てことで新譜をきっかけに旧作聞き返したり、今まで聞いたことなかったAtlas Sound(フロントマンであるブラッドフォードコックスのソロ)やLots Plaza(相棒のロケットパントのソロ)や前作のFainding Frontia、無料公開されているBedroom Databank等を聞いてました。
てわけで1月~3月。Lotus Plazaの「The Floodlight Collective」ですね。Deerhunterのニューゲイザーとも言われた美しくジャンクなノイズ部分ってこの人がやってたの?てくらいで感覚的にはMicrocastleとかその二枚目であるWeird Era Cont.とか好きな人は好物であろう・・・。ていうか10年代前後ってソロにアルバムにと本当に意欲的で、フロントマンとリードギター二人の感覚がこれほど一致していたんだと思うとあの大傑作群も頷けます。
2月にフィッシュマンズのライブを見て大感動。かつてはゆら帝やナンバーガール、ブランキーと言った90年代のレジェンドとして教科書みたいな感じで通過し、昨年ポストパンクをきっかけにダヴ・レゲエ要素の強いバンドを耳にする機会が増えたのも今になって色々とリンクし、とくに「WALKING IN THE RHYTHM」のシングル盤がリミックス4曲による組曲で圧巻でした。クラブミュージック~ポストロックまで横断していて、あと以前ハマリ切らなかったLong Seasonの圧倒的没入感、何故これがわからなかったのか?とかつての自分にキレ散らかしたくなる程、今、しっくりきました。出来上がりすぎていてこれはもうセッションってよりは世界を作ってるというか・・・。
ナンバーガール復活、てことで向井秀徳の動画をまた漁り始める日々が戻ってきた時期があり、当時のRSRで向井さんが酒飲みながら歩いてるって動画でACOが流れてきて、それに対して向井さんが良い反応をみせてるんですね。それをきっかけに聞いてみようかな~てことでACOのabsolute egoです。砂原良徳がプロデュースしていたSSWという認識で聞いてみたら、どこまでも沈んでしまうような音に衝撃を受け、このアレンジはトリップホップが邦楽に影響を与えていたから、とツイッターで見て納得。ただ発売当時のレビュー見てもトリップホップとの関連性ってほぼ書かれてないので、シーンとしてその影響力の強さがこの20年で浸透したんだなぁと。
このアルバムってかけいおん楽曲全般というか、一時期狂ったようにけいおんオタクと化してましたね。4月に始まった10周年記念の再放送を見てたのが原因で、OPの曲とかこんなかっこよかったか?とインターネットオタク活動していたあの頃ニコニコ動画でクソ程聞いたはずが、音楽趣味になってから聞き返すと驚きが沢山ありました。残響以降、演奏技術がステータス化し殺伐とした音楽が流行していた10年台前後、複雑ながらキャッチーなアンサンブルで高速疾走し、唯のキャラクター性を殺さずこのボーカルで歌い上げてしまうOP曲群を聞いて、これ当時のロックリスナーの中でも割と面白い存在だったんじゃないでしょうか?めちゃくちゃハマりしました。
ギターリフと同じメロディーをボーカルでなぞるスタイルってめちゃくちゃ好きなんですがそれこそ天使にふれたよ!の歌詞にある「ユニゾンで歌うよ」てこれなのか?とフォロワーと話してて気づき、これがこのバンドのコンセプトだったのかなーとふと思ったりもしました。
昨年からCAN以降のドイツのクラウトロックバンドを細々と漁っていたんですが、今年になってから本格的に中古CD屋とかで集め始めました。割とサブスクとかにもない・・・でこれはブライアン・イーノと一緒にやってたことで有名なクラスターの「Großes Wasser」です。アンビエントが来ると思いきや、時計じかけのオレンジのオープニングテーマを思い出すような、どこかRPGのステージBGMのよう。割とリズムへのアプリーチもありシンプルに聞きやすく、この無機質なジャケットもお気に入り。
でもう一枚はテクノ界隈にも有名なマニュエル・ゲッチングとドイツのジャーマン~クラウトシーンの巨匠クラウス・シュルツェの二人が唯一参加したアシュ・ラ・テンペルの1st。ものすごいです。セッションというか楽器を使った実験空間、今にも破裂しそうな緊張感漂うハードな録音が聞ける名演。それこそOGRE YOU ASSHOLEのライブでの後半の盛り上がりはこれに近いのかもしれない。圧巻でした。
今年見たブルーハーブのライブで完全にノックアウトされた自分はジャパニーズ・ヒップホップ聞いてみよう・・・となりじゃあ最初にやったの誰?でいとうせいこうです。彼のイメージなんて俺の中じゃ天才ビット君の人だったのに「噂だけの世紀末」という名曲をyoutubeで聞き数秒後アマゾンでポチってました・・・。意外と知られてないですが大名曲です。
かつてエイフェックス・ツインを聞いたとき、ついでに周りを漁っていたら結構気に入ってたオウテカ。1st2ndしかまともに聞いてなかったんですがあれは仮初の姿で、彼らの本性は90年台後期からどんどん出てきて・・・て感じだったんですね。最も難解なConfieldは名盤と聞き昔チャレンジして撃沈したんですが、フォロワーのツイートから知ったEPのBOX SETを春に買い、これがマジで素晴らしすぎでした。
Confiledのもう音楽というよりノイズに近い実験的な音色と、1st2nd期のヒップホップ~IDMな作風の丁度中間をやってた「LP5」「EP7」「Cichlisuite」「Peel Sessions」「Envane」辺りはもう無限に聞いていたかな。Confield程完全に解体されたわけではなく、その断片でダンスミュージックを仕上げたという感じです。
最終的にConfieldにもドハマりしてしまい、あれの良さがわからないと言っていた自分が逆によくわからなくなるくらい感覚がひっくり返ってしまいました。こういう音楽って一度わかるかどうかでまるで違いますよね。そのせいで人に勧めづらい。
Deerhunterと同じく4ADからRed House Painterの1stと2ndで、スロウコアという90年代インディーオルタナの派生の一つでありこれが今年の秋~冬にかけてお世話になりました。それこそDeerhunter新譜のタワレコ特典で4ADのコンピレーションが付属していてそこに収録されてたのがきっかけ。
90sオルタナ大好物なんですが、これはロック的ダイナミズムを最小にし、キャッチーながら最低限のツボだけを抑えたメロディーを紡ぐ。普通は爆音で鳴ってるはずのギターノイズが、ヘッドホンで聞かないとわからんくらいの小音でバックで垂れ流されているのが新感覚で、これがめちゃくちゃ気持ちよかったです。お風呂上り毛布にくるまってこれを聞くのが日課でした。
Hanazawa EPでこれは今年本当に衝撃の一枚だったなぁ。ぶっちゃけ旧譜ベストみたいの作るとしたら一位はこれですね。くっそ聞いたどころか最終二か月くらい新譜以外ほぼこれだったかな・・・。シューゲイザーだけじゃなくおまけで入ってるハウスバージョンの口笛ジェットも良かったです。マイブラのラヴレスまんまなんだけどあのアルバム内のダンスミュージックっぽいマンチェ感を抜き、ノイズまみれなハイパーオルタナティブ成分を抽出して花澤香菜にそれを混ぜた結果、彼女のとんでもなくキャッチーなウィスパー(?)風味な歌声とドリーミーな世界観が超科学反応を起こしオルタナ趣味なオタクは死ぬ(死んだ)、という感じです。海外のシューゲイザーディスクガイドにも日本のシューゲイザー名盤、として紹介されてるのめちゃくちゃ笑った。
以上です。言いたかったことはHanazawa EP最高!とオウテカ最高!とけいおん10周年おめでとう!でした。
あとは来日したってのとツイッターで盛り上がっていたからキュアーをよく聞いていたかな。最初にポストパンクを漁ったときってナンバーガールやスマッシング・パンプキンズが影響を公言していたからで、深掘りはしてなかったんですが、今年はキュアーがスイッチになりまたそこに戻って80年台のバンドのアルバムをよく聞いてました。あ、あとはNOVEMBERSの新譜にハマり、彼らのディスコグラフィを辿る中でやっぱりキュアーもセットで聞かねば・・・みたいのもありました。他のポストパンクだとエコバニやキリング・ジョークとかにもハマりましたね。
あとアニメ文化というか、昨年から一緒になった上司のアニメ趣味やけいおん!再放送視聴によるリバイバル、あとリアルで会うフォロワーの影響とかもでかいんだけど、割とそれも聞く音楽に影響が出てますね。2015年にオタク活動ツイッターを削除して以来、転勤したりとか彼女ができたりとか環境が激変しそういうオタク趣味は完全に俺の中で一度消えた・・・のが、仕事も落ち着いてきたり別れたり一人暮らしもすっかり慣れてきたりと適応することで一周し、オタクとして戻った気がします。あえてそういった思い出を封印し避けてきたのもあり、めちゃくちゃ懐かしいですし、本当に何も気にしなくなったのは楽、だなと。
書いてて楽しかったのでまたやります。