朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

記録シリーズ:Unwound

90年代に活動したポストハードコア~ポストロックのレジェンドともいえるUnwoundの全アルバム感想。自分がこういったジャンルを聴くきっかけになった最初のアーティストなので思い入れが強く、元々ブログ内で何度も触れているアーティストですが今回来日したのもあり全編聞き返しもう一度書き直しています。


 

 

Unwound - Fake Train(1993)

93年リリースのUnwoundの1stフル。一応これ以前の音源もいくつかシングルやEPが存在しているが(まとめた音源は後述)、オリンピアのインディー名門Kill Rock Starsに移籍しバンドの要とも言えるドラマーのサラが加入したのも今作から。2ndのNew Plastic Ideasはもっと爆音ノイズで全身を覆いつく物量のアルバムで、3rd以降後は収束されたマス~ポストパンクに通じる独自路線を見せ始めるけど、改めて聞き返すと1stの時点で既に両方とも内包しているように思う。今作はまだ2ndほどノイズを起爆剤のように開放しているわけでもなく、ローファイな録音なのもありノイズが常に絡みついた全体的に濁った音が印象的で、サラのガッシリしがみついて離さないねっとりしたドラミングは停滞した混沌を生み出し、それを一気に外に開放するノイジーなバースト及びジャスティンのシャウトが印象的なアルバム。M3やM5のイントロの痙攣したようなギターワークは4th以降のUnwoundを連想するポストロックに通じる路線で、M4のValentine Cardは地を這うようなリズム隊の反復からノイズで開放&シャウトという2ndを先取りした重厚なポストハードコア、M5のKantiaも同路線の名曲。M9やM11のようなパンキッシュな曲も多くて個人的にSwell Mapsも思い出す。M6のWere, Are and Was or IsではリトルDiamond Seaとでもいいたくなる美しいノイズを聞かせ続けるインスト、ラスト作で開花する混沌もこの時点で垣間見える。

 

Unwound - New Plastic Ideas(1994)

代表作2nd。Sonic YouthFugaziの中間とよく呼ばれていた頃の作品で、実際Dischord RecordsはしっかりリファレンスにあったらしくSonic Youthとの交流も深い。M1のEntirely Different Mattersはジグザグに弾きじゃくり疾走するギターワーク、同時に並走するザラザラとした爆音ノイズ、そして半スポークンワーズなジャスティンのボーカルは荒々しかった前作と比べると洗練されたクールなものに変化していて、展開に合わせてスクリーモする曲の手綱を握った熱さのコントロールが素晴らしい。アルバム前半の熱を更に加速させるM2のWhat Was Woundはまたしてもギターリフ→ノイズで開放というM1を踏襲した作風で、前のめりに突っ走っていて聞いていて血液が沸騰するんじゃないかというほどぶち上がる。1stと比べても空間の隙間を埋めつくす巨大なノイズの比重が一気に上がっていて、3rd以降見せるディスコーダントで硬質なギターの音とはまだちょっと違ったファットでくぐもった轟音はまるで鈍器。アルバムを再生するやいなや次々と爆音が押し寄せる展開は圧巻。個人的にベストトラックはM3のEnvelopeで、イントロから全身を覆いつくす不協和音暗黒ノイズ、叙情と熱さを同時に見せるメロディはダークなエモとしても聴けるかと。M6のAll Souls Dayも同路線のハードなポストハードコア。ギターをリフとして弾くのかノイズを出す装置として弾くのか切り替わりが見えないほど境界が曖昧で共存している自由さを感じられる作品で、ノイズを安易に静と動のコントラストにはせず、むしろ淡々と刻むリズム隊が軸とし緊張感を持続させたことで、自然体のノイズが際立った作品だと思う。

 

Unwound - Unwound(1995)

1995年リリースとなってるけど実際には1st以前のEP+未発表音源をまとめたコンピ。まだサラ加入前の旧体制で録音時期を考えると実質的には1stアルバム。レーベルはサンディエゴのハードコア名門Gravity RecordsからリリースされたEPが元で、この頃は後のBOX SETで聞ける初期のシングルそのまま地続き、録音はオリンピアらしくインディー名門K Records主宰のキャルヴィン・ジョンソンが担当。オリンピアって当時グランジ全盛期、Sub Popで有名なシアトルの隣でシーンも近く今作にもスティーヴ・フィスクが関わっている(彼は初期のNirvanaなども録音していた)。Unwoundが所属するKill Rock Starsは元々ライオットガールの拠点でもありライオットガールはグランジシーンと密な関係性だったし、UnwoundはSleater KinneyやBikini Killとの交流も深いしサラもKill Rock Starsの主宰の友人だったらしく、この辺とコミュニティを共有していたのだと思う。

今作はUnwoundにしてはパンク/ハードコア色が強く、ローファイなノイズを伴ったエッジの効いたギターリフが次々と飛び出し、全パート一つの塊になったかのようなぐしゃっとした和音で爆走。同じくローファイな質感があったFake Trainと比べるとバンドの強靭なハードコア性が露出した裏アルバムとして聴けそうだし、むしろノイズ寄りのNew Plastic Ideasが今作直系、これをもっとろ過させた作品に聞こえてくる。それこそM4のFingertipsはズッシリ重心を落とした不穏な演奏とエモに近い叙情と熱さを見せるボーカルのコントラストはEnvelopeに通じてきそうで、M6のStuck in the Middle of Nowhere Againも近いものがありこちらも名曲。全編に渡ってジャスティンがシャウトし続けているUnwound随一に攻撃的なアルバムで、Heroin一派のカオティック・ハードコアを擁していたGravityらしいなと思うし、ポストハードコアの一種としてDischordやEbullitionといったレーベルと並べてUnwoundを聞くならちょうどいいアルバムかと。

 

Unwound - The Future of What(1995)

95年にリリースされた3rdで常にノイズを纏ったNew Plastic Ideasからもっと硬質なフレーズを聞かせるポストパンク/ポストハードコアライクな4thへと続く中間ともいえる作品。M1のNew Energyから前作収録のWhat Was Woundに通じる前のめりにガンガン加速するナンバーでいきなりぶち上がる。Unwoundにしてはアルバム内の曲数が多い分1曲1曲が短く、多数のインストやノイズのみのトラックがアルバム内に多数挿入されているのもあり5th以降の実験作品へと繋がるアイデアを色々試しているのかなと思う。ヒリヒリとしたポストハードコアのAccidents on Purposeは今作のハイライトで、これまでのUnwoundのラウド曲の中ではシンプルに歌メロに比重が偏っててとても良い。M13のSwanは前作と地続きの轟音ナンバーかと思いきやアウトロで渦巻くフィードバックノイズの美しい垂れ流しを数分に渡って聞き続ける新機軸、続くM14のFull Explanation of AnswerはM13のアウトロから繋がる完全なるドローンナンバー。M15~ラストに渡ってもずっと同じトラックを繰り返すインストでSwanのアウトロ~ラストまでの20分超は実はほぼ全てが実験作品という衝撃のアルバム。シンプルにリフが超鋭利でバンド内でもとくにパンキッシュな側面もあるためかなり極端な作品。

 

Unwound - Repetition(1996)

96年リリースの名盤4th。これまでのノイズロック然とした鈍器のようなアンサンブルはギュッと収束、棲み分けされた録音に変化したことでお互いが隙間を埋めあう鋭利なフレージングが浮き彫りに、これまでとは違う表情を見せたことでポストパンク~ポストハードコアの中間として聴けそうな作品。プロデュースはスティーヴ・フィスク。ノイズロック系譜のジャンクさはほとんどなくなっていて、後のマス系ポストハードコアの萌芽もちょっと垣間見えTouch and Go(それこそShellacやThe Exにも通じそうな)と並べて聞ける硬質さがあると思う。M1のMessage Receivedにおける均等に曲をカットするようなサラのドラムはそれぞれのパートを縫い付けてるようでタイトにスネアをばら撒いていき、並走するヴァーン・ラムゼイの疾走するベースラインは独特なうねりがあってUnwound特有のグルーヴが前面に出たアルバムだと思う。M2のCorpse Poseは円を描くような鋭いギターリフと反復するリズム隊、合間に載せるだけみたいなジャスティンのボーカルと絶妙にやりすぎないシャウトの熱をコントロールするような冷めた質感がとても良い。M5のSensibleはドロドロとした渦巻くフィードバックノイズが印象的なダブナンバー。M1やM2でも聞けるノイズワークは今までのように埋めつくすのではなく、あくまで楽曲内の1レイヤーといったバランスになっていて、M11のDevoidはジャッキジャキの轟音曲ながら綺麗に整頓された感触がある。ラストのFor Your Entertainmentは甲高いノイズと叙情のあるメロディはUnwoundにしては特大エモーショナルでとても泣ける。

 

Unwound - A Single History 1991-1997

97年にリリースされたシングル集。タイトル通り1991年から1997年までの作品を収録しているけどCorpse Poseといったアルバム収録のあったシングル曲はオミットされ全編が未収録曲、曲順も時系列ではなく流れや構成を意識した独自のもので普通にオリジナルアルバムとして遜色ない作品。音源の散漫さはほとんどないし、94~97年に比重が偏ってるのでむしろ統一感すらある。前作のRepetitionと並んでノイズロックを咀嚼したポストパンク~ポストハードコアというバンドのイメージを固めやすい作品だと思う。個人的には最もよく聞いたアルバム。M1のMile Me Deafからリフ主体のUnwound風ガレージロック、M4のMK Ultraは荒廃としたギターフレーズの反復からフィードバックノイズが渦巻き嵐のように形を変化させジャスティンが吼え、M8のEverything Is Weirdは曲を牽引する伸縮するベースリフが印象的な不協和音ギターフレーズの映えるクールなノイズロック。フリージャズのようなホーン混じりの混沌ノイズとやけくそなジャスティンのボーカルが良いM10のSaid Serealと、そこと直列で繋がるM11のCensusは意外とここまでストレートなのは珍しいドロドロとしたダブ路線。M16のThe Light At The End Of The Tunnel Is A Trainも10分超に渡るこれまたダビーな実験作でアルバムの統一感を強めてると思う。どれもこれも本当に名曲で構成や流れのおかげでそれぞれの曲の良さが際立っている。M5のSeen Not Heardは明らかにJoy Divisionになる瞬間がありWireと重なる部分も、M12のPlightはMinutemenのカバーで一部のダブ路線もありUnwoundのポストパンク的なルーツが直接見えてくる。

実はNumero Groupから2024年6月に完全版となるA Single History 1991 - 2001がリリースされているけど、タイトル通り2001年までのシングルも追加されボリュームが増大、それと同時にアルバム順が時系列順に変更され完全に普通の編集版となってしまい(被りでオミットされていたCorpse Poseも収録)、旧版の流れやコンパクトさが好きだったのでこちらでプレイリストを作成させてもらった。明らかに98年から作風が変わるため97年という節目のシングル集は重要なポジションだと思いあえてこちらをフィーチャーしている(個人的に好きというのもある)。また97年と言うとベースのヴァーン・ラムゼイがBlonde Redheadに参加した年でもあり、彼が経営するPunk In My Vitaminsというレーベルは幾度なく共演した同郷オリンピアの盟友Karpも参加(復活後のライブではKarpのメンバーがベースを弾いている)。他にもポストハードコア~スロウコアと隣接したLowercaseやChokeboreもリリースしているし、今作収録のSeen Not HeardはSteel Pole Bath Tubとのスプリットでこの辺から交流が深かったであろう関連アーティストも見えてくる。

 

Unwound - Challenge For a Civilized Society(1998)

1998年リリースの5th。当時ファンからは賛否両論だったらしいアルバムでベースのヴァーン・ラムゼイはこのアルバムを一番気に入ってないとまで語っているけど、今聞くとRepetitonやA Singl Historyで作り上げたポストパンク~ポストハードコア路線とは確かに大分距離があり、次作のサイケデリックな実験性の萌芽が見えていてRepititionが人気を博したからこそ続編としてとっつきづらかったのかなと思う。元々ダブ路線やインストのノイズナンバーもあったっちゃあったけど、ここまで分離させてきた実験要素をバンドサウンドとして融和させたのが今作で、90s末期らしいプレ・ポストロックな質感があってとても好き。後期Bastroやダビーなスロウコアとして聴けた最初期Tortoise、Rodan→June of 44、End Hits時のFugaziやHoover後のRegulator Wattsといった流れと近い作品だと思う。自分はこの時代の手探り故の変化の最中を記録したアルバム群が大好きだし、次作が名盤と語り継がれてる現代なら橋渡しとなる今作は一番丁度いいアルバムだと思う。

これまでスタジオに入ってガーっと合わせる手法でアルバムを作ってきたらしいUnwoundが長いことスタジオに籠って作った作品とのことで、前作以上に音の分離、各レイヤーを意識させる作りになっていて、M1のDateからサラのタイトなドラムを中心とした硬いグルーヴがより前面に。とにかくドラムの音が気持ちいい。M2やM4は割と従来のポストハードコア路線、でもプロデュースに時間を掛けたからかギターを弾きじゃくり衝動で突っ走っていく今までとはちょっと離れた達観した視点がある気がする。とくにM7のSide Effects of Being Tiredは勢いのある不協和音ギターワークとリズム隊の絡みはイントロから声を上げたくなるくらいテンションが上がるのだが、途中からホーンセクションを無理やり織り交ぜカオスな轟音を挿入し後半はノイズパートへ。ただThe Future of Whatの終盤ほど垂れ流しではなく、変化し続けるギターノイズそれ自体がどこかドラマティックで、Repetitonラストを飾ったFor Your Entertainment的な壮大なEDとして聞ける名曲。今作で一番好き。M8のLifetime Achievement Awardでは深淵に引きずり込まれるような幻想的な雰囲気が漂っていて終盤ではドロドロと視界が歪んでいくサイケデリック・ロック然とした展開を見せる。催眠的な繰り返しはメロウな雰囲気もあって普通に良い曲なのに、後ろでぐにゃぐにゃになった全く別の曲が流れているのが怖い。NO TECH!はちょっとDEVOのような雰囲気のある性急なポストパンク。今聞くとOmniも思い出す。

 

Unwound - Leaves Turn Inside You(2000)

解散前ラストアルバムで2年近くの月日をかけて作られた名盤。前作に引き続きスタジオワークがメインとなったアルバムで、ノイズ~ドローンと言った実験的要素も強い異形の暗黒ポストパンク~ポストロック。キャルヴィン・ジョンソンから機材を借りて地下室にスタジオを自作、ジャスティンが一人で籠って作った曲を主体として肉付けしたらしく、そういった閉鎖的な雰囲気がこれでもかというくらいアルバムに渦巻いている。プロデューサーは何度も対バンしている盟友Lync、Modest MouseやBuilt To Spillといったオリンピア周りのインディーシーンやDusterにも関わったフィル・エック(一応ずっと一緒にやってきたスティーヴ・フィスクもスタジオ作業中に顔を出していたらしい)。前作がBastro後期だとしたら今作はGastr Del Sol、ハードコア出自のバンドが90年代をそれぞれスロウコアやエモ/ポストハードコアを経過してポストロック化していく流れの中にあるとは思うけど、後のポストロック史をある程度辿った視点で改めて聞いてみても今作のような作品って一つも思いつかない、本当にオリジネイターとしての貫禄しかない唯一無二の作品。

M1のWe Invent Youにおける甲高いドローンノイズが既に今作がどういったアルバムかを表明している。M2、M3はこれまでのUnwoundから轟音を取り払ったことでマスロック文脈でも聞けそうな三人の立体的なアンサンブル、捩れたフレーズの絡み合いがこれまで以上に浮彫に。ジャスティンのボーカルは完全にシャウトをしなくなり陶酔感たっぷりでぼんやりと言葉を連ねるスタイルへ。どちらもボーカルが途中から濁って歪んでいくエフェクトが掛かっていきこれまでとは全く違う幻想的な雰囲気がある。M6のDemons Sign Love Songはその路線の極致。個人的にはイントロのサッドなギターリフからグッとくるM10のOctober All Overが一番好き。左右チャンネルを行き来する多重コーラスのサイケデリックなボーカルと叙情的で流れのあるギターワークやドラマティックな展開が陰鬱でいてとても美しい。M9のScarletteやM11のSummer Freezeは前作と地続き感もあるポストハードコアだけどジャスティンのボーカルはかなり抑制されている。後半の実験的なインストナンバーRadio Graから続くM13のBelow the Saltはイントロのドローン的なノイズと儚いピアノの旋律はアンビエントの質感を持った壮大なスロウコア。バンドの奥にあったものが表出してきて全部すっぽり包み込んでしまったかのような雰囲気があって、不穏というよりはゴスにも通じる耽美さがある。Unwoundと言えばこのアルバムが取り上げられることが多いけど、正直今作を最初に聞くのは間違っているような気がして(例えるならRadioheadを聴くってなってThe BendsやOK Computerを聞かずにKid Aに行っちゃう感じ)、到達点及び特異点。初期のハードコア~ジャンクロック的な轟音がほぼ無いため順を追って聞いた自分は慣れるまで時間が掛かった。前作の時点でメンバーそれぞれの関係は崩壊寸前だったらしく、リリース後のツアー中に911が発生し中断、バンドはそのまま解散してしまう。

 

 

Unwound - Peel Sessions(2015)/Live Leaves(2013)

後にリリースされたライブ音源がいくつかあるんですがとくにPeel Sessionは3曲ながら凄まじすぎる内容で必聴です。5thで触れたSide Effects of Being Tiredはアウトロのインストパート含めてテンポが上がりソリッドな疾走感が前面に、コンパクトにまとまっていてかなり聞きやすくなったかと。Kantina / Were, Are and Was Or Isも1stでは分離していた2曲のアンセムが続けて演奏されることで後期の作風と完全に繋がる組曲のようになってるのが新しい解釈で感動が止まらない。Live LeavesはLeaves Turn Inside Youの実験的な楽曲群が意外とストレートにバンド演奏で肉付けされたことで全く違った良さが見えてくるのでセットで是非。とくにLook a Ghostがヤバくて普通にCorpse Poseといった以前の曲と地続きであったことが違う視点からハッキリわかる。October All OverやBelow the Saltといった幽玄なナンバーも多数収録されてるけど意外と肉体的な側面も見えてきて最高。そして終盤Valentine Cardという全力のポストハードコアで全部バーストさせる展開も熱い。

 


 

この後の経緯やそれぞれのキャリア、またジャスティンが10年以上の時間を空けて初期Unwoundのドラマーだったブラント・サンディノと組んだSurvival Knifeに関してはこちらのブログで語られています。自分もUnwoundを知った直後はこの記事をガイドにしてアルバムを聞き進めたのですが本当にわかりやすくバンドの経緯や各アルバムの変遷、魅力について描かれていて読んでるだけで胸が熱くなり自分がこのバンドをここまで好きになったのも間違いなくこの記事のおかげだと言えるでしょう。活動時リアタイで追っていたのではなく解散直後に知ったとのことですがそれでも00sや当時の後追いの自分ではわからない話題がいくつもありいつ読んでも本当に面白いです。海外インタビューのリンクも何度も読み返したのですが現在見れなくなっててちょっと残念。

 

Music | Unwound

 

音源に関してはリイシューが本当に充実していて、Numero Groupがこれまでの音源を時期ごとに分けたKid Is Gone/Rat Conspiracy/No Energy/Empireと4つに分けてリリースしています。写真集やライナーがつくフィジカルは完売ですがジャケのアートワークが超かっこいいし内容の充実度とボリュームを考えるとデータ版も格安で自分もお世話になりました。Unwoundは解散後00sを経てポストロックは激動の時代を迎えどんどん新しい形で広まっていきますが、活動当時よりもアンダーグラウンドのレジェンドとして評価を高めLeaves Turn Inside Youは元々USインディーやポストハードコア、オルタナティヴ・ロックのファンの枠を飛び越えて実験的な作品として広く認知度を上げています。自分も最初に見かけたのはこのアルバムでした。ベースのヴァーン・ラムゼイは2020年に惜しくも亡くなってしまいますが、ラインナップを変えて2022年に再結成、2025年に来日ツアーも。今後もまだライブを見れる可能性が少しでもあることがありがたい。

UnwoundはポストハードコアのレジェンドでありながらそれこそDCでのDischord Recordsやシカゴ周辺のTouch and Goなど当時盛り上がっていたシーンと意外と直接リンクは無かったり、オリンピアを拠点にしていたからというのも大きいけど記事内で何度も触れたシアトル周辺のインディーシーンとリンクが大きく独自の繋がりがたくさんあるアーティストだと思います(それこそライオットガール関連やキャルヴィン・ジョンソンやスティーヴ・フィスクなど)。音楽性が近いものだとLyncやKarpといった同郷勢、Sonic YouthBlonde Redheadといった直接交流があったノイズロック、あとTrail of  Deadの面々は前身バンドがオリンピアで活動していて仲が良かったと彼らのライナーノーツで触れられてました。ヴァーン・ラムゼイが主宰していたPunk In My Vitaminsに所属しているバンド群はスロウコアに寄ったものも多くこのブログで書いたアルバムもあるのでおすすめです。普通にSlintやRodan関連とセットで聞くのもいいかと。個人的にLowercaseとSteel Pole Bath Tubは大きなリンクを感じてとても好き。オリンピアということでModest Mouseとも多数共演していたらしく、今でこそポストハードコアとUSインディーって分けられてしまってるけど、当時は今ほど境界はなかったのではないかと思う。それこそLyncはハードコアなのかインディーロックなのかわからない絶妙な位置にいるし、SilkwormやPolvoのようなバンドがTouch and Goで出していたり、逆にDusterがUpに所属してたのも近いものがある気がする。

以上でした。どのアルバムも思い入れが強く、元々は昔書いた記事内でUnwoundのアルバムをいくつか取り上げていたのでそこで触れなかった作品を追加して公開する予定だったんですが思い入れが強い作品が多くて勢いで全て書き直すことに。それこそ自分が多大に影響を受けたもっとコンパクトにまとまっている上記のcoldburn blogで十分かなとも思うんですが、少しでも参考になれば幸いです。