朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

OGRE YOU ASSHOLE - アルファベータ vs. ラムダ (2007)

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もしかしたら世界一好きなアルバム・・・かもしれない(?) 洋楽聞き始めた時からUSインディーとかオルタナとかそういうのを漁ってたけど、その終着点というかある意味で俺の中の結論がこのアルバムなんだろうなぁ、とちょっと思います。日本のオルタナインディーってニルヴァーナスマパンナンバーガールの影響下にあるバンドがメジャーだった00年ギターロックな空気が好きだったんだけど、10年代入ってからのVW(ヴァンパイアウィークエンド)とかザ・ドラムス以降、くるりがA-Punkオマージュしてたりとかやっぱ流れ変わってますよね。USインディーという言葉を聞いて思いつくバンドがSNS見てるとやっぱ洋楽を聞いてた世代(?)によって違って、先ほどのVWやドラムスこそそのイメージって人と、90年代のローファイとの結びつきがでかくペイヴメント以降に並列していたバンドを連想する人、90年代グランジが入り口だった自分はこっちの印象が強いのだけど、モデスト・マウスとかビルト・トゥ・スピルとかそっちの影響をガッツリ受けてるのがこのアルバム。

出戸さんはOGRE YOU ASSHOLEってバンド名の由来すらモデスト・マウスからもらっている上、その手の音楽の入り口がBECKという遍歴をお持ちなので、若き日に夢中になったその辺の音楽のアウトプット先としての集大成がこれなんだろうな。でテレヴィジョンのマーキー・ムーンの影響がもろというか、もうビルト・トゥ・スピル meets テレヴィジョンというか、キャッチーなリフをツインギターで反復させどんどん新しいリフが登場し、最終的に絶頂へと向かう曲構成、それが3~4分のUSインディーにまとめ上げられていて、その絶頂の瞬間が最高にエモーショナルなので聞きやすいポップソング集にも関わらず飽くことなく聞ける。今じゃライブでどんどんアレンジされ原型のない10分の長尺アンセムとなってしまった"フラッグ"の原曲も入っていて、改めて聞くとギターの感じが和っぽくてこのときから異彩を放ってますね。僕はシンプルに歌ものな「サカサマ」「バックシート」が好きで、これもどんどん展開して王道の起承転結、最後に新たな激エモメロディーが登場というものに構成になってます。

聞いてて単純に気持ちのいいフレーズと無意味なような言葉の羅列、歌詞に意味を求められること自体を否定したかったと出戸さんの弁ではあるが、そういう掴みどころのない部分も単純に音色と言葉のフレーズを楽しむといった感じ。あと当時ディスコパンクとも関連付けされてたようで、ポストパンクっぽい無機質なギターではあるが基本的に切り離していいと思います。踊る作品ではないかな。無機質とは言ったがバンドアンサンブルは非常に暖かいですよ。たぶん当時リアルタイムで聞いてたら好きになりすぎて、掴みどころがないどころか実像すら危うく霞んでいったサイケ~クラウトロック化した今のオウガは受け入れられなかったかもしれない。