朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

年間ベスト2022

今年は積極的に新譜を掘ったわけではないですが、話題作としてよく上がるものはなんとなくチェックしていて、その中でも繰り返し聞いてたアルバムを並べてベストとして1枚1枚書いておきたいなと思いまとめました。新譜10枚+再発1枚と枚数は少ないし網羅的なリストではないですが、今年ブログで書いてきた旧譜や自分の音楽趣味がしっかり繁栄された選出になってると思うので一つの視点になってくれれば幸いです。


(タイトルのリンクは全てsongwhipに飛びます)

 

takujirosadae - danial of skies

Butter Sugar Toastのフロントマンであるtakujiro氏によるソロアルバム。5thということで宅録による過去作もbandcampに上がってますが、今回はSPOILMANやsassya-で知られるユニオン主催のKerosene Recordsよりリリースされ初めてフィジカルでも発売されました。Butter Sugar Toastでやっているハードコア路線とは全く違ったアコースティックギターを中心とした宅録弾き語り、テープノイズのザラついた質感が幽玄な揺らぎと親近感を良い具合に共存させ醸し出してくれてます。メロディーは冷たいように思えその実心の隙間からそっと入り込んで寄り添ってくれるような、今年聞いた音楽で最も孤独で、最も優しいアルバムだった。Alice In Chainsのアコースティック路線やってるときのレイン・ステイリーから感じる異界というか向こう側から鳴っているかのような狂気と安らぎが同居したそれと同等の雰囲気、あったかさがあります。エリオット・スミスが好きな人も是非。

 

deathcrash - return

このアルバムについて僕はリリース直後に単発で感想記事(deathcrash - Return(2022) - 朱莉TeenageRiot)を上げていて上半期ベストにも載せてるので今作の素晴らしさについて1年中語っていたと思います。そしてそれは今でも変わらず、もし順位付けをするとしたら年間ベスト1位、ここ数年リアタイで聞いた新譜では本当に大切な作品になりました。

サウスロンドン出身でBlack Country,New RoadをSlintの系譜へと向かわせた確信犯。deathcrash自身初期EPがMogwaiライクな作品でしたが、そこから更にルーツとも言える90sアンダーグラウンドのスロウコア/サッドコアの世界へ現代の感覚を残したまま逆行していきます。スロウコアの音の響き一つ一つを大切にした「部屋まるごと持ってきた」ような生々しい録音をふんだんに生かし、ひたすら内面へと潜り続け痛みを反復させるような、そしてそれに蓋をするのではなく、轟音とともに外に向かってくカタルシスにまみれた1曲目「Sundown」がスロウコアとして聞くにはあまりにもドラマティックで涙無しには聞けない。The New Yearのようなインディーロックやアメリカーナとも通じる枯れたメロディラインも所々顔を見せこれも非常に味わい深く、またしても殻に閉じこもって今度は内向きに激情を加速させる「Doomclash」から最小限のボーカルで風通しの良い「The Low Anthem」で終わる流れにも泣いてしまう。90年代のレジェンドであるBluetile LoungeやCodeineのハイブリッドのようなバンドだなと思ってたんですが、その2バンドが今年になって動きがあったりDusterの新譜が出たのもまた驚きでした。寒い時期にどうぞ。

 

Ellen Arkbro & Johan Graden - I Get Along Without You Very Well

元々はオルガンやドローンにフィーチャーした作曲家であるエレン・アークブロとスウェーデンの盟友ヨハン・グレイデンが組んだコラボレーション作品。他にもスウェーデンのジャズシーンを中心に名立たるアーティストが参加していて関連作をまとめてくれているよろすず氏のNote記事(アルバムレビュー:Ellen Arkbro & Johan Graden『I get along without you very well』|よろすず|note)がとてもわかりやすかったし僕はこのNoteを読みアルバムを購入しました。ソロ名義の前作もとても良かった。ドローンに精通していたというのもあり既存のファンにはボーカル主体になったのも驚きだったようで、極上の音響で音数の少ないバンドアンサンブルにホーンが多層的に乗っかり常に地に足が着いてないような、浮遊感と透き通った音響がとても心地いいアルバム。

今作Thrill Jockyから出ていてそれも納得というか、シカゴ音響派が音を極限まで減らしたアンビエンス漂うミニマルな世界観と確かに近いものを感じるし、Rob MazurekやDavid Grubbs関連の諸作と並べて聞きたくなる。この極限まで演奏を抑えたミニマルなドラムがリズムキープよりも響きを重視していて、繊細なタッチで空間を楽しむ聞き方ができるという点で僕はすごくスロウコア的な作品だと思います。全ての音の鳴りからフェードアウトして次の音が鳴る瞬間まで、余白だらけの抒情的な景色が目の前に広がっていく感覚が本当にたまりません。

 

Duster - Together

90年代のスロウコア大御所ことDuster、2019年に再始動し今年の4月に全く前情報無いまま突如新作がリリースされました。しかもそのままメンバーであるジェイソン・アルベルティーニが脱退し現体制最後でもある色々と驚愕の新譜。ここ1~2年でNumeroから一気にDuster周辺の変名プロジェクトやバンドメンバーの関連作が解禁されましたが、それらを聞いていると90年代彼らはジャケや曲名から「月」「宇宙」と言ったコンセプトに拘っていたことがわかってくる。あのファジーで全体を覆ってしまうノイジーサウンドもそのSFな世界観と被ってきたし、2019年の復活作「Duster」はそのスタイルをもう一歩進めノイズを追求し更に現代のオルタナに迫った大名盤でしたが、個人的には、そういったノイズ要素を薄めむしろ今までにない新しい音楽性を見せた今作の方が何故か初期Dusterっぽさを強く感じ、懐かしさすらありました。

それはたぶん、前作は「オルタナすぎた」というか、僕の中のDusterらしさってそのノイジーな面ではなく、今作にあるとてつもなく気怠そうな雰囲気なんでしょう。そう、めちゃくちゃ気怠い作品です。全てを諦めたときに聞きたくなる。隙間を埋めるノイズが減ったことでアンサンブルのミニマルさが強調され、しかしスロウコアとしては重心が低すぎるってくらい一つ一つの音が重く、鈍い。金属的、なんて言葉を僕はよく使ってしまうんですが今作のDusterは例えるなら鉛って感じですね。どうも煮え切らない音の潰れ方、初期のどこか暖かみのあったサウンドも今作はどうも素っ気ない。ノイズ要素もB面から顔を出してきますが、自然とアンサンブルに一つのフィルターとして完全に溶け込んでいるのは最早職人芸、ダークな雰囲気も相まってゴスっぽさすらある。音楽性はスロウコアというより遅いポストパンクって方がしっくりきますが、サウンドを変え新たな道筋を示しつつ強烈に初期を連想する芯が残っているって大御所の新作としてはもう完璧じゃないでしょうか。

 

SPOILMAN - HARMONY

昨年も年間ベスト級に聞きまくったSPOILMAN、またしても1年足らずの新譜で今作Kerosene Recordsより。これがめちゃくちゃヤバかった。1曲目Cairoの12分に渡る狂気的セッション、バチバチのぶつかり合いと長尺なギターソロで緊張感を途切れさせることなく、常に喉元に切っ先をつきつけられてるような気持ちで突っ走っていきます。この時点で前作まで比較されがちだったJesus LizardShellacと言ったTouch and Goライクなポストハードコアの流れで語ることは不可能。続くTiramisuではアルバム公開前にライブで聞いた長尺のノイズ垂れ流しパートがそのまんま音源になっていて、即興のライブアレンジだと思っていたのであの抑制されてないライブハウスの空気感まるごと持ってきてしまったような録音でこれにも驚きました。

リリース時に単発記事(SPOILMAN - HARMONY(2022) - 朱莉TeenageRiot)でも書いたのですが今聞いてもやはり凄まじい。狂気にまみれたノイズロック~ポストハードコアを盟友団地ノ宮と組むことで全く新しい場所から発していて「HAPPY LIFE」での不穏なノイズと弥子氏の異世界から鳴ってるようなポエトリーディングのコラボレーションはもう呪術的ですらあります。もう誰も追随できない、○○っぽいという言葉全てが無意味になったSPOILMAN以外誰もやってない音楽だと思います。

 

Pot-pourri - Diary

HEADZよりリリースのPot-pourriの2nd。レコ発ワンマンも行きましたが一年を通して聞き続けたアルバム。それこそ8月にSPOILMANと共同企画の対バンがあったのですがこれが本当に素晴らしかった。お互いやってる音楽の方向性は違えど、バンド名=ジャンルのような確固たる世界観、完全に独自のビジョンを持っていてこの2バンドが同年に新譜を出し企画を打つことにすごく必然性を感じたし、これらをリアルタイムで追えることが嬉しくてしょうがなかった。

アコースティックギター+ドラム+ベースのアンサンブルをプログラミング担当の液晶氏がリアルタイムで音をいじるという特殊な体制により、スッキリとしたスリーピースのアンサンブルにエレクトロニクスが混ざり空間を捻じ曲げてくような完全に独自の音世界があります。1曲目「Astra」のイントロから地の底から湧き出るような強烈な低音はすごく立体的で、「Comic」「In Profile」での左右の耳を行き来しながらバンドとエレクトロニクスの境界を曖昧にし溶け合わせてくような音像や、「Vertigo」「Papillon」では隙間を生かしたバンドアンサンブルに依存した電子音楽のよう。ミックスはメンバーでもある液晶氏、マスタリングはROVO益子樹を迎えていて、どの曲聞いててもぼんやり情景が浮かび上がってくる三次元的な音楽というか、それぞれの音の配置に大きな意味を感じるしすごく想像力を掻き立てられるんですよね。6曲全て違う景色を見せてくれる今作が「Diary」と名付けられているのにもとてもぐっときた。

個人的にはアブストラクト・ポストパンクを掲げた1stとは全く違った印象で、アコギの響きと歌を大切にしたエクスペリメンタルなフォークミュージックとしての側面も持ちながら、音源だとAstraやDiaryでの打ち込みによる反復のビートが心地よくて電子音楽としても夜にめちゃくちゃ合うアルバムだった。僕は基本的に車内で音楽を聴くことが多いんですが、仕事帰り夜の帰路にこれ程しっくりくる音楽は中々無かったしそれもよく聞いていた要因な気がします。また3ピース+プログラミングという形態によりライブでも毎回違った味付けが施されるので、ライブ自体が新しいリミックス集を聞きにいく感覚というか、ライブバンドとして活動を追うのもすごく楽しい一年でした。

 

Sam Prekop and John McEntire - Sons Of

こちらもThrill Jockyからリリースのジョン・マッケンタイアとサム・プレコップというポストロックシーンを支え続けたSea and Cakeの二人によるコラボ作品。とは言えポストロックを想起する作品ではなく、サム・プレコップの直近のソロでのモジュラーシンセをメインとした電子音楽作品の延長というか一つの派生形という感じです。4曲57分と一曲一曲が長いですが、変化する音色とリズムのグルーヴが本当に曲が生きているような気持ちになり飽くことなく聞けるし、ドライブ中なんとなく流し聞きするのにとても丁度良かった。こちらもリリースされてから2022年ずっと定期的に聞いてました。

今作、実際Sam Prekop and John Mackentiaとしてライブ活動していたときの即興演奏がアイデアの元になっていて、サム・プレコップはシンセを、マッケンタイアはビートを打ち込んでセッションのように音を重ね合わせていったライブ録音を編集して練っていった作品らしいです。なのでまんま現場で出来上がった曲達で、楽しんで掛け合いをしてる姿が目の前に浮かび上がるような、変化する音色やシーケンスを二人が作っていくその旅路を封じ込めたようなアルバム。ちなみに今作もHEADZから日本版が出ていて解説・ボーナストラック共に素晴らしく、先のEllen ArkbroやPot-pourriと言い今年は一年を通してHEADZにお世話になり続けていたと思う。

 

The Orielles - Tableau

先月こちら(20221102 聞いた新譜とか - 朱莉TeenageRiot)で書いたのでよければどうぞ。1stリリース時に初期OGRE YOU ASSHYOLEと重ねて聞いてて当事から好きだったのですがコロナ禍でライブ活動ができなくなったことにより環境が激変、セルフプロデュースということでスタジオで練り上げていったモノクロームな完全オリジナルのサウンドへと変貌していきました。

ジャズやインプロ色も強い不規則なアンサンブルが隙間を埋めるように絡み合い、スタジオワークでのエレクトロニクスやホーンも局所的に顔を見せ、ぼやけたボーカルの多層的な録音はどことなくサイケデリックな印象も漂う実験的なインディーポップ/ポストパンクなアルバム。曲を牽引する特徴的なドラムが個人的にとてもツボで僕はこれ聞いて初期Soft MachineやCANを少し思い出しました。アナログで聞くと「Improvisation 001」の長尺の実験的な曲の情景描写がすごく鮮明でより浸ってしまったし、1stのインディーポップ期も想起する80sっぽい煌びやかな「Television」「The Room」と言った曲のポップな彩のある曲にも強烈に惹かれる。

 

Spoon/Sherwood - Lucifer On The Moon

2月にリリースされたSpoonの新譜である「Lucifar On The Sofa」を巨匠エイドリアン・シャーウッドが全編ダブ仕様にリミックスしたアルバムで、元アルバム自体をちゃんと聞いてなかったんですがまずその組み合わせがどんなサウンドか気になってしまい、いきなりこちらから入りドハマりしました。On-Uの錚々たるセッションプレイヤー参加していてビートを再構築、原曲を大切にした塗りつぶし過ぎない音響と音の差し引きが絶妙で、追加トラックもアナログ録音のみという拘りよう。原曲にあるキャッチーな歌や爽快なギターリフをある程度残した上で洗練されたダビーな音響やリズムを楽しむことができる最高のアルバム。しかもリミックス集というよりは曲順も大幅に変わり新たなアルバム名を冠している辺り完全に一つのアルバムとして作られてます。スクリーマデリカとも近い雰囲気で聞けるかも。

で意外とそこまで極端なリミックスはないというか、別物ではあるんですが例えばこのフレーズOn-U側が追加したんだろうな・・・と勝手に思ってたものが原曲にそのまま入ってて驚くシーンも多かった。パブロック的な色もあったLucifar On The Sofaを聞いてダブを連想すること僕は無かっただろうし、でもこんな作品を提示されてから聞き返すと気づくことが多く、リミックスを聞く楽しさを存分に堪能できたと思います。今思えば前作のデイヴ・フリッドマンによるHot Thoughtsはとことんドラムの音が練られたファンキーな作品で、Spoonは初期のクラウトロックのフィーリングがふんだんにあった時期から隙間を大事にしたバンドでずっと構想はあったのかもしれません。また今作の成り立ちについてMikikiで公開された対談記事(スプーン(Spoon)『Lucifer On The Moon』ブリット・ダニエルとエイドリアン・シャーウッドのダブをめぐる対談 | Mikiki)がお互い寄り添って出来上がった名作というのがわかりとても良かったので是非とも。

 

Fonetaines D.C. - Skinty Fia

リリース時からずっと好きですが、未だに理解しきれてない作品かもしれません。2019年話題となった1stを聞いたとき僕はThe FallやSwell Mapsのようなガレージパンク寄りのポストパンクの系譜として聞いてましたが、2ndで大化けしもうポストパンクというジャンルの枠は意味を成さず、そんな2ndと完全に和解できないままリリースされたのがこのアルバム。ポストパンク、ゴス、オルタナブリットポップトリップホップと言った、各メディアやレビューで見てきた今作の評が自分の中のジャンル観とはどうも重ならずいくら聞いてもしっくりきませんでした。でも曲は好きだし、全貌が見えないからこそ繰り返し聞いてしまう。たぶんペースを落としたズッシリとした曲が多く、そこが性にあったような気がする。ドロっとした、まとわりつくような空気の重さとか、ジョシュ・オムと組んだArctic Monkeysが3作目のHumbugで見せたヘヴィネスのような、今年のDuster新譜とも近いとこあると思います。しっかり聞かせてくる気怠いボーカルの仄暗い雰囲気もただ陰鬱なわけでなく、どことなくメロウでノスタルジックなのも今までのFontaines D.C.のイメージには無かったし、自分の欲しいものがたまたまここに詰め込まれてたんじゃないかという気がする。

Skinty Fiaというタイトルは「鹿の天罰」という意味で、彼らの地元アイルランドでは古くから伝わることわざでジャケットもそれが由来らしい。1st2ndの激動のリリースペースとライブを繰り返していた彼らが、パンデミックで今一度己のルーツに立ち返り練り上げていったアルバムらしく、今作のインタビューでも地元や歌詞の話が多いんですよね。アイルランドという難しい境遇で成り立った国の土着性や文化がこの憂鬱でダークなサウンドの地盤になっているんだろうし、音楽性だのルーツ云々語るのがもう野暮なのかもしれないが、そういうムードが滲み出たこのアルバムに自分は居心地の良さを感じていたのだと思います。

 

Codeine - Dessau

スロウコアというジャンルにおいてRed House Paintersと並び最も影響力のあるバンドであろうCodeineの未発表音源がNumero Groupからリリース。Mogwaiのルーツとしても有名で、94年作の2ndにしてラスト作「The White Birch」の前にセッションで出来上がっていた曲群が録音の不具合で破棄され、そのままドラマーのクリス・ブロコウは脱退しお蔵入り。その後ダグ・シャリンが新しく加入し再録されたものが今出回っているThe White Birchですが、今回その破棄された音源を発掘しなんと復元、クリス・ブロコウによる本来あったかもしれない幻のアルバム。

凄まじい。未発表音源集とは思えない統一感がありまとまったアルバムとして聞いてなんの問題も無く、The White Birchにあった数曲+それ以前のEPやシングルB面の曲も収録されているんですが、曲順も練られていて普通に新作です。そもそもスロウコアという音数の少ないジャンルでドラマーが変わるのは同じ曲でも大きく印象が変わり、クリス・ブロコウの極端な静→動の展開はすごく激情的な爆発力があり、淡々とリフを重ねるように叩くダグ・シャリンとは対比的でそれは開幕「Sea」から非常に強く出ている。元になったThe White Birchはジャケのイメージもあり、このジャンルに付託しやすい閉鎖的な息苦しさや貧しさが出ていてすごくサッドコア然としたアルバムでした。今作テンポが上がりドラマーやミックスが変化したことでどことなく音の分離や抜けがよくなっていて、The White Birchにあったもたついた不穏さはガラリと変わりもう少し外に向かってくような、風通しが良いけどちょっと憂鬱なくらいの趣になって非常に聞きやすくなったのではないかと。つまり、エモからもアクセスできる作品になったと思うんですよ。個人的に「Jr」「Realize」が轟音の中でも奥行きのある生々しいドラムがより強調されていて特に好きです。

今年はBluetile LoungeやDusterと言った90sスロウコアレジェンド達が音源を出していたり、同じくNumeroからRexやKarateが再発されその手のファンとしては非常に活発な一年でした。とくに話題となったKarateは後期こそジャズですが初期作品はもろCodeineの影響を受けていたり、上記のdeathcrashや同じくサウスロンドン出身のcarolineはこの辺のスロウコアやルイビル~シカゴ周辺のポストロックへと至るシーンとも共通項がある。Codeineはシカゴ音響派の大元であるBastroとスプリットも出しているので、そういった観点でもこのタイミングで彼らの新音源を聴けるのは大きな意味があると思います。


 

以上でした。順位はありません。他にはAlex GやSkullcrasherと言ったインディーフォークもかなり聞いていて直前まで書いてたんですが、文章量的にもここで一旦まとめておこうかなと。あとはExplotion In Soundsの諸々の作品、bandcampのslowcoreタグは常にチェックしていてその辺にもフェイバリットがまだまだ多いです。邦楽だとOMSBとTTUDをよく聞いていて、あとは岡田拓郎や浮と言った音響が心地いいアコースティック寄りな作品群も好きでした。年間ベストと銘打って選出したのは3年ぶりになりますが、広いジャンルで並べるよりも1枚ずつフォーカスして個人の色が見えるものがいいかな、というか自分自身そういうベストが読みたいなと思い、書きながらしっくりきたものをまとめてこういう形にしています。

 

関連記事

Dusterの欄で書いた最近再発された90年台Duster関連作、変名プロジェクトのValium Aggeleinや前身でありスペーシーなコンセプトを継承したCalmなどについてはここで書いてます。

 

Codeineに関してはこちらの記事で代表作である1st、そしてクリス・ブロコウ脱退前の本来のThe White Birch、2ndから参加したダグ・シャリンの諸々の作品について書いてます。June of 44は来年2月に来日が決まっていてとても楽しみ。