1stアルバムで新譜に合わせてフィジカル購入、昨年の作品ですが聞き返しリバイバル的に大熱狂してます。メディアにてNirvanaが引き合いに出されるのも納得の静と動の対比というかラウド&クワイエットな轟音ジャンクギターでカタルシスを得る1曲目「Amaryllis」からJesus Lizardのデヴィッド・ヨウを思い起こすフリーキーなシャウトの連発がかなり中毒性あり、奇怪なMVも不気味で最高。15曲45分というアルバムで短い曲も多くパンキッシュなジャンクロック~ポストハードコアの連続ですが表題曲でもある11曲目「BODY」ではSlintとかRodanとかのルイヴィル周辺を思い出すような不穏な曲になっていて、この静寂からまた爆発するかのようにカオティックな4曲へとなだれ込みますが凄まじいです。極端な静と動の行き来をする「Pail and Ladder」や、「Rampage」でのノイズ垂れ流しパートはかなり熱いし、ラスト2曲の「Woodcutter」「Utonagan」に関してはもう圧巻、ゴリゴリに不穏なベースとドラムがえげつないくらい鋭利にリズムを刻みながらジャンクギターがこれでもかと炸裂しまくるポストハードコアメドレー。
そして2nd、前作のジャンクギターとシャウトでカタルシスを得るって感じと比べるとパキっとした敷き詰められたビート感で気持ちよくなるアルバムな感じもします。インタビューでもギターを重ねるのやめたって言ってたんですが確かにあんまギター前に出てる感じではないというか、リードトラックにもなった開幕の「Flock Of Seagulls」もリズムが先行していてキメがおそろしくかっこいいし手数の多いドラムとそこにザクザク切り込み鋭利なベース音聞いてるだけでも楽しいです。Jesus Lizardを参考にしたとも言ってて確かにMonkey Trickっぽい曲とかPop Songっぽい曲とかもあるんですが、個人的にMinutemenをめっちゃ思い出す感じでMinutemen→Jesus Lizardって線を引いたらその次に浮かんでくるバンドがSPOILMANでしょう、今作はそういう系譜な感じ・・・と言いつつ、最後のNothing Man~Solid Greenの2曲がハードコア出自のバンドが音もスピードも削ぎ落としてスロウコアだったり、それに近い不穏な路線いくやつをやっててここマジでフェチなので飛び上がりました。1stで静寂パートを担当してたBODYとかを拡張したような印象で、最小限の音を紡いでずっと緊張感を持続させて・・・みたいな、最終曲のSolid Greenとか後半大爆発してShellac化してシャウトかますってのがもう好みすぎて泣いた・・・。
ユニオンの見出しにて「スティーヴ・アルビニが好きな人は全員聞いてください」というコメントがフロントマンのカシマ氏によって書かれていたわけですが、まさしくぶっ刺さってきたという感じでアルビニ録音ってよりアルビニ本人がやってたバンドやその周辺シーンをかなり思い出し、それこそRapemanやそっから分離したShellac~Jesus Lizard、あとちょいちょいSlintの名前出してましたがそういうシカゴ~ルイビル、あとNirvana初期とかMudhoneyとかパンク寄りのグランジ等あの辺のUSアンダーグラウンド好きな人なら間違いないです。こんなTouch and GoとかAmphetamin Reptileとか僕の大好きな時代の大好きなレーベルを想起するような音を2021年聞けるとは思いもしなくて、ここまでやられると完全に屈服するしかない・・・。本当にピンポイントに一番刺さるとこやられた感じで本人達も好きな音楽を詰め込んだけどきっとこういうの聞きたいって人はいるはずと1st時に言ってましたが、まさしく完全にその通りに・・・。
うちの会社にちょくちょく出入りする営業さんにそこそこ音楽の話できる方いて、前に流れているスピッツの曲の話題でちょっと盛り上がり僕自身、というか向こうも大ファンってわけじゃないんですが、なんとなくどんなアルバムがあるか一通りわかってて話せるくらいには聞いてる方で。で職場で丁度butohes流してたんですがたまたま聞いて反応が大きかったのでちょっと踏み込んで聞いてみたら元々その方sora tob sakanaの大ファンらしい。で解散してしまったロスがすごくてそれ以降色々掘ってても全然次にハマれそうなバンドがいない、と悲しみを背負ったところでbutohesはsakana解散以降に聞いたアーティストで一番しっくり来たとのことです。People In The Boxを激推ししといたけどまだハマれてなかったとのことでリリース多いので簡単に解説はしました。
元々People In The Boxのファンなのでバンドで仲良かったの知ってるし(PeopleのライブDVDでハイスイノナサのメンバーが出てきたことがありそこで知った)、このアルバムだけTSUTAYAで借りて何年も昔に聞いた記憶あるんですがすっかり積んでいて、sakana経過以降に聞くと解像度爆上がりです。というかあのときポストロック余り好きじゃなかったしな・・・。ハイスイノナサでやったエクスペリメンタルにやりたいこと突き詰め深いところまで潜ってしまったのを、どこまで世界観を殺さず外に広げられるかってのがsakanaだったのかなという気もします。ポピュラー方面への挑戦というか。あと牧歌的な雰囲気の曲とかもあってこの頃からやってたんだなーと言う。今ならドハマりする予感してるしこっちももうちょい聞きます。
前作結構好きで、UKっぽい透明感あるサウンドのままヘヴィでジャキジャキなグランジ化してほしいというのは僕の勝手な要望があり、ジャケ見てダークだったしマジでそれあるんじゃね!?と期待、そしたら1曲目もうちょっとドリーミーというかインディーポップ寄りでこれはこれでいいけどそっちか・・・みたいな気持ちになってたら普通に重い曲「Lip Stick On The Glass」「Play The Greatest Hits」とかあって笑顔になりました。
今回アメリカがテーマということで、事前情報通りグランジ~オルタナ路線っぽい曲がドリームポップ経由の透き通ったヘヴィさみたいのがあってかなり好きでした。あと「Welcome To Cookieville」のイントロがもろリアル・エステートで超テンション上がり、アウトロの仕掛けもリアル・エステートの2ndで最後の曲のアウトロが一生続くあれを思い出してしまい超絶笑顔に。で次の「Radio Days」はイントロがスマパンのオマージュでそっから歌詞にペイヴメントが登場してきて・・・ていう、おそらくペイヴメントが2ndでスマパンについて歌ったことのオマージュだと思うんですが、とにかく最高ですね・・・。
USインディー聖地オリンピアより、カルヴィン・ジョンソン一派としては一番売れた印象のあるモデスト・マウス。もう大御所ですね。先行トラックからかなりドリーミーな感じで、元々フロントマンであるアイザックのヴィジョンを実現するため00年代以降は色々取り入れてったバンドでしたが、ここまでくるともうなんでも有りというか好き放題やってて、ダンスミュージックには寄らずにファンキーになってる印象でライブとかでめちゃ踊れそうな感じ。とは言いつつギターフレーズの節々からGood News for People Who Love Bad News期を思い出すかも。
TLでもフランク・オーシャンとかと比較されちゃってるし実際1曲目「spirit in the sun」からそんな感じで、「slow burning」とかも前作っぽさ残るロックからいきなりジャズとかソウル化しちゃうし・・・曲ごとに方向性がってわけじゃなくて1曲の中に全部ぶち込んでるんですよ。しかもぶった切った移行の仕方なのに違和感ないような海外ポップスっぽい太い録音でまとめられてて、意外と自然だし、歌い方もガラリと変えたわけじゃないんですがこのソウルフルさが全然違った聞こえ方になってる。これも詳しい方の全曲解説とか見たい。
The Loftっていうクリエイション創設期からアラン・マッギーの盟友ピーター・アスターによるバンドで音源も少なく、サブスクだとクリエイションのコンピとかでしか聴けなかったんですが、個人的にギターポップベスト曲と言える程それが素晴らしかったんですよ。でこちらも4月にディスコグラフィを網羅したものが出てきたり・・・と嬉しい旧譜が多かったですね。
treeというbandcampで見つけたマジで素晴らしいスロウコアバンドがいたのですが、詳細全く不明でした。ていうかスロウコアそこまで好きなジャンルってわけじゃないけどマジでドツボにハマるのが何組かいまして、元々きっかけは僕の場合はRodanとJune of 44、あとKarateとか王道のLowとか・・・これだけでも全然方向性違いますよね。
追記ですが先ほどdamezumariを紹介してくれた方がSpotifyにてスロウコアのプレイリストを公開していたんですがこれが素晴らしすぎました。Codeine、Red House PainteresやLow、Duster等の大御所をあえて入れずに100曲以上あるボリュームに感服です。全然知らないのも一杯あるし大変参考になります・・・というか1曲目からヤバすぎ・・・
ストーナーやドゥームメタルの流れを汲むヘヴィロックからノイズをつきつめてドローン~アンビエントのような路線でアルバム作ることも多いBoris、実際boris名義とBORIS名義でバンド寄りの作品、実験寄りの作品と分けてきたわけですが、今作バンドですが双方の影響が出てます。初期~中期の名作「Akuma No Uta」「Heavy Rocks」で鳴らしていたヘヴィロック路線から名盤「feedbacker」での抒情的なノイズミュージック要素が融合したかのような美しい轟音、そこにエモーショナルなメロディが浮遊感増し増しでのる1曲目「決別」から余りにも名曲。僕はこれで完全にぶっ飛ばされてアルバム買ったわけですが、そしたらもう「PINK」「俺を捨てたところ」と言った本来のヘヴィ路線であるドゥーム~ストーナー色の強い爆走ノイズチューンに完全にやられました。元々メタルそこまで得意ではないのですが、今作はただ激しいわけではなくサイケデリックな質感がついて回るので所謂ハードロック的な質感があまりなかったし、あと一番の決め手はメロディーがポップなことだと思います。この音で普通に歌がキャッチーなのでめちゃくちゃ入りやすいというか、実際聞く前は敷居高いアーティストだと思っていたんですけどね。
ツイッターで感想を見てるとシューゲイザー、ポストロック、ポストパンク、等々言われてますが個人的にそれっぽいジャンルに当てはめるのは妙にしっくり来ず、というのも本人達も別にそれをやってるつもりは全くないとのことで参照元もとくに思いつかないんですよね。ある程度音楽的なバックグラウンドを前提としつつその奥が見えてこない・・・という意味では同じく突然変異的に出てきたPeople In The BoxやDownyを思い出すし、それらと音楽性が似てるわけではないんですが、やってることが結果的に「ポストロック」としか形容できないという立ち位置に近いものを感じるというか。重厚にも関わらず全く聞き疲れのしない透明感があり、この音の波に身を任せ浮遊する感じは王道とは外れつつもシューゲイザーと形容したのかなという気はします。
ツイッターで流行っていた80sベストって言葉を見てぱっと思いついたアルバムこれとMission Of Burmaでした。インディーシーンの立役者ことスティーヴ・アルビニの原点となるバンドで、ドラムマシンによる暴走するマシーンビートにジャンク感たっぷりの超ノイジーなギターを乗せて爆走します。音割れというかもう半分以上ノイズでしょというくらい爽快感がありここにまたアルビニのキレた咆哮が乗るのでとにかくかっこいいです。ボーカリストとしての彼が一番映える作品これだと思います。
余談ですが、僕はナンバーガールがSappukeiを作るにあたってこの辺に影響を受けたという話を聞き開幕「My Black Ass」から圧倒的な緊張感、そしてギター音が裏返ったときの激カタルシスに衝撃を受けこの後ハードコアに目を向けるようになったんですが、「The Admiral」辺りのドラムのビート感がナンバーガールにもろ引用されてるものだったり、そのまま54-71にももろに繋がる感じですね。
名盤2nd。1曲目「Didn't We Deserve A Look At You The Way You Really Are」が12分淡々とワンフレーズ繰り返す曲で緊張感を維持して煮え切らないまま終わり、吹っ切れたように2曲目以降からは3分前後の衝動まみれの激しい演奏が続くという振り切ったアルバム構成。そのフラストレーションを溜めてからのカタルシスの連続が余りにも気持ちよく、やっぱアルバムで聞くのっていいなというのを再確認することとなったアルバム。個人的に彼らのベスト作です。というか「Disgrace」「Canada」もミニマルにフレーズを紡ぎつつ爆発していくのかっこよすぎ。この辺のBBCライブ盤の「Canada」でのテイクがマジでヤバイので是非とも。こっちはZAZEN BOYSとかがかなり影響を受けてると思われます。
lastfmやサブスクの再生数見ると彼らの一番の人気作これっぽいですね。今までのアルビニのボーカルはいつもスポークンワーズと歌の中間+シャウトともとれるものだったのが1曲目「Prayer To God」から珍しくしっかりと歌っていて鈍器のようなビートの上で爆発させていきます。「Canaveral」も歌ものっぽいし「Song Against Itself」も割とポップなんですが、逆に今まで以上にノイジーな曲もあったりと基本は今までの延長ですが今までの鋭利な作風から少しずつ拡張されてる気がします。緻密なセッションで練り上げるというより感覚的なセッションで曲を作ってるようなので当時のモードが反映されてるのかもしれません。
開幕「Boilermaker」から爆走していくんで前作にあったじわじわとまとわりつくような雰囲気とはまるで違い、とにかく爽快感ある1曲目に今聞いてもかなりびびります。Goat収録の「Mouth Breather」とか好きだった人にはヤバイでしょう、てかそれ僕ですが・・・。前作より激しいし速いしで割と聞きやすいですがフレーズとフレーズの隙間が見えるおかげでリズム隊が非常に映えるのは勿論変わらず、ドラムのキレキレっぷりは更に増していて個人的にMinuetmenとかGang Of Forとかの流れでも聞ける気がします。というよりScratch Acid時代まで遡って聞くとあの頃のデヴィッド・ヨウのボーカルってゴスとかポジティブパンク感が結構強くて、グラムロックとかも好きなようなのでその辺がハードコアやノイズロックを通過した・・・というのが彼らなルーツな気がしてきますね。ちょっとBauhaus思い出すとこもあるし。
イタリアのバンドですがTouch&Goでアルビニ録音。Big BlackとScratch Acidのメンバーが合流してRapemanになりそれが分離してShellacとJesus Lizardになった・・・という変遷を辿ってきたわけですが、これらのバンドが好きならまず間違いないってバンドがこのUzedaですね。まぁほんとにShellacとかを連想する縦横無尽な曲展開に半ポエトリー+シャウトとも言えるボーカルが乗ってくわけですがShellacと比べても超ノイジー。とにかく濁っていて汚水とも言いたくなるようなジャンクなギターノイズで埋め尽くす1曲目「Nico And His Cats」からかっこよすぎですが、不定形の歪んだギターリフをドラムが繋ぎとめてく感じがドラムで聞くノイズロックって感じです。
Don Caballero周辺はアルビニ録音+Touch&GoであとRodan~June of 44~Shipping NewsのほとんどがアルビニのスタジオでShellacのメンバーであるボブ・ウェストンが録ってる上に、レーベルもTouch&Go及びその傘下のQuarterstick Recordsで、この辺のシカゴ~ルイヴィルの布陣というかシーンが僕はもうほんとに好きすぎる。