朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

記録シリーズ:NUMBER GIRL / 音楽性から見る関連バンド

 

ナンバーガールから辿る関連バンド


僕はナンバーガールにハマってからはっきりと音楽の聴き方が変わったと言っても過言ではなく、その後色々な音楽を漁る指標も「向井秀徳が言及したかどうか」というのをかなり参考にしてましたので、とくに今よく聞くものでNUMBER GIRLを感じる、もしくは影響を公言していた中でも好きな物を勝手に並べてきます。

 

別所から手繰り寄せたものの寄せ集めという感じで少しでも参考になれば・・・

 

 

Shellac

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そもそもPixiesの影響を何度も公言してる向井秀徳ですが、そのPixiesのプロデュースをしたスティーヴ・アルビニとその音楽の影響がかなりあります。とくにShellacでの「At Action Park」や前身バンドのRapemanはSAPPUKEIを通じるところも多く、またBRUTAL NUMBER GIRLやDrunk Afternoonで見せるお得意のビートも元ネタもしかしてShellacでは?と思う瞬間が多々。

 

・Gang Of For

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Gang Of For、よく言及されるバンドですが全体的に80年台ポストパンク・・・の中でもとりわけファンクやレゲエの系譜にあるリズムへの意識が強いバンド達の影響はかなりあると思います。とくによく鋭角なギターサウンドと形容されるあの音もGang Of Forの1st~2ndなどを聞いてるとこれがルーツなのでは?て思える程ギターそのものが近く聞こえますね。

 

The Pop Group

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Pop Groupに関しては一部引用ネタがあるというだけでアルバム聞くとまさにカオスなんですが、1stに入ってるShe Is Beyond Good And EvilがNUM-AMIDABUZの元ネタだったり、2ndの「For How Much Longer Do WeTolerate Mass Murder ?」などはこれを聞くことでZAZEN BOYSを感じてそことも繋げることができるし、フリージャズやダブを強引に手繰り寄せながてパンクロックとして破壊的に出力しているのが色々な部分でシンパシー感じますね。

 

Sonic Youth

「Sonic youth Dirty」の画像検索結果  

本人がベストとして多々言及してるのもありますが、よく引き合いに出されるバンドですね。実際に聞いてみていかにもナンバーガール的というか、直接的に感じるポイントはそこまで多くないんですが、向井秀徳のノイズへの拘りや静と動のコントラストと言ったドラマティックな曲展開はSonic Youthから影響を受けたと公言していて、サーストンへのリスペクトはインタビュー等でも多々見受けられますね。そしてbandcampで公開されてるライブ音源(Live At The Warfield 1993 | Sonic Youth)辺りの、グランジに接近して最も王道のオルタナという感じだったDirty期のライブ音源を聞くと近隣作としてとても聞きやすいと思います。

 

Pixies

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曲名にもなっているし、こちらもSonic Youthと並んでよく言われてますが、そもそもアルビニ録音的な生々しい音響とヒリついたバンドサウンドから放たれる絶叫シャウトっていうスタイルが非常に近いですね。轟音の中で結構ポップな歌が乗るとことかも。使ってるギターがテレキャスターだったり実際にシングルB面でPixiesのカバーをしてたりとすごくストレートに、純粋に向井秀徳が大ファンというのも色んなとこから伝わるんですが、ナンバーガールでのポストパンクの消化の仕方や道筋を見ていくとそこまでやってる音楽は似てないというか、それぞれの色が出てると思います。

 

・Sugar

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初期のナンバーガールを聞いたときギターポップを轟音でやっているようなアルバムだと思ったんですが、その感想が丸々とSugarにも当てはまるまさしくというバンドです。向井秀徳はSugarの前身であるHüsker DüのファンでPixiesとともにオマージュされ曲名にもなってるので間違いなく影響はあるでしょう。とにかくギターがガサついてて最高なのですがとびきりポップです。

 

・The Wedding Present

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こちらに関してはベースの中尾憲太郎ツイッター向井秀徳が好きだったみたいなことを言ってるのを見かけ、Sugarでも言ったギターポップを轟音でやっているというのを体現してるのは完全にこっちにも当てはまるし、高速カッティングというところもギターのジャキジャキ具合に影響を与えてると思います。

 

・No Knife

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直接な言及は一切ないし実際に向井秀徳がこれを聞いて影響を受けたかと言うと微妙な気がしますが、以前No Knifeをナンバーガールを引き合いにして語るレビューを見たことがあり目から鱗だったので触れておきます。90sのポスト・ハードコア~エモ文脈で語られるバンドですが、グランジやハードコアを通過したより硬質なヘヴィなギャング・オブ・フォーと言ったスタイルのバンドで、直接的に似通ってるていうよりやってる音楽やその要素が結果的に近づいてる感じがしますね。個人的にハードコアやエモの文脈で好きなバンドです。

 

Superchunk

「Superchunk no pocky」の画像検索結果 f:id:babylon5000:20210210160814p:plain

チャペルヒル発のMerge Recordsでも知られる90sのUSインディーシーンを代表する大御所。こちらも直接的に言及されてるわけではないですが、対バンしていたりスティーヴ・アルビニ録音という共通点もあったりします。エモまでは行かず、かと言ってローファイよりは激しいという具合のガシャガシャとした疾走ギターロックに声を荒げるというシンプルに高揚するロックで、ナンバガのようにポストパンクやダブ、ハードコアの影響が出てくるってわけじゃないんですが、だからこそその辺の影響があまり強くなかったSchool Girl Distiornal Addict辺りが好きな人にはしっくりくるかも。

 

透明雑誌

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ここまでナンバガ以前のバンドをずっと紹介してきたのですが、どうしても並べたくなったのでこちらも触れます。台湾のバンドでこれは2010年作の1stですが、名前からわかる通りまんまフォロワー、そこにSuperchunkや90年代後半のエモを足したようなバンドです。聞いてみるとその影響を隠しもせず、むしろナンバーガール調の曲にTelevisionのギターリフを混ぜるというかなり粋なことをしていて(ナンバーガールはライブ時にTelevisionの曲を流しながら入場してくるというネタから)、またナンバガがライブでのみ演奏するアレンジ曲のリフを拝借していたり等、とにかく一ファンとしてのマニアックな願望を最高の形で具現化してるかのような曲が多く聞いてるだけで嬉しくなってきますね。

 

The Flaming Lips

「Transmissions From The Satellite Heart」の画像検索結果

ナンバーガールのSAPPUKEI以降の路線を象徴するデイヴ・フリッドマンがプロデュースしていたバンドで、それどころかフリッドマンがプロデュースする前に組んでいたマーキュリー・レヴとずっと交流があったバンドでフリッドマンとは盟友のイメージがあります。 でリップス×フリッドマンと言えばやはり人気のThe Soft Bulletinや向井秀徳が好きなCloud Taste Metallicが有名で本人も言及も多々あるので関連作としてはそっちのが相応しいと思いますが、個人的に上記のTransmissions From The Satellite Heartが激オススメです。最高に音の荒れたジャンクなオルタナ・ポップとも言えるアルバムで、最後に入ってるSlow Nerve Actionという曲の爆裂ドラム音とギターの存在感はもろにナンバーガールを思い出す。デイヴ・フリッドマン繋がりではWeezerのPinkartonとかも向井秀徳が彼と出会うきっかけになったアルバムですね。

 

 

54-71

f:id:babylon5000:20210210025602p:plain 「True Men Of Non-Doing」の画像検索結果

どちらかと言えばZAZEN BOYSへの影響の方が強そうですが、ハードコア出身の人がヒップホップのリズム感覚を取り入れるというか、ブラックミュージックのサウンドに寄せずバンドサウンドで再現しようとした結果全く新しいスカスカで鋭角な音楽が出来たという経緯、張り詰めたようなバンドの緊張感はまさしく後期や、ZAZEN BOYSにも共通点を感じる。一緒にやった6階の少女という名曲もありますし、そもそも54-71自体が上記のShellacとの共通点も多くてアルビニ録音で1枚出したりもしてますね。

 

THA BLUE HERB

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こちらはもうバンドではなくヒップホップですが、解散ライブでも名前を挙げていたり、ヒップホップの言葉の強さに影響を受けたという言葉からも割と重要な関連作だと思います。彼らが1stで掲げた地方(札幌)VS東京というフォーマットを掲げその余りにも攻撃的なリリックや対抗心を聞いていると、向井秀徳が冷凍都市という仮想敵を作り上げ叫んでいる姿は無関係には見えず、ZAZEN BOYSの1stで見せた冷凍都市問題を総括したともいえる「自問自答」は完全に向井節のBLUE HERBだと思ってます。

 

eastern youth

「イースタンユース アルバム」の画像検索結果 「イースタンユース アルバム」の画像検索結果

ブルーハーブやブッチャーズと並び札幌OMOIDEのラストMCで名前が出てるので当然なんですが、イースタンユースと出会い彼らの音楽を聞くことで自分も自分の音楽で叫ばなきゃいかんと思うようになったとのことです。彼らはもう少しエモやハードコア寄りのサウンドですが、再結成後も対バンの予定があったり交流が深く、影響を受けたのは勿論もう盟友って感じがします。

 


以上でした。まだまだ沢山あると思いますが、インタビュー等を辿って聞き進めていった中で僕がとくに好きだったもの、肌に合ったものをまとめた・・・という感じですね。あとはよく公言しているバンドでは鋭角サウンドやギターの絡みと言う意味ではTelevision、レゲエやファンクへの接近という辺りでThe PoliceThe Clash、あとはプリンス・・・とくにプリンスは向井秀徳が兄に勧められてそれ以降ずっと影響を受けているようです。 

「クラッシュ アルバム」の画像検索結果「クラッシュ アルバム」の画像検索結果

Clashに関してはロンドン・コーリング以降にダブ・レゲエに寄りますが、なんと解散しなかったら次のアルバムはClashのサンディニスタ!をオマージュしたような2枚組にする予定だったと向井秀徳本人が公言しています。Ramonesのカバーや、Television、ZAZEN時代にリスペクトを表明するTalking Heads等、この時代のパンクロックが根本にありそうですね。

というより、ZAZEN BOYS期に渡って向井秀徳ピストルズジョン・ライドンへのリスペクトを度々語りますが、彼がピストルズを解散しPiLを結成、そして2nd以降突然ダブに向かって言ったあの流れが象徴している「パンクロックがダブ・レゲエやファンクに寄ってポストパンク化した」ということそのものに憧れていたように思えます。

 

そして、影響を”受けた””与えた”というわけではないのですが、丁度00年代入ってから海外ではThe RaptureFranz Ferdinand等のポストパンリバイバル~ディスコパンク勢がナンバーガール参照元が被ってるんですよね。別に似てるというわけではないのですが、ジャキジャキのギターサウンドだったりという点では結構聞き比べるのが面白かったです。

 

でまぁ書いてる途中で気づいたのですがここ

に大体あります、、、まぁZAZEN BOYS期ではありますがオールタイムなのでほぼここでOKです。

 

 以上でした。最後に何曲か貼って終わりです。

 

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