サウスロンドン新譜 Shame~Black Country, New Road

Black Country, New Road(以下BCNR)がアルバムを出して周辺で話題になってたので聞いてみた感想です。前評見ただけで結構気になって、ライナーノーツ読みたさにフィジカルも買ってしまいました。

サウスロンドンシーン、2018年頃・・・初期はShameとかGoat Girlが盛り上がってて「ポストパンク」という見出しがついてるけど全然想像した音と違うな~と思いながら聞いてました。Shameとか確かにリズム隊がジョイ・ディヴィジョンの系譜っぽく思わなくもないけど、ただ00年代のポストパンリバイバル的なものとも全く違って、エモやオルタナと同じようにサウンド的な意味だけでなく精神性、様式的なものなのかが10年越しにまた変わって出てきてるのかな~とか。その辺の漠然とした感情はこちらのファラ氏のNote

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で完全に言語化されていて感動してしまったのでシェアしておきます。僕は元々80sポストパンクが好きだったのですが、00年代のリバイバル~今のサウスロンドンでのポストパンクブームを経験した人のリアルな今の言葉というか、たぶん何年後かに見てもこの感覚が保存された最高の記事だと思います。

でその後も続き、話題になったblack midiとかHMLTDとか、どんどんジャンルが複雑化してきたしエクスペリメンタルなのも増えてきたな~と思いつつ、先日発売されたShameの新譜

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ジョイ・ディヴィジョンってよりもギャングオブフォーみたいになってたし、シンプルにロック純度がかなり高くて個人的にかなりヒットしました。ポストパンクって言われてたけどポストパンクっぽくなかったバンドがどんどん増えてシーンが闇鍋化してきた中、ブームを牽引していたShameが80年代のオリジネイターっぽい音を鳴らしているってのがいいな~というか。

あと彼らのライブは音源よりも更に疾走しよりハードになってていかにもパンク的な印象だったんですが、ギャングオブフォーを連想したからと言ってリズムに寄った感じではなく、ライブでの姿を全然想像できるくらい疾走感があったのもよかったです。

 

For The First Time

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でBCNR、もうポストパンクって見出しも使われずに出てきてハードコア~ポストロック経由みたいな文字見てかなり惹かれまして。元々こっちの畑というのもあり・・・。SNS見てると聞いてきた音楽によって皆の感想違って面白いな~ってなったんですよね、クリムゾンっぽいねって人とかソニックユースだねって人とかいて・・・で僕は1曲目のインストなんだこれ?て思いつつ、2曲目聞いた瞬間一気にヒット。まぁこれも散々言われてるんですけど、Slint思い出しました。というか、Slintと同系列の発祥地ルイビルのポストロック(?)達のことを。

 

SlintやRodanのルイヴィルのポストロックともハードコアともスロウコアともとれない、あの不安定な音が僕は大好きなんですが、その系譜を少し感じてかなり楽しくなりました。だって今そういう音楽聴きたいっていっても中々無いですからね。いやどこかの地下で鳴ってるのかもしれませんが、ムーヴメントにもなってない以上特定のジャンル名で探せる音楽じゃないですし。マスロックとかスロウコアで調べてるとたまにそのジャンル内でのはみ出し者みたいなポジションに近いのいてニヤリとしたりするわけですが、まさかサウスロンドンから出てくるってのは、完全に予想してなかったです。

てことで、ただもう少し質感はものすごく現代的というか、カッチリ整理されてますし、スロウテンポのマスロックを聴きやすくした感じと評してる人もいてそりゃSlint思い出すよねって(笑) ただやっぱ大所帯バンドということで色んな音が飛び出てきますね、それでも引き締まってるように聞こえるくらい音数は多すぎないとことかはやっぱ現代のインディーロックっぽいな・・・とか思ったり。

そういう計算高さや多ジャンルの表層を混ぜ合わせてる保守的な音楽だの言う意見もあり、結構賛否両論っぽいんですが、僕はそういうの素直に喜んでしまうタイプで。このまま彼らがハードコア化するともプログレ化するとも思えないし、だからこそ次どんな音鳴らしてくるのか・・・てのもすごく楽しみです。

 

何よりRodan解散後にRachel’sやSonora Pineに分かれポストクラシカルに接近したことや、スカスカのアンサンブルの中ギター以外の楽器を前面に出しその様式を模索していったこと、そんな彼らのことも思い出してしまうんですね。Rodanも解散しなかったらもっと実験的な方向にいってたかもなぁ、とか。いや、RodanはBCNRとは全然似てないんですけど、派生していくその後のバンドやSlint含め、当時まだポストロックという定義もなかった中、ルイビルを中心に新しい音楽を模索していた人達のことを思い返します。

だんだん妄想して突き進んでしまった感じがありますが(笑) 音源の話よりも聞いて連想したものや全体像から見たバンドの立ち位置みたいな聞き方をどうしてもしてしまうタイプですね。

 

でもこうやって地域とレーベルと・・・共通のプロデューサーとか同じ方向を向いて関わってる人たちがいて、ちゃんとメディアが取り上げてジャンルとして盛り上がってるのってあんまリアルタイム経験できたことないので。割と楽しいですね。新譜逐一チェックできるようになったのもここ2,3年でサブスクを導入してからなので、ようやくというか。ヒップホップとか電子音楽とかも幅広く見てたら面白いことあったんでしょうけど、いかんせんロックだけ聞いてきたというのもあります。

個人的にBCNRのライナーノーツにも登場してきた同じくサウスロンドンのSquidですが、WARPから出すということで先行トラックもかなり好きで、アルバム非常に楽しみです。割とハッキリと80sポストパンクがルーツなのがわかる感じでそれがさらに捻じ曲がってるような感じで・・・

 

話が肥大化しすぎたので終わりにします。備忘録というか、まさしく「感情の動きの保存」です。ありがとうございました。

 

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