朱莉TeenageRiot

棚,日記,備忘録

discography⑤

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最近ちょっとポストロックブームがきてるんでディグって良かったやつとか、聞き返したやつとか、あと近いなーって雰囲気の好きなポストロックを8枚。


 

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Bastro→Gastr Del Solを率いてまさしくハードコアがポストロックへと発展していくその様を体現しているデヴィッド・グラブスによるソロ作。ちゃんとリリース追えてるわけではなくかなり多作っぽいんですがこれは一応4th?で時期的にはGastr Del Sol終了後ってのもありソロだしより実験的になるのか・・・と思いきや、かなり聞きやすいSSW的な作品になってます。でも確かにサーストン・ムーアとかパホ(Slint〜Tortoise)とかバンドで実験的なことやってる人こそソロではシンプルな歌ものが多い気がしますね。

とは言いつつ今作、ソロでもかなりポストロック的な質感で一曲目の「Seagull And Eagull」から再生してマスロックだったのが非常に好みで、緩やかな歌物SSWにマスロック的なリフって感覚としてはアメフトとかと近い感じで聴けますし、何よりフレーズがもうオリジネイターとしての貫禄たっぷりでインプロ的に自然と出てきたギターリフが素でマスロックになってしまったという雰囲気があります。さすがBastroで元祖マスロックと呼ばれていただけあり、やっぱ地続きなんだというのもわかるのが良かったです。ちなみに今作ジョン・マッケンタイアがドラム叩いてるようで布陣もBastro、なんですがこの時期の彼と言えばThe Sea And Cakeだしそっちと並べて聞けますね。 

 

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引き続き次作、めちゃくちゃ良くて今まで聞いてなかったの後悔する程ハマってます。相変わらず自然体でギターを弾いて歌を歌うSSW的アルバムですが、前作での弾き語りを肉付けしていったという感じからよりロックバンド的アルバムになってる気がします。ギターも分厚いし所々バンド全体でドライブしてくようなとこもあるし(Pinned To The SpotとかDon't Thinkとかかなり好きです)、ポストロックってより普通にもうUSインディーって感じで聴けますね。とか言ってると終盤で内なるGastr Del Solが顕現して前半からは想像もつかないくらい実験的なインストへと放り込まれるのは流石としか言いようがありません。しかし繰り返し聞くとバンドっぽい曲でも「The Nearer By and By」の後半のうっすらとしたノイズワークはGastr Del Sol経由のSSWって感じで非常にしっくりくるし、後は今更感かなりあるんですが、彼はハードコアやってたり音響派やってたりでボーカルが全面に押し出されたバンドを余りやってなかったのもあり忘れがちでしたが、素直に歌声めちゃくちゃ良すぎる・・・。ソロでは結構メロディアスで歌物としても良い曲ばっかなんでそれだけでも聞けてしまうんですが、変則的なギターフレーズの上でそれをやってのけるのも彼のキャリアならではって感じがします。

 

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ポストロック名門Southern Recordsより。シカゴ音響派周辺のポストロックバンドDianogahの2ndでアルビニ録音、ちなみに次作からマッケンタイアが手掛けるのもあり完全にシカゴ付近のインディーロック~ポストロック人脈ですが、音の方もベース二人+ドラムという変則構成でマスロックにまではいきませんが個々のフレーズの組み合わさりと反復を楽しむって感じで、音で埋め尽くしてしまわないからこそ空間の隙間を感じられる気持ちよさというか、こういう細いアンサンブルのポストロック好きすぎですね。で抒情的な歌が乗る・・・て感じで音を分厚くしすぎず徐々にエモく盛り上げていきます、結構展開も多いし少しジャズ入ってくるのもシカゴっぽい。スロウコアのような絶妙な抒情的な緩さも感じられていい具合にルイヴル発のポストロックとシカゴ音響派の橋渡しになるバンドだと思います、June of 44とToirtoiseの間を埋めるというか。

 

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今更聞いたんですが知人のスロウコアプレイリストにい入っていてめちゃくちゃ良くて最近かなり聞いてます。音が誇張してこない生音による空間系ポストロックとして聞いててとにかくドラムの音が余りにも良すぎる・・・で調べたところやっぱりアルビニ録音、それどころかメンバーは00年代ポストロック台風の目の一つとも言えるTempolrary Resdenceのオーナーが在籍してるらしく、もう布陣から間違いないんですが内容も完璧。スロウコアとかああいう抒情系でフォークロック寄りの雰囲気ありますがかと言ってずっとスローテンポなわけではないし(むしろスロウコア的な曲の方が少ないかも)、存在感のあるドラムが曲を牽引していってその上で繊細なギターフレーズが紡いでいくセッション系ポストロックですね。アメリカーナにも寄らずオルタナっぽい音でまとまってます。レーベルは勿論Tempolrary Resdence。

 

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以前ここ(Slint以降のポストロック~ポストハードコア)で出したA Minor forestのメンバーが在籍したバンド。98年作ということでポストロック全盛、というかファーストインパクトって感じしますがこの中で紹介しているので例にもれずシカゴ音響派+スロウコア寄りでなんとメンバーにチェロがいます。元々A Minor Forestの頃からスロウコア要素かなり強かったですが、あちらではどっちかと言うと完全にポストハードコアだったのがあの狂気は完全に無くなり、チェロ特有のワンフレーズ地続きになってどんどん変化していき、その上にふわっとしたギターリフが乗っかってくその隙間を楽しむって感じで地に足がついてない感覚が最高に気持ちいいですね。あとジャズ色もかなり強いのでTortoiseとかと並べて聞けますし、Tortoiseが1st時はもろSlintフォロワーのスロウコアだったことを考えると33.3はかなり近いバンドだと思います。

前身のA Minor Forestの頃からSlintの空気濃かったですが、地方でスロウコア~フォーキーな音楽に寄ってった人達がシカゴのポストロックシーンに触れて洗練されてこうなってくのってこの時代の流れがある気がして、33.3のメンバーはルイビル出身じゃないけどあのムーヴメントのその先として聞けるので、そういう意味では僕の中でDianogahと立ち位置近いかも。

 

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名盤。この流れで聞ける生音重視のポストロックで上記のDianogahとかSonnaとかと雰囲気近いですが、それらと比べてもGangerはかなりメロディアスで聞きやすくてめちゃくちゃハマりました。でドラムのフレーズがドラムンベースぽくなってたりB面からはエクスペリメンタルな電子音入ってアンビエントっぽい雰囲気になってったりと侮れません。掴みがキャッチーなだけに急に靄掛かって行き先が見えなくなるような感覚に陥り、この辺はNeu!やCANと言ったクラウトロックの影響が強いみたいで確かに長尺の「What Happened to the King Happened to Me」とかはNeu!とも通じるとこあります。

サブスクのレコメンドで知ったバンドですがDianogahとかJune of 44関連作として勧められたという先入観も手伝って、パっと聞き90sのUSポストロック感かなり強いですが実際はグラスゴー出身、でも確かにドラムンベース想起したのもそうだし「Blau」とか実験的な曲もちょうど同時期にUKだとWARPの台頭もあったと思うし、00年代になってポストロックと本格的に合流する印象ありますがGangerはこの時点で非常にハイブリッドなのは土地柄もあるかもしれない。どっち方面から聞いても良いとこどりって感じで大好きなアルバムです。

 

 

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この感じで最後にMogwai持ってくるのどうなんだ・・・て思うんですがまぁいいでしょう、別にシカゴ音響派とも絡みなくむしろ先程のGangerと同じくグラスゴー発、彼らがムーヴメントを作ったと言っても過言ではない静→動の過剰なダイナミズムを生み出したバンドでその1stにして一番好きなアルバムです。Tortoiseとかのシカゴ音響派とはちょっと距離あるというか、どっちもポストロック代表として名前が挙がるけど二分化されてるなーと最初知ったとき思っていたんですが、MogwaiのルーツはCodeine、Slint、そしてThe Jesus and Mary Chainマイブラを挙げていて、つまりスロウコアとシューゲイザーの融合なんですよね。でそう考えるとシカゴ音響派も元を辿るとルーツは一緒というか、Slintを中心としたルイビルのポストハードコアの人達がシカゴへ渡りTortoiseとかGastr Del Solになってった(メンバー的にもパホはSlint→Tortoise、デヴィッド・グラブスはBasto→Gastr del solと直結ですね)と考えるとMogwaiもスタートは同じ、どこを拡張してったかの違いでやっぱり同じポストロックなんだなぁと。

で僕はこれに気付くのにかなりの年月が掛かりMogwaiに対してもなんとなくシューゲイザーよりは硬質な重さがあって好きだったしただの「巨大なオルタナ」くらいの認識で長い間聞いてたんですが、最近スロウコアとかをよく聞いていて感覚的にわかっていき再びリバイバル的にハマってます。1曲目の「Yes! I Am A Long Way From Home」からそれこそ今回紹介してきたスロウコア発展型ポストロック(?)とも通じる雰囲気があり、フレーズを紡いでいく中でノイズが拡大されてくんですがまだ大轟音とまではいかないところも含め美しく、繰り返すにつれて少しずつ轟音へと至ってくのもいつ聞いても最高だしモグワイで一番好きな曲これかも・・・。

 

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相変わらずジャケ怖すぎる。めちゃくちゃ久しぶりに聞いた・・・前は「Christmas Steps」以外しっくりきてなかった気がしますが今聞くと全部塩梅よくて完全にこれスロウコアのアルバムですね。轟音パート減ったらそうなるの当たり前っちゃ当たり前だけど全体的に靄が掛かってて色々効果音入ってるのもあると思いますが、どんよりとしたじめっとした浮遊感みたいのが常にあって、その中アルバムの雰囲気を壊さず曲が進んでいきゆったり大轟音へと向かってく「Ex-Cowboy」で感情大放出って感じが非常にドラマ性のあるアルバムに聞こえます。シカゴ周辺の隙間を楽しむスロウコアと比べると靄が掛かってるからこそその中でも存在感のある生々しいドラムの音がめちゃくちゃ気持ち良くてフリッドマン流石って感じですが、前作もそうですがフレーズも最高だしドラムが歌みたいな聞き方してる気がしてそういうところはCodeineを思い出す・・・。

あと「Christmas Steps」はやっぱいつ聞いても最高です。静寂からの爆発パートをシューゲイズ的轟音で埋め尽くすのではなく硬質なフレーズの組み方や音色でカタルシスを演出するってのがやっぱりめちゃくちゃクールだなと、でこの手法今聞くとJune of 44の3rdとかなり被るとこありますね。ちなみに僕は昔これ聞いて「スマパンのAeroplane Flies Highだ!」とか言ってました。

 

 

 


 

ルイビルのシーンとシカゴ音響派及びジャズとの絡みについてでほぼこのシーン内で完結したチョイスでした。ちょっとしたマイブームですね。