありまさしくそんな感じ、Hovvdyとか入ってる通りインディーフォークの色が強くまったり適当に流してられる感じですが例外も多く、とくにWeatherdayやSprit Of Beehiveと言った昨今話題のインディーバンドもいたりしてこの辺のバンドの新曲も楽しめます(というかWeatherday目当てで買いました)。Spotifyにない曲も多数。

kitchen - Julie

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そしてこちら上記のコンピに入っていたkitchenというバンドのJulie、Spotifyでのシングルとしてリリースされててこれがベスト級、この名曲に会えただけでも大当たりのコンピだったとすら思います。とにかくメロディーが良すぎて、ギター1本のめっちゃ良い弾き語りで全ての解説が終わってしまうくらいな素朴なインディーフォーク~ちょっとスロウコアな質感もある名曲。ただシンプルな弾き語りで終わらず、途中からシカゴ音響派も思い出すようなポストロックと接続したくなるプロダクションが展開され完全に想像の外から飛んできた感じです。一度静寂に潜ってから最後の最後でバンドサウンドへ帰結してくところはエモすぎる。土臭すぎないCalifoneって色もあって再生後即アルバムへ。

kitchen - Halloween in August

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でアルバム、これも新譜ではなく2020年作ですが良すぎて死ぬほど聴いててまず第一に素晴らしすぎる歌声とメロディーってのは勿論、素朴な弾き語りから色んな仕掛けが飛び出てくるってのはもうこのバンドの基本で曲展開がすごくドラマティックなんですよね。Modern Ringtoneというかなりポストロック色強い曲ですが個人的にベストトラック、あとTwo Hundred Thousandもこっから急にギターが爆音になるの全く想像もつかない・・・。

 

littlegirlhiace - Ferewell Nursecall

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昨年2枚アルバムをリリースしたと思ったら今年も出すというリリーススピードに驚愕。で前作とは大分印象違ってとにかく録音が荒れすぎててこれが凄まじく、もう音割れと同化したボロボロのドラムが手数多く突っ走ってくチルハナのイントロが余りにも破壊的で(SAPPUKEI録音のSASU-YOUみたいな)、同じく割れまくったlilyでのギター音とか、破滅的な歌詞も相まってこの自傷サウンドがノイズとは違った方向で気持ちのいいアルバム。

個人的に好きなのがdemon girl next door、今までも「エリカ」「アカネ」といったアニメキャラモチーフの曲は多々ありましたが今回はちょっと一歩引いた立場からモチーフ元を、原作ネタを織り込みつつ違った視点から歌っていて、サビ前の「まちかどで危機管理」で元ネタ開示というのがもう完璧だなと思いました。大好きな曲です。

前作聞いたとき割と短編小説集みたいなアルバムで曲ごとに世界観があるというか、バラエティに富んでてカラフルな印象だったので完全に反動でできたアルバムみたいです。ジャケのキリングジョークも秀逸。

 

宇宙ネコ子 - Hino Ataru Basyo Ni Kiteyo

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宇宙ネコ子と言えば今年発売したシューゲイザーディスクガイドで対談してたイメージが強いんですが、アルバムの方はシューゲってよりはその前夜感・・・The Cureのdisingrationとかあの辺りの、まだギターポップの延長みたいな頃の空気が濃縮された感じです。そしてディスクガイド内にも話題になってたネットレーベル産の地続き感がかなりある宅録感ある音で鳴ってて本当に部屋で聴いてる感じというか、親しみやすさと仄かなノスタルジーに溢れててめちゃくちゃ良かったです。

 

HIJOSEN - 発露

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あとはHIJOSEN、シューゲイズ~ドリームポップ関連の多数のバンドメンバーが在籍してますがHIJOSEN自体はシューゲと距離あると思っていて、むしろ60sサイケやクラウトロックとも通じる乾き切ったサイケデリアとドリームポップ以降の浮遊感が合流してくるようなゆったりとした酩酊感+和的なメロディでかなり独特な気持ちよさがあります。そんな中でも「少年」のような爆走ノイズポップが仕込まれているところも良い。

 

CAN - Live In Stuttgart 1975

CAN - Live in Brighton 1975

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あとはCANのライブ音源、サブスク解禁に合わせて今年だけで2枚出てて最近よく聞いてました。Future Days~Soon Over Babalumあたりのダモ鈴木脱退後の編成で浮遊感あるジャムセッションでまとめ上げた全部新曲(というか未公開曲?)、なんですが即興的というか、新曲とは言いつつ聞き覚えのあるフレーズが登場するシーンもあるし既存曲とインプロのおいしい使いまわしの塩梅がよすぎて、これ毎回ライブ通うの楽しかっただろうなぁと思えるめちゃくちゃいいアルバム。あと音良すぎ。

 

そして上半期から。一応ここで

一回やってるんですが、こん中でこの後も聞き続けたものとか印象的だったもの・・・やっぱCloud Nothingsかなぁと。あとShameもよかった。

 

Cloud Nothings - The Shadow I Remember

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これ書くのを機に久しぶりに聞き返したら良すぎる・・・結構ラウドな印象だったんですが思ったよりギターの音とかスカスカでバンドの素材そのままを録音した感じで、聴いてるだけでちょっと前にツイッターでバズってた街中で初期Cloud Nothingsが衝動たっぷりに演奏しているライブ映像が脳内で再生される感じというか、これをアルビニ録音で録るってのが徹底して「今のバンドの生の姿」を残しておきたかったんだろうなぁとか思っちゃいます。たぶん前作がコロナ禍による宅録がメインだったことの反動だと思うんですが、SuperchunkのNo Pocky for Kittyとか好きな人なら絶対間違いないですね。

Cloud Nothingsアルビニ録音と言うとどうしても名盤Attack On Memoryがチラつきますが、あのグランジ~ポストハードコアのような硬質で殺伐とした音像を求めるとかなりスカスカで物足りなく思われても仕方ない気がするけど、むしろちょっと毛色違うアルビニ録音のアメリカーナやスロウコアにありがちな、音数少ない演奏をあえて部屋まるごと録ったよう音でリアリズムを追求するイメージで聞くとすごくしっくりくる気がします。今年そういうのをよく聞いたのもあってリリース時とはまるで印象が違ったかも。

あと名曲「Nara」はたぶん前回来日時にLOSTAGEと対バンしたのをきっかけにメンバーが奈良まで遊びに行ったエピソードが元だと思うんですが超グッドメロディで泣けます。あんま奈良が曲になってるの聴いたことないけどそりゃ鹿とかいたらインパクト大きいだろうなとも思いました。

 

Shame - Drunk Tank Pink

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でShame、サウスロンドンはblack midiとかBlack Country, New Road(以下BCNR)がツイッター見てると人気な印象で結構もうポストパンクってよりかなりエクスペリメンタルな方に行ってる気がしますが、個人的にShameが一番パンキッシュでよく聞いてました。敷き詰められたリズム隊+キレキレな高速ギターリフってのが割とポストパンクの影響が濃いポストハードコアみたいな感覚で聞けるというか、Interpol+Die!Die!Die!みたいな印象で後に出たライブ盤も良かった。とくにBorn in Lutonは何度聞いたかわからんってくらいハマってました。

 

deathcrash - People thought my windows were stars

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でサウスロンドン周辺のバンドらしく後ほど知ったdeathcrash、ぶっちゃけ言われなきゃサウスロンドンだって気付かないだろってくらい完全にスロウコアやっててびっくりしました。

これ聞くとなるほどBCNRのSlint化はシーン内でリンクしてたのかとなったし、1曲目イントロのSEからもろMogwaiのCome On Die YoungでArab Strapも想起しつつあの辺のグラスゴーのスロウコア~ポストロックの流れも思い出すし、ボーカルはもろCodeine系列。BCNRは一部メンバーがハードコア出身らしくハードコア→スロウコアの変遷はよくあるので自然な流れかもなんですが、割と「ポストパンク」と括られがちなシーンなので全く想像もつかなかった。

 

既踏峰 - 既踏峰

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19年作である1stと今年リリースされた2ndの宅録2枚から厳選された9曲を新たにスタジオで再録した作品。集大成ですね、1stはローファイであることを生かしたドリーミーな作風でスピッツ最初期とかミツメっぽい雰囲気だったのが2ndではスッキリした音で単音ツインギターの掛け合いを前面に出してて、今作は割と2nd寄りかな。でもソロでの宅録ではなくバンド形態+スタジオ録音により音の輪郭がハッキリしたためリズム隊がかなり生き生きしてて、アレンジそんな変わってないのに曲の印象がガラリと変わってます。「夜」とかとくにわかりやすいかと。

ギターの音もネオアコを思い出しつつフレーズはあんまネオアコからは出てこなそうなくねっとした変則的なものが多く、これとリズム隊の絡みを聞いてるだけで楽しいんですが、心地いいループを繰り返す中で終盤はドラマティックに展開してくというエモーショナルなアウトロにキュンとしてしまう作品。Orange Juiceの「Falling And Laughing」を聴いたときのどんどん飛び出てくる新しい展開にドキドキしたときの気持ちを思い出します。

実は今年リリースではなく来年1月1日リリース予定、で今なんとbandcampでは12月時点で先行公開してるのでもう聞けます。2021年のベスト(?)に入れていいかどうか微妙な立ち位置なんですが曲自体は知ってるものばかりだし、こっちも12月中ずっと聞いてました。元になった2nd「夢を見る方法」は上半期まとめで入れてます。

 


あとアルバムってよりEPをいくつか。

butohes - Lost in Watercycle

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これも上半期で書いたやつですが、めちゃ聞いてました。最初とまた印象変わってきて「Aquarium」「zero gravity」辺りのエレクトロ路線がこのバンドの真価な気がしてきたし、むしろ元々アンビエント~エレクトロ畑のアーティストがロックバンド形態でやってるっていうような聞き方が結構しっくりくるかも。T.O.Lでの浮遊感とかも割とそんな感じで。

 

Hey, ily! - P.S.S.U.S.S.P

Hey, ily! - Internet Breath

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どこで見つけたか覚えてませんがこれもすごくよくてジャケから想像のつくようなかわいらしいチップチューン的なデジタル要素+エモって感じです。ちょっと前に公開されたこの記事

5th wave emoにおけるおたくカルチャーからの引用punkvideoclub.wordpress.com

でのエモリバ第五世代が実はオタクカルチャーと親和性があるって内容ともちょっとエモの中でもメロディックな辺りも含めリンクする気がしますね。この記事自体もめちゃくちゃ面白かったです。

 

Skullcrusher - Storm in Summer

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ツイッターから拾ってそのままドハマりしたSSWでインディーフォーク系ですが、上記のkitchenとも通じるポストロックとも接続できるようなスケール感広げてく感じというか、アコースティックサウンドのままエクスペリメンタルに寄ってくのが個人的に結構ハマりました。別作でレディヘのカバーとかもしてるのも繋がってくる気がします。

 

Piu mosso - Failed Still Images

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怪作。ちょっとインダストリアルみもあるビートの中で即興演奏的にギターノイズが走ってく開幕の「deskwork」からかなり劇的で、Slintの1stと2ndを繋ぐシングルであるGlennがMatmosと合体してIDM化したかのような暗黒世界が展開してくんですがこれがかなりヤバイです。Confiled前夜のAutechreとか好きな人もきっと楽しく聴けるはず。

 

 

こっから再発関連です。

Speedy Ortiz - The Death of Speedy Ortiz & Cop Kicker .​.​.​Forever

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10年代最高のアルバムはCloud NothingsのAttack On MemoryとSpeedy OrtizのMajor Arcanaっしょと即答してしまいたくなるほど好きなバンドですが、今回そんなSpeedy Ortizの初期作品やEPをまとめた音源集が11月にリリースされました。2nd以降はCloud Nothingsと同レーベルであるCarparkから出てるし、最初にリリースされたEPは上記のOvlovと同じExploding In Soundからなのでこの辺のインディーロックやオルタナ周辺とかなり近い感覚で聞けます。

90sっぽいUSインディーなイメージ強いし初期作ってことでPavementのWestingのような半壊したローファイの真髄みたいな感じになるのかなぁとか想像して聴いたんですが、2曲目に入ってる「Cutco」が良すぎて完全にぶっ飛ばされました。元々ノイジーなバンドですが、ギター音そのものの歪みとは別レイヤーでローファイな録音によるふわっとしたノイズが重なってるんでかなり分厚く、でそれを無視しつつ一番前に置かれているボーカルが余りにもキャッチーでメロウな歌ものとして極上。オルタナとかインディーとか言う前にSpeedy Oritzはまず彼女のソングライターとしてのメロディーセンスが一番中心にあるんだなぁと思い知らされます。あとこの手の音源にありがちなデモっぽいガシャガシャとしたリズム隊のぶっきらぼうな音も最高。

この後リリースされる名盤Major ArcanaにあったL7とかと比較されてたグランジ要素はあんま見られず、Pavementをよりノイジーにした感じというか、それこそHeliumとかめっちゃ思い出しますね。

 

Sofa - Source Crossfire

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再生して1曲目のイントロから高速ポストハードコアで疾走してくのかなりインパクトあり、BastroやCrainと言ったマスロック先祖とも言えるバキバキのリフもの好きな方はその路線のままマスロックとは違う方向に逸れていったバンドとしておすすめです。Clikatat Ikatowiと言ったカオティックなサンディエゴ勢と通じるところもあるし、B面からは急に静寂に寄りスローペースの曲がズラっと並んでくのもやはりハードコアを経由したバンドはスロウコアへ向かってくのだなという片鱗も1枚の中で見せてきます。

今年リリースですが実体は90年代に活動したバンドらしく、おそらく絶版で入手自体が難しくなってた音源をまとめて今リリースできたというものでこんなに素晴らしいのに埋もれてしまうのそりゃ勿体無いし、これはもうマジでありがたいですね。上記のSPOILMANとか行けた方はその親戚という感覚で聞けると思います。

 

bIG*fLAME - Rigour

bIG*fLAME - Touch!

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これも長らく絶版だったものが今年になってようやく再発、80年代に活動したバンドでギターポップのコンピとかで何度か見たことあるポストパンクことbig flame。超高速でファンク要素抜いてパンキッシュに疾走してくGang Of Forという感じでナンバーガールまで連想してしまうし、カラッカラに乾いたギターを高速で搔きむしって勢いで押し切ってしまうようなぶっ壊れた感覚はポストパンクの醍醐味が詰まってます。

曲も短いし少ないしアルバムも出さないまま解散してしまったようですが4枚のシングルと1枚のコンピレーションとして今年再発し全部最高。突っ走り具合が凄まじい「Rigour」「Tough!」のシングルがとくに好きです。

 


月ノ美兎 - 月の兎はヴァーチュアルの夢をみる

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番外編的に月ノ美兎、長らくVtuberは見てなかったんですが参加アーティストも豪華だしで話題になってたので聞いたら、コロナ禍前にゲーム実況をいつも楽しみに見ていた時期が自分にもあったのだということを色々と思い出してしまうしそういった配信ネタも曲内に盛り込まれてたり、なんか余計な感情が邪魔して他の音源と並べて聞けないんで年間ベスト的なポジとはちょっと違うアルバムになってしまいますね。アニソンとかでもありがちだけど。

でアルバム、NARASAKIや長谷川白紙参加ということで聞いたらリードトラックの「ウラノミト」がいい曲すぎて泣いたし、長谷川白紙の「光る地図」での本人意識したであろう発音やいとうせいこうの「NOWを」でのまるで本人が憑依したかのような作者へのリスペクトで溢れた歌い方にかなりぐっときてしまった。というかチョイスがまず素晴らしいのは勿論ただ豪華な面子ってだけじゃなく、彼女が普段の配信で度々リスペクトを語ってる憧れのアーティスト陣が集結していて(結構世代わかるのも面白いです)、キャラソンとして見ても、そういうVtuber文脈を無視した音楽ファンとして見ても完璧でした。歌詞カード見てるとお互いがすり寄った結果できあがった名盤というのがよくわかってきます。

 


旧譜

ぶっちゃけ聞く音楽の9割は旧譜だししかも今年はスロウコアばかり聞いていたんですがそのスロウコアもブログ内でどんどん放出してったので、それ以外でよく聞いてたというか印象に残った三枚を。

 

Nirvana - In Utero

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今更?て感じだし実際昔めちゃくちゃ聞いたんですがそのときまずスティーヴ・アルビニってよくわかってなかった(それどころかPixiesと並んでたぶん聞き始めがこれでした)し、逆に今もうアルビニ録音をかなり聞いてきた状態で聞くとデイヴ・グロールの本当にキック一音が密室の部屋中を伝わって全身から体の芯に入ってくる感じとか、ポストハードコアとも通じそうなドライなノイズギターとアルビニの相性の良さに感動。知名度や影響力の先入観取っ払って新譜として聞いても間違いなくベストにしてただろうなというくらいしっくりきて、アルビニ録音での名ドラムと言えば個人的にはDon CaballeroやBelliniでのデーモンが浮かびますがそこと並ぶくらいデイヴ・グロールにも衝撃を受けました。

あとグランジともかなり距離あるなと思ってて「Scentless Apprentice」「Milk It」とかはもう硬質なポストハードコアって感じでそこもフィットしてきたし、むしろ昔好きだったはずのシングルカットされた楽曲に違和感を感じてしまう自体に。「Heart-Shaped Box」とかとくに・・・と思っていたらどうやら一部アルビニ録音じゃないっぽくて、今年買ったリマスター盤にアルビニによる新ミックスが入っててこれが素晴らしかったです。

 

GREAT3 - Without Onion

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スロウコアを辿ってく内にSlint~Bastroと言ったルイビル→シカゴへの流れでジャズと合流しTortoiseとかに通じてくって流れがあるんですが、その辺の音響派や周辺シーンを辿ってく内にふとSea And Cake聞いててGREAT3のマッケンタイアワークスとかなり近い気がする、とよぎって聞き返したらどの時期もヤバくてぶっ飛びました。

元々1st~3rd辺りでは前身バンド的にも渋谷系とかと通じるし、2nd以降はStone Rosesオマージュ曲とかVerve感じる曲があったり、そことは別の80年代のAORにソウル~ファンクと言ったUKもUSもごちゃまぜポップス、という印象だったんですが、聞き返したところそんな単純な言葉で言い表せないくらいカオス極まってる・・・。それが帰結したのが4thのWithout Onionで80年代のメロウさと90年代のささくれ立ったザラつきが完全に同居してる吹っ切れ感と電化マイルス的な長尺のインストまでやってのける乱雑さ、今までで一番ノイズ要素も強くエクスペリメンタルなのに超ポップだしこれがART-SCHOOLと言った後のオルタナ勢のルーツとして大きく存在している事実と、この後にシカゴに渡ってマッケンタイアと組んで洗練された音響派へと渡っていくそのキャリアの凄まじさを改めて辿りながら完全にハマリました。

シカゴ三部作も全部色が違う上に簡単に音響派とかSea And Cakeとか言い表せないくらいやっぱりどこか歪なんですが、洗練されすぎてるあちらと比べ、その前夜であるWithout Onionのどこかちょっと不安定なとこも含めて今聞くとかなりカオスというか唯一無二、これに完全にやられてしまい一枚選ぶんならこれかなぁと。

 

アイカツ!楽曲各種

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田中秀和伝説の幕開けということで元からアニメファン以外にも音楽ファンには結構人気のあるコンテンツだと思いますが、今更になって全音源買い漁る勢いでハマってしまったしなんなら数年前に挫折したアニメ本編178話を完走してしまうくらいにはハマってました。で渋谷系オマージュっぽい曲が結構好きでその元ネタをちょっと検索するとファンによる余りにも膨大な資料が出てきて、その濃密っぷりに驚愕しなんならそっからJ-POP史や80sのファンクやディスコ方面についてもついでに掘れるという。そういうの含めてのめり込んでましたね。

個人的にNARASAKIワークスがめちゃくちゃ素晴らしくてそこを入り口として色々聞いてたんですが、他にも実験的な曲も多数ありかなり楽しめました。

 

終わりです。来年はアイカツスターズ!を見ます。


関連

 

OGRE YOU ASSHOLE LIVE 2021 恵比寿 LIQUIDROOM

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行ってきました。行くたびにアレンジや曲構成変わるんでちょっとした記録みたいな感じ。

開場して早速「なくした」「フェンスのある家」から始まりいきなりAfrican Head Charge始まったかと思うようなドロドロの暗黒ダブ仕様に変貌していて、朝のシングルに入ってた悪魔の沼remixを思い出し、どっちもオウガの中では結構ファンク寄りというか、ミニマルな曲が多い中ライブ映えするナンバーをここまでスカスカにしちゃうんだというのに結構驚きました。でこの感じで始まりつつセトリ内に元々オウガのダブと言えば有名な「素敵な予感」もしっかりやるという激ヘヴィ仕様。

なんかハンドルを離す前にの曲が多かった印象があって、丁度僕がライブに通うようになった2018年以降はあんまりハンドルを~からの曲やってなかった印象。であのアルバム自体がオウガのディスコグラフィの中でもかなりミニマル寄りで、だからこそライブでの音響でメロウに振り切って大化けするなぁというのを実感しますね。こんなエモーショナルだっけ?みたいな。でそれがよくわかるのがworkshop2ですが、あそこに入ってる「あの気分でもう一度(CR-5000ver.)」で繰り返される電子音のシーケンスに近いものが「他人の夢」の新アレンジに導入されてて、動物的/人間的の壮大なアウトロがずっと続いてるような浮遊感がめちゃくちゃ気持ち良いんですが、このメロウさとは真逆の馬渕さんの激歪みギターが対照的で本当にかっこよすぎでした。というかこの曲、前回見たライブで1曲目で感動したやつで、半年空くと大分内容忘れてた分更に感動が大きくこれは定番化して欲しい・・・。

他人の夢を集大成として前半のスペーシーなパートを終わらせ「朝」「見えないルール」といつもの終盤に入ってくのいいですね。で朝、等間隔のループの中でフレーズが入れ替わりながら組み上がってくの、ライブだと全パートがリバーブ掛かってるので頭の中で残るフレーズがその都度ランダムで、曖昧にパート同士が絡み合うの何度見ても違う印象になり、これはアレンジが実際に変わっているのか同じでも自分のキャッチの仕方がその都度違うのかってのがわからない。でもそれが魅力でもあるという。単純に見えて全然単純じゃない楽しみ方ができる曲。

で今回ロープもフラッグもなくて時間的に二部構成でガッツリ取れなくて(あの2曲やるだけで30分近く経過してしまいますからね)、結構やりたいことに寄せたのかなと思いつつ、でももう朝~見えないルールだけでフロアを暖めることは余裕とも言えるようなセトリ。というかむしろ前半のゆったり目なメロウな曲郡をこんだけ並べてくるのは前回半年前にも見てきた渋谷O-EASTを思い出す感じで、今結構そのモードなのかなという気もします。

前回セトリ

5月、うろ覚えですがあのときも日記に書いたりツイートしていたのを辿りながら見るとやっぱり序盤やった「ハンドルを離す前に」がダブ仕様でめちゃくちゃ気持ちよかったという旨を書いていて、あのアルバムの音数の少なさをダブ的音響でリズムの隙間を埋めてくってのが今回のライブともやっぱり繋がってる気がします。ですごくメロウだった印象があるんですが、たぶんそれは朝→フラッグ→見えないルールとフロアをぶち上げるアンセムやったあと大体終わるのに、その後にアンコールを挟まないまま「記憶に残らない」「夜の船」というゆったりとしたAORっぽい歌ものやってて、それが結構ライブ全体の印象をぐっと変えてたんだなぁと。結構な数見に行ってるけどこういう構成自分は初めてですね。他にもworkshop3版新しい人でのイントロみたいなノイズが流れたと思ったらずっとノイズ垂れ流したままユーレイをやるっていう新アレンジあったり、アンコールのロープが横の狭いミニステージでアンプラグドで始まり(ちょっとフラッグAlternative ver.のPV感あった)一人ずつメインステージに動いていつものロープになるってのをやって、アンプラグドでミニマルになった分Neu!のHallogalloみたいになってたこととかを覚えてます。

一時期・・・2018年頃からオウガのライブって数を重ねる毎に過激になっていって、見えないルールが見るたびに更に早く更に長くなっていったり、フラッグも追加の踊れるパートやノイズギターのパートが挿入されたりとか、でそんな中で2019年に披露された新曲が今ダンスナンバーとして重要な核になってる「朝」だったり、それらがコロナにより休止をよぎなくされたのもあって一度リセットされたのかなぁと思います。反動というか。前回のライブでそれを結構実感しつつ、今回も最後に夜の船やってるの象徴的かな、と思いつつ個人的にベストナンバーはやっぱり「他人の夢」ですかね。また行きたい。


 

Zum Audioについて

Zumというレーベルから出てるコンピレーションについて書きます。内容が素晴らしいことは勿論ですが面子の豪華さに反して日本語で語られてる記事がほぼ無いので記録みたいな感じです。


 

Zum Audio Vol. 2

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最初に知ったのはこちらのvol.2で、USインディーやまだバンドサウンドの色が強かったポストロック前夜、それこそ98年のコンピなのでこの辺のシーンが好きだった人には絶対間違いないアルバム。最初に見つけたきっかけはDianogahというバンドの音源についてSpotifyを使って掘ってたときなんですが、この部分

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ここで結構収録されてるコンピやプレイリストを適当に掘るの割とやってて、いい感じのないかなーと漁っていたところ見つけたアルバムでした。

で内容を見てみるとModest MouseGrandaddyと言った有名どころにちょっとスロウコア寄りのDusterなどUSインディーシーンお馴染みの面子、シカゴ~ルイビル近辺シーンのAeriel Mや、マスロックにも通じるAtivin、スロウコア~オルタナカントリー大御所のSongs:Ohia、そしてJune of 44やHiMのメンバーも参加したRexなど・・・もうとにかく見覚えのある面子が多く曲目見てるだけでとにかくテンション上がりました。

でこの面子なら他のメンバーもよくないわけないよな・・・となり他ほとんど初見でしたが適当に聴いたところ、早速序盤で出てくるP.E.EとかStarling Silverとか割とエモ寄り、Ja-KarteってバンドがModest Mouseがギリギリのとこでエモの境界を越えたって感じの音を鳴らしてたり、Windsor For The Derbyはこん中ではかなりポストハードコア寄りですがサブスクでアルバム掘ってみると意外とポストロック寄りだったり、USインディーからエモ~ポストロックシーンに向かい始めた頃って感じのバンドが多くどれもめちゃ良いですね。

 

Zum Audio Vol. 1

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で個人的にめちゃくちゃ刺さってきたのがこのvol.1で、実はvol.2を見つけたときそのままZumについて深掘りすることはなくコンピレーション一作で完結していたのですが、こちらまた完全に同じルートでJune of 44

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の関連作として出てたのを発見。

この時点では兄弟作だと気づかず、純粋にJune of 44のライブ音源として聴いて想像以上にハードでこれがかなりヤバイです。ジャケもBastroみたいだし他の曲も気になって見たところ、面子は先ほどのvol.2と比べほとんどのバンドが初見で、知ってたのJune of 44とSweep the Leg Johnnyくらいだし両者ともこのブログでも何度も取り上げてるくらいフェイバリットなんでそりゃもう絶対間違いないじゃんとなり聴きました。

そしたらもう開幕のRetrieverの「Evil K」のイントロからいきなり不協和音ジャンクギターエモとも言える轟音をかき鳴らしててこの時点でもうめちゃくちゃ最高だし、2番手のThe Great Brainに関しても気狂いギターとも言いたくなるマスロックともまた違った高速ギタープレイにとにかくぶっ飛ばされ、続くTransitionalやDanger G20も「絶妙にエモにまでは行かない感じ」のまさしく90年台末期感、vol.2と比べかなりポストハードコア色の強いエモ前夜を地で行く音をやっててこれがとにかく最高でした。

個人的に気に入ったのがColeというバンドの「Recidivism」という曲で1st時のJune of 44がスローペースのままエモをやったかのような曲になってて(後半の展開の仕方もろですね)、あとやっぱ開幕1曲目のRetrieverですかね。

あとはLullaby For The Working Classとかもこの中ではアメリカーナのフィーリング強めでサブスクに音源がありとにかくこれもよかった。Strictly Ballroomはスロウペースなエモ好きな方は是非。Lustre Kingはキメを多用する超ヘヴィなマスロック元祖って感じでOxesとかにも繋がりそうです。とにかくvol.1はほとんど全てが初見で、アングラシーンというか本当にローカルなシーンを記録したって色もあるんじゃないかなぁとか想像しながらもうこれは宝の山だなと思って掘ってました。

 

でそんなZum Audio、参加アーティストについてより奥が気になってきてdiscogsやbandcampで漁っていたら、まずこのvol.1とvol.2が続きもので同じとこから出てるということに後から気付きめちゃくちゃ感動。こんだけ内容がいいとじゃあ誰がやっているどういうレーベルなの?と作ってる側が当然気になってきて、ただ日本語でこのアルバムについて触れてるサイト僕はほぼ見つけられず、海外記事とかを参照にするしかないかな~と思ったらこちらのサイト

ありました。どうやらZINEの付録として作ったものだったようでvol.1のアンダーグラウンド感にも納得したし、というか好きなバンドやシーンを紹介するZINEを作りつつ実際にシーンを体験するための作品だったみたいです。

そりゃもう今だったらネット上で簡単にyoutubeSpotifyのリンクを貼ったり、プレイリストを作って公開したりってのができるわけですが、当事無かったからこそそれを自力でやったんだなぁというのがすごく良いですよね。しかもレーベル創設者はXiu Xiuの創立メンバーという地味に驚きの情報も。Xiu Xiuと言えばポストパンクやインダストリアルなイメージがあったんでちょっとこのメンツからは意外でした。

 

 

以上です。本当に超素晴らしいコンピレーションでどっから再生しても最高なのでぜひとも。bandcampに音源もあるし今回触れてないけど3と4もありますね。めちゃくちゃ気に入ったバンドがいてもマイナーなものが多く盤が手に入りにくいというのが難点か。


関連サイト

Hello, George Chen of Word Origami, Sup Doc, Zum, KIT, and the LA Public Library – By Martin Wong

先程のサイトとセットでツイッターの知人に教えてもらったサイトですが(本当にありがとうございます)、レーベル主催となったChen兄弟の現在について書かれてます。

 

Zum Audio Vol. 1 (1997, No Jacket, CD) - Discogs

Zum Audio Vol. 2 (1998, CD) - Discogs

discogsです。参加バンド辿りやすいので置いときます。