もう8月ですが、2024年上半期(1月~6月)に聞いていたものをまとめようと思います。私的な日記を書き残す習慣があるのですが、ライフワークとして音楽を聞いたり音楽雑誌や書籍を読んだり、音楽映画を見たり新譜をチェックしたり・・・という流れが日常の中にあるため、どうしても音楽に寄ってしまうこともちょくちょくあり、せっかくなのでそういったものだけでもここに残していこうと思います。
2月にStop Making Senseが全国でリマスター版の上映したときに見てきた感想。自分は元々海外の音楽を聴く方が日本語の音楽を聴くより圧倒的に割合が多いのに、だからと言って和訳を毎度ちゃんと調べたり全ての歌詞カードに目を通してるわけではなかった。今回、映画としてライブを一通り全部歌詞の字幕付きで見るというのがとても新鮮で発見が多すぎて、当たり前のことだけど言葉がわかると音楽の認識が変わったり、ステージパフォーマンスに新しい目線を加えてくれて、ちゃんと歌詞を意識して音楽を聴く人ならもうとっくに無意識にやってたであろうことを、長いこと海外の音楽を聴いてきた自分が今更気づくことになった。画面上に文字として出てくるっていうのがやっぱり大きい。
Talking Heads - Stop Making Sense(1984)

メンバーが一人ずつ参加してくって演出が熱いですね。サイコ・キラーの歌詞こんな感じなんだと結構驚きがあった。デヴィッド・バーンのこと自分はどんな人か熱心にインタビューを漁ったりしたこともないのでよく知らなかったけど、歌詞を見ながらパフォーマンスを見ているとすごく孤独で神経質な人なんだなと思ってしまう。そしてああいう歌詞を書く人が、こうやって大所帯でバンドやってるからこそ、名曲This Must Be The Placeのアウトロにおける一人電気スタンドで遊ぶシーンが本当にグッとくる。美しすぎて映画史に残る瞬間だろうと、本当に涙を堪えるのに必死だった。ライブ、やっぱパーカッションいるとめちゃくちゃシンプルに上がってしまうし分厚いコーラス隊の緩急とかも音源で聞くよりよりはっきり出てくるので、Slippery Peopleとか音源では気にしたことなかったですがとてもグッときた。その後にBurning At The Houseのシンセのフレーズが流れてきて観客が湧く瞬間とかめちゃわかりますよ、自分も大きく声を挙げたくなったし、劇場で一緒に拍手したくなってしまった。
あとは超今更、ファンにはもう当然周知の事実だったんでしょうが、やってるしせっかくだし見ておくかくらいの感覚で来ちゃったのでバーニー・ウォーレル(P-FUNK軍団)が参加してたのかなり驚いた。最後の一人ずつメンバーを紹介するくだりのとこです。昨年突然ファンクにハマって一年中Parliamentとか彼のソロを聞いていたので本当にタイムリーだったし、前も調べたときとかに名前を見てはいたんだろうけど当時気づけるわけもなく・・・それもあって大所帯だしファンクバンドのショーみたいな色も強くて、その辺のグルーヴが強く出たGirlfriend Is BetterとかMaking Flippy Floppyが今聞くと一番好きかもかもってくらいしっくりきますね。ていうかStop Making Senseってタイトルはこの曲の歌詞から来てたんだというのも初めて知った。
Talking Heads - Speaking in Tongues(1983)

てわけで映画見た途端めちゃくちゃハマっているのがこのアルバム。This Must Be The Placeは元から好きだったけどそれ以外ほとんどしっくりきてなかったし、ファンクとして聞くにしても音がちょっと埋もれた感じするというかあんまり分離が良い楽器の生っぽさとが感じられなくて、もっとソリッドにしてほしいというのが正直な気持ちでした。今はライブ映像を見たりファンクをたくさん聞いたりしたことで色んな角度の目線をもらえて、このちょっと淡白で機械的な雰囲気が最高。昨年からPrinceをよく聞いたおかげもあると思います。逆にここハマってからエレポップ/ニューウェーブの感覚で聞くPrinceも発見が多かった。
Speaking In Tongues、基礎のビートに絡みつく各パートが全然ねちっこくないのが良いですね。SlyとかPrinceほどミニマルに整頓はしないバンドっぽさ、そしてエレポップ風味なのも良いし、ディスコと距離を取ってあくまでロックバンドのショーとしてやろうとしてる感じもある(これはライブ映像を見たおかげかもしれません)。昨年よく聴いたSteely Danとか、ブルーアイドソウル系のおかげで以前より理解度が増したと思うし、2ndとか3rd辺りのThe Policeとも並べて聞ける感じがする。むしろこれもまた相互補完でThe Policeを聞き返すのが楽しいし、この辺からパンク(というかロック)サイドから80sポップとは別のラインでブラックミュージックでどういうアプローチがしたかったかも見えてくる気がする。
あと一昨年にキンクリにハマって(しかも80s)、そこでよく聞いてたBeatとかあの周辺作が割とTalking Headsっぽい色が強くてそこから遡る形で好きになったのかもしれない。今回のSpeaking In Tonguesが完全にそうですが長いことあまり深くハマれてなかったバンドが何週かして戻ってしっくりくるということが最近は多く、新譜を漁るより旧譜やライブラリ内を聞き返すのが楽しくてしょうがありません。ソウルやファンクってのはロックやジャズの黎明期から密接でお互いに影響を受け合っていたルーツの基礎の基礎の部分だろうし、自分が好きな今の音楽から辿っても絶対どっかしらぶつかるのでその原初の部分を昨年たくさん聞いたのはかなり大きかったです。以下、2022年のまとめ記事でやったその頃のキンクリ感想のそのままコピペ。
ディシプリン期にハマり超聞いてた。体制も違うし70sとはもう別物で、元々苦手だったんですが知人がディシプリンを「トーキングヘッズみたい」と評したことでトーキングヘッズの亜種として数年ぶりに聞き返しました。そしたら世界が変わったかと思うくらい恐ろしく新鮮に聞こえてきて、なるほどマスロックの元祖として聞こうとしてたことが駄目だったんだなと理解し見方を変えることでこんなにしっくり来るのかと、そのまま未聴だったBeatとThree of a Perfect Pearを購入しドハマリ。プログレ時代に培った強靭なリズム隊とユニークなギターリフを下地にしたニューウェーブ的な雰囲気があり完全に新しい、彼らしかやってない音楽になってます。
YMO - テクノデリック(1981)
Talking Headsをきっかけに聞き返してた数枚の一つ。テクノデリックは邦楽でオールタイムベスト挙げろと言われたら真っ先に浮かぶアルバムですが、今聞くと体操がTalking HeadsのOnce In a Lifetimeすぎて笑った。父親が言うにはTalking HeadsはYMOメンバーの当時のラジオでも名前が上がってたらしいです(当時リアタイでラジオを聞いてたらしく、真偽不明ですが他にも80sイエスやポリスやXTCなども名前が出てくることがあったとのことで結構それっぽい)。自分は子供の頃からThe Police及びスティングを聞かされて育ってきたのも割とこの辺が関係していたみたいで、他にも上記の通りラジオを辿ってアンディ・パートリッジのこと知ったり、80sポップ期のYesのレコードを持ってたりする。父親は音楽好きって感じでもなく、特別ライブに足を運ぶタイプでもなく深いとこ掘ったり自分から情報を熱心に集めるタイプではなかった。そんな父親でもラジオを欠かさず聞くくらい当時お茶の間にYMOが浸透していて世間への影響が強かったことがなんとなくわかる。メンバーは普通にバラエティとかにも出ていてアイドル的人気もあったみたいなので、今ではレジェンドだけど特別音楽好きではないライトなファンもたくさん付いていけたのではないかと。
以前完全に同年代の音楽好きの知人と話していたら、知人の叔父のレコード棚のチョイスがThe Policeとか80sのYesとかYMOっていう奇跡的リンクを見て、そういう層、そういう世代の人たちが一定数以上いたことがわかってそういうのを想像しながら聞くのはちょっと面白かった。ネットもなかったし、音楽雑誌を買うほど熱心な人達でなくても、メンバーが有名すぎるから昨日の坂本龍一のラジオ聴いた?とかそんなノリで普通に中学校とか高校で繰り広げられ、そのネットワークである程度近い傾向の音楽を収集していたのかなと想像する。
The Police - Zenyatta Mondatta(1980)/Ghost In The Machine(1981)
そんな感じへThe Policeへ。Zenyatta Mondattaは中~後期Talking Headsや同時期のPrince、Steely Dan辺りとも並べて聞いても多角的に面白いアルバムだなと思います。M1とかM4とかこんなにファンクの感触強いアルバムだったのかとか、またSpeaking In Tonguesのようにエレポップとの融和という観点でもとても楽しく聞ける。Ghost In The Machineは実は一番最初に聞いたアルバムでこれも父親の棚にあったのをジャケで選んだのがきっかけです。近未来SFっぽさが強くてアルバム通した煌びやかなのにどこか怪しい雰囲気は不思議な魅力がある。今聞くとレゲエ色が思ったより強くて驚きます。
最近ユニオンで見かけて購入したバーニー・ウォーレルのソロですがライナーノーツを読んだらしっかりデヴィッド・バーンが参加してました。
何度見ても泣けてしまうライブパフォーマンス。最も感動する終盤のソロは本編で是非フルで。