朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

20200423 Fiona Apple~Kensei Ogata

Spotifyを導入してからというもの話題の新譜をどんどん気軽に聞けるようになった。なってしまった。先日フィオナアップルの新譜が出たんですがこれピッチフォーク様が10年ぶりに満点をつけるという大事件が起きたんですよ。TLで盛り上がってたから聞いたらこれがめちゃくちゃかっこよかった。

2012年に出た前作はアコースティックに極限まで拘り、なのにまともな曲調ほぼないんじゃね?てくらい実験性にまみれてて非常に刺激的な作品で、聞いてもさっぱりわからんような音楽だったんですよ。でもそれがかっこよかった。でそのハードルはめちゃくちゃ高かったんですが、そのスタイルを継承し少しモダンジャズに寄せて普遍的なポップスに接近した感じと言うか、とにかく正体不明なままかなり聞きやすくなってました。



で最近、出てくる音楽どれもこれも新しく衝撃を受けるものばかりで、びっくりしてこれは大傑作だ!て熱狂はするけど、そのときの自分を後々読み返したり思い返すと「これ確かに画期的ですげえ!てなったけど、本当に俺の好きな音楽なのか?」て思うことが多々ある気がしてくる。

ファーストコンタクトの衝撃がそのまま作品の評価に繋がりすぎてしまうというか、いや、そもそも評価って言うけどそれは俺の「好き」なのか?みたいな、とにかく、自分でもわけわからなくなってしまった。金払ってるしサブスクをうまく使おうみたいな強迫概念と、話題の音楽、今の音楽をキャッチしよう、みたいな無駄な意識の高さが全部邪魔してる。サブスク嫌いで始めるまでかなり時間がかかったが、プレイリスト共有やベスト漁りでうまく適応してたような気がするが、やっぱ俺は違うのかな、とか思えてきた。

俺は俺が好きな音楽を好きなだけ聞くのが一番幸せなんじゃないのっていう、そういう当たり前のことを忘れてる気がする。そう考えるとこれ(2019年旧譜まとめ - 朱莉ちゃんレコード)書いてるとき本当に楽しかったのは、やっぱこっちが真髄なんだと思う。

そんなわけで、先日出たKensei Ogataさんの新譜「Things I Know About Her」が最高でした。関係者で聞いた方の前評やツイッターの感想が絶賛の嵐だったので楽しみだったんですが、とにかくこれは間違いなく「俺が大好き」なアルバムです。パワーポップ~透明感のある爽やかなオルタナティブさと瑞々しい歌ものでバンド編成初アルバムとのこと。コロナ禍でライブの予定はキャンセルされまくりという、人生でも最悪の春ですがめちゃくちゃ春を迎えるのにぴったりな作品です(最近寒いけど)。

ちなみに昨年熱狂して旧譜ベスト1位にする程に推してたHanazawa EPの人なので、本当にこの人のファンなんだな、と思い知らされました。